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冒険者になろう!【本編完結済み】  作者: 御伽ノRe:アル


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29/120

冒険28─ドナドナ。ドナドナ。逃げ道は既に無いのだよ。

王都は大きいな。

当たり前だけれども。

王城を囲むように防壁が何層にも築かれていて、各エリアに分けて富裕層や商業、はたまた貧民層まで区画が分かれているのが良く分かる。

そして、1番最後の外周部は現在、鋭意制作中なのか、のどかな農村地域をぐるっと大きく囲むように築かれてる最中だ。

まぁ、何が言いたいかというと、冒険者ギルドまでが遠かったのと、更に宿屋の確保にも手間取ったということだ。

いや、最初は探してから行こうとしたのよ?

けれどもさ、右も左も分からないし、相場も分からん、地理も分からん。

早々に無理ゲーだと判断して冒険者ギルドに来た訳ですよ。

それに何よりも路銀が尽きかけていたから1泊さえも危ぶまれたからな。

そう、隣のコイツのせいだ。


「なによ?」

「いや、こうやって無事に宿が取れてよかったって事さ」

「なるほどね?」

お風呂? 湯屋? そんな金は有りませんよ。

クリーンでとりあえず魔法で綺麗にして我慢だよ。

それでも、コイツは寝る時は一緒だと言い張るのだから大概、根性が据わってると見た。

とりあえず、ここは冒険者ギルドの職員が、ちょっと憐れみの目線の中で手配してくれた宿だ。

朝市にギルドマスターに会ってくれと言われてしまった。

内容は詳しくは会ってからと言われたが、ドラゴンの丸々1頭の取り扱いと、後は王城から何か通達があるらしい。

王城? 貴族? 王族? 騎士とかもそうだけれども、胡散臭さが半端ない。

あぁいうのと関わるのは読み物の世界だけで充分なのだ。

むしろ、服…あるのか? コイツもそうだが、俺達まともな服ってあったか?

やべぇ、俺達基本的に着たきり雀ヨロシクじゃないか?

お金…どこにあるんだよ。

あぁ…更に頭の痛みを感じた気がしたが、そんな俺の気を知らずか、駄天使の奴は枕をポンポンと叩きながら俺を誘って来やがる。

もう、いいや、寝よう。

明日の事は明日の俺が考えよう。

そうして、俺は眠りに就くのだった。


「おいおい、本当に1頭丸ごとじゃないか」

ここの解体屋のおっちゃんの驚きの声ですよ。

「いや、俺もこうやって連絡が合った時は疑ったが本当だとは──魔石もあるな。このサイズだとあるだろうな。1頭丸ごとだとなると、骨…剥製の場合も有り得るのか?」

って、ここで唸ってるのはギルド本部兼、ここのギルドマスターだ。

元ゴールドタグ持ちで若い頃は英雄としても、もてはやされた経歴があるらしい。


「はぁ、これは確実に王族が動くな。ったく、おいギルド長室まで来い。話に付き合ってくれ」

「このお任せで自由って訳には行きませんかね?」

「あぁん? 何言ってんだ、無理に決まってるだろ? 分かるだろ? な? 無理だ、無理。付き合え」

何と言う強引。そしてフィジカルお化け。

ムキムキマッチョなイカツイ顔のギルドマスターに引っ張らながら、それに着いてくる駄天使を見つつ、俺はギルド長室までドナドナされるのだった。

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