序章『開始仕訳は突然に』4
ふいに訪れた、沈黙の時間。すがすがしい春の朝の学校前には、僕と、そして、、むさい変態巨乳集団しかいません。・・・そうです、登校中の学校の生徒達は、僕を避けるようにして、走って学校に行ってしまったのです!!こいつらのせいで!こいつらのせいで!
「なんなんですかあなたたち!僕の今まで築き上げてきた賢くてまじめで爽やかなイメージが台無しだ!!どうしてくれるんですか!僕の、僕のモテモテ人生が!!」
すると、巨乳集団のリーダー格のオヤジが(口髭を生やしたダンディーなオヤジです)、僕の肩をがっちりとつかみました。非常に痛いです!!
「ワレワレハ、日本海に浮かんでイル、ブックキーピング島に住んでイル、ビックパイ民族でアル。ワレワレの民族にハ、ある1つノ大変重要ナ問題を抱えてイルノダ。その問題の解決のタメニ、ワレワレニハ、日本で最もスケベイな男の力が必要ナノダ。・・・協力、してくれルカ?」
「嫌です」
僕は即答しました。こんな意味不明な奴らに構っている暇はないのです。早く、早く学校に行って、こいつらのせいでガラガラと崩れた僕のイメージを元に戻さなくては!!!
「それでは、僕はこれで。あと、僕が日本で一番スケベだっておっしゃっていましたけれど、それは、どんなデータに基づいてのことですか?はは、僕はね、今まで一度も卑猥な本や映像を見たことがないんです。僕は、そんなことに興味はないんですよ。誰かと、人間違いしているのではないですか?それでは、急いでるので。失礼します」
僕は、颯爽と立ち去ります。どうです?ぼ、僕は、こんなに爽やかで好青年的な発言も、なんなくできる、素敵な男性なのです。こんな感じで、登校すれば、僕のイメージだってすっかり元通りなはず。そして、僕の将来に待っているのは、明るいモテ男人生!!両脇には美人が寝そべっていて、僕はタバコを吸いながら、その、ち、乳を、揉んでいるという情景が目に浮かびます。・・・お気づきでしょうが、さっきこのムサイ男集団に投げかけた僕の爽やかな発言は、全くの嘘です。僕の部屋には、大量の、卑猥な物が!!僕が汗水たらしてバイトして貯めたお金で買った、選りすぐりの本や雑誌、DVD等が、所狭しと並べてあるのです!しかし、そんなこと、誰にもばれていません。幸いなことに、僕は一人暮らし。それに、僕の部屋に友達を呼んだことはありません。だって、僕のコレクション達が見られたら、僕がものすごーーく変態だって、バレてしまいますもんね!!
僕が立ち去ろうとしたとき、僕は再び肩をがっちりとつかまれました。僕が振り向いたとき、そこに驚きの事実を突きつけられます!!!
「これハ、お前の部屋ノ写真ダ。お前ノ部屋ニハ、エロチックな物がたくさんアッタ。これはナンダ?お前ハ、嘘をついているな?」
「え?え?な、な、なんで、僕のコレクション達の写真を持ってるのさ!!??」