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星空のアトリエと、夢の明星

作者: 逢乃 雫

空を一面に染める


ゼニスブルーに



浮かび上がる白い


コスモスのような


ひつじ雲たち



忘れ咲きの


冬向日葵の眼差しは



太陽の行き先を


見つめながら




メタセコイアの


琥珀色の並木を



舞いゆく黄金の


羽根のような


色葉の一つひとつ



雀色時(すずめいろどき)の風に


ささらめく光の中



夕波千鳥を


追いかける瞳には



空を駆けていく


黄金のひつじたち




太陽の道を


黄金のひつじは駆けて



夢色の軌跡を


描きながら



暮れなずむ


街並みと


並木のシルエット



夜空に浮かび上がる


おひつじ座の星々



黄金に輝く


ハマルの星が導く



黄道という名の


道がそこに





太陽の道を


黄金のひつじは照らして



月の瞳が照らす海に


映る光の道



空には煌めく


夜半(よわ)の明星



黄金のひつじの


描く軌跡に



春をみつけた


古人(いにしえびと)のように



星空のアトリエで


月と星を見つめて




それぞれの夢を


それぞれの道を


目指しながら



見上げた(そら)にある


星の光は


きっと同じだから



星の数だけ夢がある


夢の数だけ星がある



あたたかな太陽の道も


静かな月の道を行く時も



自分を信じて


夢を信じて



時にふりかえることも


きっとあるけれど



春の前には


冬の寒さがぬくもりを  


教えてくれて



冬の前には


秋の景色が心の紅葉を


色づかせて




心のアトリエで


夢を見つめて



駆けていく軌跡を


想い描きながら



描いた夢は


誰かのために



宙を駆けていく


黄金のひつじのように




描くのは


自分自身だから



夢も道のりも


そして


物語も、きっと


















黄道十二星座の一つ、おひつじ座は、12月の南の空高くにあり、オレンジ色に輝く2等星のハマル(アラビア語で「羊の頭」)が目印です。神話では、生贄にされそうになった王子と王女を助けるために、空を駆ける黄金の羊とされます。


約2千年前、「黄道」(太陽の通り道)と「天の赤道」の交点にあるこの星座の位置に太陽が来ることで春(春分点)としたとされます。黄道十二星座の1番目の星座です。


おひつじ座の真横でひときわ輝くのが、木星で、「夜半よわ明星みょうじょう」と呼ばれます。


「ひつじ雲」は秋が有名ですが、冬にも見られる高積雲で、「雀色時すずめいろどき」は、夕暮れ時のことです。白いコスモスには、優しい美しさ、「優美」という花言葉があります。


季節の星や花をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] >空を一面に染める >ゼニスブルーに いつも思うのですが、背景というか情景の表現がとっても素敵です。 私はそういった表現が出来ないので、こんな短い文章で表すことができるのは凄いと思います。…
[良い点] 素敵な詩です……。 特に「星の数だけ夢がある 夢の数だけ星がある」と言う部分に強く惹かれました。 私の星に願いを込めて、自分の作品が多くの人に読まれるように願いたいです……。 何だか…
[良い点] 今回の詩は、後半の対比が特に素敵だなと思いました。 「太陽」と「月」、「星」と「夢」、「春」と「冬」、「冬」と「秋」とそれぞれ対比するものであるのに、お互いに支え合っていると言うのが感じら…
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