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終わりなき道
支援活動が半年を超え、現地情勢は徐々に安定を見せ始めていた。
MORUチームは、撤退の準備を進める一方で、地元スタッフへの引き継ぎを急いでいた。
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神崎は現地の若き医師たちと話す。
「君たちがこの地の医療を担う。
俺たちは次の現場へ向かうだけだ」
若き医師は強い決意を込めて答えた。
「先生方から教わったこと、必ず繋いでいきます」
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だが、撤収命令が出た夜、
サーシャが神崎に告げた。
「ここでの活動が終わっても、医療の戦いは続くわ。
あなたたちの歩む道も、終わらない」
神崎は静かに頷いた。
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出発の朝。
村人や患者たちが見送る中、Y-01は再び動き出す。
車両のエンジン音は、未来への鼓動のように響いた。
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神崎は振り返り、静かに誓う。
「犠牲は絶対に出さない。
命を救う道は、どこまでも続く」