冒険12─擬態詐欺じゃないか! これって有りなん?
「ちょっと! えっち! すけべ! 見過ぎ!」
「は! な、何を! それにお前本当に誰だよ!」
「なっ! ほ、本当に分からないの?! そろそろ、擬態を覚えるって言ったじゃない」
「いや、擬態って、おま! え? いや、擬態って」
擬態ってアレよな?
真似る感じよな?
それにしては肌色とか羽根とか髪の質感とか肌感とか、何かすげぇぞ?
「いや、擬態の域じゃないだろ?」
「私って天才だから! 天才の天使だから! それに可愛いから!」
「あ、はい」
自分で可愛いとか天才とか言っちゃう系ね。
いや、なんか残念や感じだ。
スライムって凄いなぁ…世界のスライムってこんな感じなんだろうか?
いや、待て。
そう言えば本に書いてあったな、魔物は進化するって、特殊な環境化だと特殊な進化もするって…いや、まさかな。
「鑑定──ッ!」
「な! 鑑定とか裸見るようなマナー違反よ!」
「いや、マナー違反とかお前! 俺の従魔…いや、従魔? あれ? 表記変わってね?」
「ピューピュー」
下手な口笛吹きやがって。
それに擬態なんて、嘘じゃないか。
進化してるやないか。
それにどんな進化や? あれか、デジモ◯みたいなアレか? アレって確か進化先に天使みたいなの居たよな。
いや、種族変わっとるやん。
天使って書いてるやん。
擬態じゃないやん。
擬態ってなんだよ。進化だよ。ワードが違うわ。
それになんだ、従魔の部分が奴隷みたいに切り替わっとる。
「なぁ、お前、種族は百歩譲ろう。天使だもんな。でも、だ。お前、俺の奴隷になってるぞ?」
「は? いや、私は進化して…自由に…え? なんで?」
「いや、従魔って魂の隷属と言うか契約だろ? ほら、だから、システムが似たような事象に当て嵌めたんだろ?」
「えっ、だからって、アンタのど、奴隷? わ、私の事どうする気! 私、穢れの知らない天使なの! その嫌らしい目で堕天させる気?!」
「いや、堕天って、お前…いや、堕天とかあるのか?」
「あるわよ! 当たり前じゃない!」
さいですか。
いや、ギャーギャー喚いているけれども、とりあえず現状を把握しよう。
コイツは天使になった。
そうなるとコイツの天使化への目的は果たした事になる。
そしたら、コイツは帰れるんじゃね?
「よし、隷属を解除してバイバイしよう。お前とはお別れだ、天界へ帰れ! ナビして貰いたい時に呼ぶ」
ガシッ──とそのまま立ち去ろうとしたら、そいつが思いっきり抱き着いては止めてくる。
「ま、まって! 待ってって!! なんなの! ねぇ、アンタなんなの! 私、帰れないの! この世界の天使に固定されちゃってるの! そ、それに…1人は寂しいし、それに、ほら、繋がってた方が置いていかれないし、タダ飯だし」
「おい、最後だけ本音だろ」
コイツ…ダメだ。
「クーリングオフ!」
「なんでぇぇ〜! こんな美少女なんだよ! ねぇ!」
「うるせぇ! ぺったんこ! 押し付けられてもわからないんだよ!」
「……」
「あ、はい。すみませんでした。はい」
痛い、痛い。
こちとら、加護とかあるんだよな?!
この怪力ゴリラどこから、こんな力が?!
ギギギと身体が鳴ってるから!
分かったから!
懇懇と謝ったら許してくれた。いや、俺が悪いのか?
いや、呼び出したのは俺か。
これ、もしやヒロイン枠なのか?
なぁ、コレが?
ギギギ──痛い! 痛い!
なんだか、俺の考えに過敏に反応してないか?! 怖いんだが?!
もう暫くは謝り倒して解放された俺は宿代を遂に【2人分】払って、そしてこの天使も羽根を消しては人に紛れては冒険者登録をして二人して冒険パーティーも登録をしたのだった。
パーティー名? あぁ、どうでも良い感じの名前だよ。ああ、語るまでも無い。ハハッ、疲れた寝よう。




