冒険115─聖都マリアージュ⇔戦火マリアージュ。
「あっ……」
そう、魔王が言葉を零すのも仕方なかろう。
俺達がダンジョンから出たと見なしたのか。魔王城がチリの様に魔力となって消えていったのだから。
「こう、見ると家のような感覚だったのかもな」
「魔王様……」
「ま、新たな居城をまた探そうぞ! 候補はこの男が見繕ってくれるはずだ」
「流石、魔王様!」
いや、何が流石、魔王様! だ。
俺におんぶに抱っこじゃないか。
いや、俺が生み出したから、責任を問われたら言い逃れが出来ないのだが、何故だか腑に落ちない部分がある。
でも、隣で「フフフ」と嬉しそうに笑う駄天使と、ツンデレ聖女は自分の姿を魔王に重ねても居たのだろうか、彼女が救われた事で、自分の事の様に喜んでいたので、彼女も朗らかに笑っているのを見ては、俺はため息1つで済ませるのだった。
「おいおい、コレはどうしたんじゃ?」
「むっ、まだ弾圧が広がってるようだぞ、主よ」
弾圧で合っているのか? いや、確かに反逆者を討っているようだが、ここの反逆者は教皇だぞ?
俺達が聖都マリアージュに戻ってきたのは良いが、衛兵は門には居なく、戦火が所々で上がっている状況だった。
俺達は足早に冒険者ギルドを目指しては受付嬢が俺達を見つけるや否や、俺達はギルド長室へと連れて行かれていた。
「どうなってるんだ?」
「見ての通りです」
「いや、分からないだろ」
「私も何と言えば良いか。私は記憶媒体の記録をこの看破の瞳にて任せられる信用の置ける、教会の枢機卿にお話し、お渡しした所、そのまま信頼の置ける大司教、司教、司祭、引いては王族、貴族と冒険者ギルドの暗部も用いて数日で纏め上げては共有した次の日にこうなりました」
「こうなったって、お前……」
「私は信仰の力をどこか侮っていたのでしょう。きっと、全てを滅するまではこの戦火は収まらないでしょう。私は冒険者ギルドのマリアージュの支部のギルドマスターとしても、この戦火を起こした一因としても、ここで鎮火とその後のフォローとサポートに徹します。すみません、お約束通りに安全な場所には出来ませんでした」
「いや、コレはもう……どうしようもないだろう」
端からでも、俺自身の目からでもコレはどうしようもないだろう。
白の基調の街並みも今はボロボロで目も当てられない現状だ。だが、しかし、そうなると──「何処に向かうべきか」と、俺が言葉を零すと「それなら、私から追加の情報と宛が有ります」とギルドマスターが俺達を改めて見回しては話し掛けて来たのだった。




