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2.初ギルド。出会いに恥はつきもの。

今僕がどこにいるかと申しますと、街で一番大きなギルドに来ています。

すみっこの方で四角いテーブルに座ってます・・・。


街の名前はルーツタウン。いかにも始まりの場所って感じの名前だけど、その名の通り多くの人始まりの場所となり、やり直しをする街らしい。


街の中央に大きなドーム状の建物があり、中には始まりの木と呼ばれる大木があるらしい。その木がこの世界で亡くなった人の魂を吸い上げ実となる。


数年間かけて実が熟したら重みで実が地面に落ちて割れ、この世界に復活できるとのこと。にわかに信じられないが、さすが異世界。ファンタジー。


そのドーム状の建物は数名のシスターが管理しており、この世界の重要な役職であるため、他の利権や権力とは一切切り離されているとのことだが、爺さん曰く、ルーツタウンの王族とずぶずぶなんじゃないかってまるで陰謀論のように話していたのを薄目で聞いていた。


爺さんがこのギルドまで道案内をしてくれたけど、気づけば爺さんはどこかへ行ってしまっていた。なんか、受付の人から小包を受け取っていたような感じだったけど・・・まあいいや。


新しい生活が始まる。ルーツタウンで。

数年ぶりの転生者ということで、ギルドにいる冒険者たちは沸き立っていた。通りすぎる人たちにめちゃ挨拶されるし、中にはぜひうちのパーティーに入ってくれ!と名刺も何枚かもらった。


嫌だなぁ、まるでスーパースターみたいで気持ちがいいじゃないか!


「お待たせしました!すみません」


端っこの方で水を飲みながら待っていた僕の前に、一人の女性が座る。


「ただいま依頼を受けてまいりました。鑑定士のマルです、いや~、私がここに努めてから初めての転生者さんなので、ちょっと緊張してまして。」


計算得意ですって感じの丸い眼鏡をかけた女性が僕の前に座る。


「では、まずお名前からですね、ちなみに今自分の名前とかは覚えていらっしゃらないですよね」


「まったく知らないです、ははは」


「では、ちょっと失礼」


鑑定士は僕の手を握り、呪文を唱え始める。すべすべしてて、あったかくてドキドキ。


「見えました。あなたの名前はラーシャ です」


「ラーシャ・・・」


これが、この世界での僕の名前。


「なんか、ちょっと変な名前ですね」

「気を落とさないでくださいね」

「そういわれるとちょっと傷つきますね」


鑑定士は小さな四角い紙に名前を魔法のペンで記入する。自分の名前やスキル、ステータスなど、証明に使われるカードを作ってもらえると爺さんが言ってたな。

爺さん曰く、このカードを偽造することは犯罪にあたるらしく、資格を持った人でしたカードを書けないらしい。


「次に、ユニークスキル、いえ、転生スキルの方を見てみますね」


「はっはい。お願い・・・ひぇっ」


転生スキルの話になったとたんに、周りの冒険者の視線が僕に注がれる。いつのまにか僕の背後にもいる!


それほど、注目されているってことなのか・・・。


「ラシャさんの転生スキルは・・・・むむむ~」


鑑定士は目をきゅっとつむり、僕の手を強く握る。


今まで気にしてなかったけど、自分の転生スキルはどんなのが良いだろう。

瞬間移動ができるとか?敵をワンパンで倒せるとか?防御力に全振りで攻撃を全く受けないとか?いっそのこと不老不死とか?


想像がふくらみ、頬が少しずつ緩んでいく。めちゃくちゃ強いスキルだったら、ギルドのみんなから驚かれて、人気者になれるんじゃないか?そして、有名な冒険者パーティーに参加して、強いモンスターをバンバン倒して、いるのか知らないけど魔王とか倒しちゃって?そんで、豪華な食事を包みながら、豪華な家で一生を過ごす。街のみんなから慕われて、可愛い子と結婚したり・・・。




「目をつむれば3秒で眠れる です」




そう、目をつむれば3秒で眠れるというスキルで、僕はこの世界で無双。無双???


「はい?」


僕は彼女の丸眼鏡ぐらい大きく目を開け、もう一度聞きなおす。後ろや近くにいた冒険者たちも目を丸くしている者や、口に手を当てて驚いている者、なんか遠くの方で泣いてる人もいる。


「もう一度いいますね。 目をつむれば3秒で眠れる です」


「・・・・・・・」


ギルドのお祭りのような雰囲気が、一気にお通やモードに。皆ため息をして去っていく。後ろにいたやつは、僕の肩をとんとんっと優しく叩いて去っていく。いつしか、僕と鑑定士の女性だけになっていた。


「気を落とさないでください。追加でベリルを支払えば改名できます」

「名前のくだりはもう僕の中ではどうでもいいんですよ!! 見間違いとかじゃないですか?!」


僕は逆に鑑定士の手を握り返し、前のめりになって聞く。急に立ったせいか、ちょっと頭がくらくらしている。いや、急に立っただけじゃないと思う・・・。


「きゃっ!いっいえ、間違えることはないですよ。気を落とさないでください。ほらっ、他にステータスも」


鑑定士もその場で立ち、もう一度鑑定する。が。


「ステータスも、長所てきなところはない・・・。オール平均です。逆に珍しいくらいに・・・」


「うそでしょ・・・」


僕はへたりと椅子に座りこんだ・・・。

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