冒険2─早速ウサギな幸運が有りましたかね? いえ、金が無いだけでしたが? 何か?
アロマ…アロマかぁ。
匂いが良さそうな街の名前だぜ。
そんなキザな感じを醸し出しつつ、颯爽と歩いて魅せるが──まぁ、周りには誰も居ない訳で。
「もう少し歩かないと人っ子1人見当たらないかね?」
そんな時も私にも有りました。
そう、そんな雰囲気を醸し出しつつ──テイク2ってところで、やっと向こう側に街を囲う塀と、そして入り口と前にいる門番チェックにちょっとした列を発見した私が居たわけですよ。
わぉ! 人だ! 人だ!
ちょっとした感動ですよ!
ええ、人を見つけただけなのですけれどもね?
いや、まぁ定番と言っちゃあ定番の獣人やら何やらも見える訳ですが、The異世界! って、この雰囲気が堪らなくこの胸を熱くさせてくれた訳ですよ!
「ん~~…マンダム!」
って、意味は分からないけれども、ちょっと口ずさんでみたり。
とりあえず、ちょっと見える列の最後尾へと行きましょーじゃありませんか!
いざ!
アロマへ!
The最初の街へ!
ここから、俺の冒険の始まりだ! なんちゃって。
「ん? 身分証明代わりないのか? あ~、なら銀貨5枚だ」
「銀貨…?」
「いや、金はあるだろ?」
はて?
金? マネー?
…あちゃ~そんな大層なもの持ってないですわ。
ちょっと気まずげに、そー…と気まずげに名もなき肩掛けカバン(初期装備)から持ち出したるは名もなきウサギさんです。
「これでどうにかなりませんかね?」
「あ~? いや、コレは出されても俺らは…」
「で、ですよね~。あはは…」
見よ! これが伝家の宝刀、愛想笑い!
とか、炸裂させちゃいましたけれども。
コレはもしやピンチかね?
「あのー良ければ私の方で何匹か居ましたら買い取りましょうか?」
「え? よろしいのですか?!」
「いやぁ、その後ろもつっかえていますので」
そんな愛想の言い返事をくれたのは後ろの商人さんらしき人で、その人の指し示す方をチラリと振り返れば確かに夕方に向かっている影響もあるのだろう、また人の列が…あぁ。
「すみません、では何匹か…」
だいぶ、羽振り良く買い取ってくれたというか、門番さん曰くの話だけれども──温情に感謝しろと述べられつつ、有り難い事に身分証明は冒険者ギルド登録が手っ取り早く、尚且つ素材の買取りも冒険者ギルドなら一括で尚更オススメと教えて頂いた私がここに居ます。
えぇ、まぁ。
そんなロマンやロマンチックやプラスチックにもならない、キラキラもロマンスもヘッタクレも無い。
そう、まずは身分証明。
そして、お金、マネー! マネー! マネー!
えぇ、金の為にもやって来ましたよ!
ようこそ! 冒険者ギルド! アロマ支部へ!




