冒険17─常に貧乏。そうそれが通常さ。
風呂じゃ風呂!
飯だ飯!
サッパリしてから食べるか。
食べてからサッパリするか。
意見が割れてのジャンケンポンよ。
結果は先に飯になった次第。
「先にサッパリしたかった…」
「いやよ! 寝る時に汚いのはいや! 匂いとか気になるじゃない!」
「なら、くっついて寝るなよ」
「それも、いや!」
はぁ…、イヤイヤ症候群か?
とりあえず、そんな感じでふらっと入ったお店だったがフレンチな感じだな。
フレンチってなんだ? って、言われると困るけれども、まぁ、フレンチだ。
適当にメニューを見て頼んだけれども、目の前のコイツは各メニューから結構頼んでたけれども、食べれるんだろうな?
「おい、こんなに頼んで大丈夫か?」
「食べれるわよ!」
「お金は?」
サッと視線を逸らす速さはプロだわ。
「ボアの毛皮売ったじゃない」
「お風呂代は?」
「それもボアの…後行きかけの摘んだ薬草とか売ったじゃない」
「幾ら残ると思う?」
「……」
サッと視線を逸らした辺りは確信犯ですわ。
「おい…」
「また稼げば良いじゃない! ほら! ここはダンジョン! ダンジョンあるんだから!」
「はぁ…。そうだな」
「お客様、こちら注文された商品になります」
温かいものは温かいうちにだ。
いや、財布の暖かさは常にだが。
はぁ、ご飯に罪はない。食べるか。
目の前のコイツも反省して──。
「コレもアレも旨いわね! うん、美味しい!」
「はぁ…まぁ、いいか」
うん、諦めも肝心だ。
コレもコイツの美点のはずだ。
そう思い込むんだ俺。
でも、食べ始めてみたら確かに旨い。
値段も確かにそこそこ良かったからなのかナイフとフォークも躍る躍る。
気付いたらデザートを俺は追加注文しては満足に食べ終えていたのであった。
お金? あぁ、湯屋代でパァーだな。
そんなこともあるさ。冒険者だもの。
刹那的な時もあるさ。
今だけのはずさ、きっと、多分、恐らく。
そんな不安を抱きつつも満腹なお腹と幸福感を得た俺達は湯屋へと向かう。
湯屋もアロマの街と同じく、それなりに体裁も整っていて、賑わってもいたし、綺麗だし、何よりも気持ちよかった。
アイツも真っ直ぐに女風呂だし、俺も男風呂だ。
唯一のプライベート時間とも言える。
俺はタップリと湯に浸かってはサウナで汗を流し、ビールを片手に湯屋から出るのだった。
「あぁ~、生きてる。これが幸せか」
「ええ、そうね! これが幸せね」
後ろを振り返ると、コイツもビール片手に湯屋から出てきていた所だった。
お互いに飲み干しては湯屋前の空き瓶置き場にグラスを置いては宿へと帰っては久しぶりの愛しのベッドで眠りに就くのだった。




