冒険14─旅は道連れ世は情け※道連れが良ければに限るがな!
旅は道連れ世は情け──。
そう、同行者が居ると頼りになっては冒険も楽しくなるというやつだ。
そう、そのはずなのだ。
それなのに…。
ガツガツ──ガツガツ──。
「おかわりです!」
「へいへい」
この食いしん坊の駄天使、とんだ大喰らいだ。
どんどん片っ端から俺の作った飯を食べていってしまう。
水は良い。
水魔法で生み出せる。
いや、その水魔法も練度が低ければ低品質な飲めた水では無いのだけれども、ここに居るのは加護持ちの俺と、まぁ…天使だ。駄天使だが天使だ。
それなりな上品な水も生み出すのは容易だ。
「あー…お前、食い過ぎだぞ。あんなにストック作ってたのに、もう厳しいぞ?」
「ん? いや、だって、沢山買ってたじゃん」
「それをお前が沢山食べてんだよ!」
「うっ…そ、そんな事言われても困る!」
あぁ…そうかよ。一番困ってるのは俺だっての。
次の街のドランまでまだ半分距離あるんだぞ?
途中に出会った商人にでも買うか?
いや、路銀が厳しいか。
あー、どうすっかな。
もう、困ったぞ?
「おい、もう背に腹は代えられないぞ? 狩りながら行くぞ」
「えっ? でも、誰が捌くの?」
「「……」」
おい、お互いに見合いながら黙るのは止めようぜ?
って、目線だけの会話でお互いに分かるんだから、あぁ、最悪だ。
「じゃあ、今後は飯抜きでも良いのか?」
「この美少女天使に死ねと?」
「は? どこに美少女天使が居ると?」
「あ?」
「目の前に居るのは大飯喰らいの駄目天使の駄天使だわ!」
「い、言ったなぁ! い、言って良いことと、わ、わ、悪いことがあるんだがらなぁぁぁ!」
おい、そこ涙目になるな。
泣きたいのは俺だ。
いや、俺のアイテムボックスの中の惨状だ。
おい、加護とかスキルとかあれば人生楽ちんゲームじゃねぇのかよ。
どこの激ムズゲームだよ。
「はぁ、寝るぞ。結界!」
「ま、待て! わ、私も一緒に寝る!」
「せめて身綺麗にしてくれ! クリーン!!」
「ぎゃぁぁぁ!」
乙女の声じゃ無いぞ?!
とりあえず、身綺麗にして後は諦める。
寝床のテントをわざわざ2つ買ったのにあろう事か、コイツは万が一のストックだと思っていやがったのだ。
そんな訳無かろう。お前の分だよ! と言ってやったが、今の通りだ。
コイツは引っ付き虫みたいになって寝て来やがる。
あぁ、まぁ、いいや。
とりあえず明日からの食事だ。
後何が有ったっけ…そんな感じで考えていたら俺も背中のコイツの暖かさに負けて寝てしまっていたようだった。




