序章『開始仕訳は突然に』1
桜舞う季節。春です。僕、桐島順平は、今日からとうとう高校三年生になりました。僕の通う高校は、県内でも有数の進学校であり、頭の良い奴らがごろごろ居やがります。僕が・・・僕が、一番になりたいのに!!そう、僕は、毎日、寝る間も惜しんで、勉強三昧なのです。
え?なぜかって?決まっているでしょう!!そう・・・女の子に、も、も、モテたいからなのです!!僕は、女の子にきゃーきゃー言われたいのです!女性のみなさん、僕がなんだか下心ありありの男に見えるかもしれませんが、断じて違います!男というのは、そういう生き物なのです!男は、女の子にきゃーきゃー言われるためなら、どんなことだってするのです!そう、こんなふうに!
「あ、桐島くん、おはよう!今日もクールだねぇ」
「おはようございます、山本さん。山本さんも、今日も素敵ですよ」
「やぁだ、桐島くんったら、嬉しいこといってくれちゃって☆ありがと!」
そう、僕は、女の子にモテるためなら、クールで爽やかな印象だって、作ってしまうのです!こんな僕だから、なんと生徒会長まで務めちゃってる感じです。己の内面に潜んでいる下心という名のマグマが、今にも吹き出さんとするのを必死に押さえ、僕は、今日も笑顔で登校です!
そんな僕の唯一の楽しみ。それが、今この瞬間に訪れようとしています!
「きゃー、今日も風強いよー!」
「てか、スカート押さえてないとめくれちゃう、もう、やんなっちゃう!」
ふふふ、女性の諸君、やんなっちゃう、だって??ち、ち、ち。違うだろ?そこは、「きゃー、今日も風強いよーー、スカートめくれて桐島くんにパンツ、見てもらえて嬉しーい!」じゃ、ないのか?ふふ、可愛いベイビー達。僕にパンツを見られるのが、そんなに嬉しいのかい?だったら、毎日でも見てあげようじゃないですか!!!!
・・・僕が、春一番からの素敵な贈り物を堪能していると、ふいにあたりが騒然とし始めました。
「ん?なんだ?」