そうだ常に僕らは冒険を求めている!
定番の爽やかな風。
十八番と言ってもいい緑豊かな大地。
そして、大木とまでは行かないけれども、大きな木を背中に預けて僕は目覚めた。
そう、これはよく言うセオリーと言ってもいいだろう。
「異世界転生だー!」
そう、僕は最初の言葉をこの異世界で発した。
あれは然ることながら、今でも鮮明に思い出せる記憶。
いや、今さっきの事だからとか野暮な事は言っちゃあいけないよ?
「お主は転生者に選ばれたのじゃ」
そう、真っ白い空間で目を覚ました僕に目の前の白髪の頭と髭を携えた老人が言ってきたのだ。
「転生ですか?」
「左様。あーたらかんたらで…まぁ、あれじゃ。世界のバランスの為に一滴の雫を世界に垂らすようなものじゃ」
「それに僕が選ばれたと?」
「うむ」
そう言いながら目の前の神様だと名乗った老人が説明を大まかにしてくれる。
ふむ。
どうやら、なんというかアレか?
宝くじの超豪華なレアなレアな1等でも当たったようなものだろうか?
「まぁ、似たようなものじゃな」
「さいですか」
うん、ザックリとしてらっしゃる。
「では、その1滴に選ばれた者よ! 汝は何を求める?」
「え? まぁ、一通り選べるものは全部欲しいのですが?」
「あっ、そんな感じ? じゃ、まぁ…良いか、儂に選べるものは全部付けといてやろう。儂もこれが終われば暫くはバカンスじゃからな」
バカンスあるのね。
流石、神。
ホワイト社会真っしぐら。
羨ましいわ。
「えっと、加護はとりあえず、全部。後はスキルやら、なんやら、まぁ…ええか」
「おお…」
なんやら、ステータス画面だろうな。
ドンドンと更新されていく。
なんだろうな? 逆に何がないのか分からないレベルだ。
ほへぇ。
ものは試しと言いますか、進言はしてみるものですな。
「ま、これで全部じゃな! 分からない事があればナビにでも聞いてくれ! 儂はもう準備に行く! でわな!」
「はいはーい」
うん、爽やかに消えて行きやがったぞ。
そして、景色がどんどんと明るく目が眩んだら、うん…そう、今という訳だ。
さて、僕は…いや、俺はどうしようかね?
「とりあえず、街だな。街!」
人里だ。
とりあえず、人と会おう。
な~んも無いもんな。
いや、景色は綺麗よ? 見惚れていますよ。
綺麗は綺麗だけれども、やはり飽きは…いや、もう少し見てから行くかね。
とりあえず、もう少しだけボンヤリと景色を堪能してから重い腰を上げて俺は街へ向けて歩き始めたのだった。




