11.獄中の羊
あっ、みなさんこんにちは。この異世界転生して3日目で死亡し、気づいたら6年も経っていたラージャです。
そして前科待ちです。罪状には全く身に覚えがない。これを読んでるあなたもそう思うでしょ?
あのあと気絶させられて眠っている間に、このプリズンにやってきた。
周りはネズミ、いやミミズさえ侵入を許さないようなコンクリートの壁。食事と催しの時にしか開かない頑丈な鉄の扉。狭い窓から灯りが差し込んでくるのみで、部屋の中は真っ暗。
もし知らない人とルームシェアだったらどうしようと思ったけど、よかった1人だけみたいだ。その代わりすごく狭いけど。トイレするために便座に座るとする。座った状態で足を伸ばし切れないぐらいのひろさ。
そんな狭い部屋に安っぽいベッドが一つ。寝返りをうつたびにギシギシと音が鳴る。
娯楽などなく、ただ扉の窓から差し込んでくる光を眺めるしかない。気が狂いそうだ・・・。
この狭い牢屋に閉じ込められる前に、僕は必死に抗議した。
ドラゴンなんて知らないと。むしろ僕そのドラゴンに殺されたんですけど!と。
だが、警備の人たちは鼻で笑い、相手にしてくれなかった。
「どんなに貴様が吠えようと、判決は覆らない。この街の平和を乱す危険分子として、一生ここで暮らすんだ」
荷物検査と更衣のため、大男に身体をまさぐられながら僕が涙目で問いかける。
「一生って!!そんな・・・何年ぐらいここにいないといけないんです?」
「あー、えーっとだな。ざっくり160年だ」
160?えっと、一桁多くない?
目の前が真っ暗になるとは、まさにこのこと。
僕は冤罪で、この牢屋で一生を過ごすこととなった。
100年生きれたとして、残り60年は骨だけになって過ごすことになりそうだ。
そもそも、この世界の人たちが何年生きるのだろうか。わんちゃん転生者ってことで、200年ぐらい生きれたりしないのだろうか。
「はぁ、考えるだけ無駄だな・・・」
ここから出る方法を考えてみるが、今の僕には全部実行できそうにない。
考えるというものの、奇跡に近い脱出劇を頭の中で妄想するだけだ。
3秒で寝れると言うスキルのおかげで、夜中寝られなくてつらい思いをしなくてよいのは助かる。
せめてこの場所についてもっと情報を得たいところだが、外に出られる時間は決まっていて、ウロウロしたりはできない。
「出会った人達は、今も元気にしてるのかな・・・」
ぽつりとつぶやく。誰も返事はしない。
ベッドの上で体育座りしていると、しゅるしゅると触手が動く音がして、扉の鍵が開く音がする。
食事の時間の合図だ。
僕は重い鉄の扉を押し、食事を取りに向かった。
ここにきて、今日で3日目。2回目の朝食となる。




