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5.パッシブスキルで生きていける?

「もう勇者パーティーはあてにならねえ。俺たちで明日ワームの群れをやるしかねえ!」


おおおーー!っと輩たちが雄たけびを上げる。


「乾杯だ!!!飲め飲め!!」


いやっはーーー!っと輩たちが手に持ったビールをぶつけあい、宴が始まる。


僕は、その最前列で両ひざを閉じ、太ももに手を置き、静かに座っていた。


やばい、これは僕がいていいところじゃない気がするぞ・・・。


バルクは僕の目の前に椅子を置き、ドカッと大きな音を立てて座る。


「お前、名前は?」


太ももに手を当てたまま答える。


「えっと・・・ラーシャっていうみたいです」


「女みたいな名前だな。はっ、まあどうでもいいけどな。弱いやつでも人数の足しになればいいからな。」


「はぁ・・・」


「お前の眠りこける能力なんて使い道はねぇ、ただワームを引き付ける役をやってもらう」


「ええっと・・・、そのワームってなんなんですか・・・?」


バルクはため息をついて僕を睨む。


「これだから転生者は・・・。一度しか言わねえぞ、このルーツタウンは、壁に囲まれてはいるが、安全ってわけじゃねえ。巨大モンスターの群れが壁をうっかり壊して被害がでることがあんだよ」


「はぁはぁ・・・」


「今回は街の南側から、ワームが集団で近づいてきてるって話だ。見たことあるか?ないよな。簡単にいえば、目がない、口だけが大きい虫だ。岩でも木でもなんでも飲み込んで糞にしてしまう。人間も例外じゃない」


「怖い・・・ですね・・・」


「その集団を引き連れているボスワームが今まで見たことのない巨大サイズらしい、この建物を丸のみできるぐらいだ」


「丸のみ!!?そんな巨大生物とどうやって戦うんです?!」


「ふふっそのために、私たちがいるのよ」


バルクの横に来た妖艶な雰囲気を出している女性が言う。大きなとんがり帽子、そして胸元がぱっくり空いたドレスに視線がいってしまった。


「おう、遅かったなアメト」


「明日の準備に時間がかかっちゃってね、あなたの言った通り魔術師をできるだけ集めてきたわ。それと」


アメトというセクシーな女性の後ろに誰かが隠れている。


「紹介するわ、私の妹アミィよ。ほら挨拶して」


「初めまして・・・」


後ろからひょこっと現れたアミィという女性もうつむきながら挨拶をする。ベリルと似たようなデザインの服を着て、とんがり帽子もかぶっているが、姉と比べて活気がないように見える。



まぁ、僕が言えたことじゃないけど・・・


「おっ、頼りにしてるぜアミィ。アメトいつもすまねぇな。明日はあんたたちが作戦のかなめだ」


バルクはアメトの肩を抱き寄せ、頬に口づけをする。二人はそういう仲なのかな。

熱い二人において行かれた僕はアミィの方を見る。とんがり帽子のせいで表情は見れなかった。背丈的にも僕と同い年ぐらいだろうか。




数分後、アメトは僕に向かって一番聞かれたくない質問をした。


「それはそうと、あなた転生者らしいわね。転生スキルは?」


「えっと・・・その・・・僕は・・・」


「聞くだけ無駄だ。目をつむったら数秒で寝れるだけだ。なんの価値もありゃしねぇ」


バルクが変わりに答える。その通りすぎて何も言い返せない・・・。


「あら、スキルだけがすべてじゃないわ。あなた、パッシブスキルはつけてないの?」


「えっ、パッシブスキル?」


僕はポケットからステータスカードを取り出す。

確かに、「目をつむれば3秒で眠れる」という憎く、忌々しい文言の横に空欄がある。見るに3つの欄がある。


「この3つの空白のところですか?」


ステータスカードをバルク、アメトの前に出す。


2人は驚いた顔をする。


「3つだと!?」


「あなた、普通の人なら1つ取れるかどうかなのに、3つもあるなんて・・・」


えっもしかして凄いことなのか?


「へっ、今時パッシブなんて役に立たねえ。数%の攻撃力や防御力を上げるために使われるぐらいだ。そんなんに時間をかけるよりベルリを貯めて武器を買う方がいいぜ」


「あら、バルク。でもパッシブスキルをつけておいて損はしないわ。確かに、武器や生まれつきのユニークスキルが強いのは否定しないけど、戦略の幅は広がるわ。今ならまだ教会は空いてるんじゃないかしら」


と、アメトはポケットにしまっていた時計を見て、僕に見せる。僕はぽかんとしていた。


「えっと、教会に行かないといけないってことなんですかね?」


「ええ、スキルを変えるにはシスターの力が必要よ。日が暮れる前に早く行ってきなさいな」


「わっ、わかりました!」


というわけで、僕はギルドを飛び出していった。


やった、なんだかわからないけど僕にも光るものがある!スキルを取り巻くって明日は大活躍するんだ!


この時の僕は、これから起こる恐ろしい陰謀に巻き込まれていくことを知るよしもなかった。



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