冒険13─さぁ、次の冒険へ! なに、立つ鳥跡を濁さずだぜ☆
「これが朝チュンというやつか──へっ!」
「な、何言ってるのよ!」
「いってぇな!」
バシバシッと枕で殴られる俺が居た。
あっ、おはようございます。
朝チュン? あぁ、朝からチュンと鳴く鳥が居るなぁ〜と思っただけだよ。
死語? ナニソレ美味しいの?
とりあえず、天使は天使。堕天もなぁんもない。
ただ、ベッドが急遽2人になって狭くなっただけだ。
どっちかが床に寝ようと決めようとしたら、一緒に寝るのをコイツが譲らんかっただけだ。
お陰様で身体が痛い。絶対寝違えてる。俺には分かる。だって、自分の身体だもん。
「はぁ、まぁ、いっか。とりあえず、最後のこの部屋の朝だ。綺麗にしますかね、後を汚さずみたいなアレだ。クリーン「クリーン」!」
うわぁぁぁぁ──!!
「おい! お前はクリーンしなくて良いんだって!」
「え?」
この天使、ダメ天使、駄天使だ。
コイツ、魔法を重ねたら強力になっちまうだろうが、それにコイツは腐っても天使。強いんだよ、あぁ…俺の恩恵とかのバックアップも受けてるみたいだから、チートだチート。
それが重ね合わさるんだ、強力にもなる。ほれ、見ろ隣とか上とか下の部屋の住人の慌てふためくというか、急に綺麗にされる快感を寝てる中で受けたからオホ♂声も混じってるじゃないか。
「おい、早く出るぞ」
「え? なんで?」
「お前のせいだよ! この惨状の説明付けさせられたらどうするだ! お前、責任取れるのか?!」
「は! そんなの無理に決まってるんじゃない! 早く、逃げましょ!」
いや、逃げるって。
そんな悪いことした訳じゃないだろうに! いや、悪いことなのか?!
いや、綺麗にしただけなんだが!
なんだよ、朝の目覚めは気持ちよく、そして優雅に朝食を取ったら旅立とうとしてたのに!
後を汚さずでは無いが後を綺麗にしただけなのに、嫌だこの惨状! 嫌だ、この娘!
「ほら、行くぞ! 駄天使!」
「は! な! 何よ! その言葉! ちょっと聞き捨てならないんだけれども! ねぇ! 待ちなさいってば!」
あぁ、とりあえず、朝食は大事だ。
走りながら門が開くタイミングで旅立てるように行きつつ、朝から早い営業開始の露店でサンドイッチとかを買い占める。そんな中で手が伸びて来てはコイツも便乗して沢山買わされたのだった。
食いしん坊かっ!
いや、食いしん坊だった。
この駄天使、沢山食うんだよ。
何処に収まるんだよ、その量。
パッと見は可愛いのに、今もハムスターみたいに食べ走りながら俺に付いて来ている。
そして、こいつもアイテムボックスを俺のと共有しているから、ポンポンと肩掛けカバン(初期装備)にご飯を入れて行っている。
あぁ、行きに駄賃じゃないけれども、路銀稼いで行かないとな…。
少し意識を遠くしながらも俺達はアロマの街から旅立つのだった。




