20. 二人の時間
目が覚めると桜の顔が目の前にあった。
「おはよう。優樹」
「……おはよう、桜。ここは……」
「私達の家だよ」
「そうなんだ」僕達の家、か。
ふと桜を見ると、顔を少し赤くしていた。その顔を見て気づいた。
「膝枕してくれてたんだ」
「う、うん。優樹が、喜んでくれるかと思って……」
「ありがとう。すごく嬉しい」
「それなら良かった」
「……もう少し寝たいんだけどさ……」
「うん」
「一緒に……寝ない?」
「いいの?」
「うん。桜と一緒に寝たい」
「それじゃあ、行こう」
ベッドに二人で入る。いつもよりも暖かい。
「ふふっ。なんだかいけないことしてるみたいだね」
「うん、そうだね」
「暖かいよ。二人だからかな?」
「きっと一緒にいるからだよ」
「そうだね……」
ふと思いつき、桜を抱きしめる。
「ゆ、優樹っ!?」
「このままで寝よう。今日だけでいいから」
「もうっ。しょうがないなあ……」
そう言って桜も抱きしめてくる。
「これからも、こうしてもいいんだよ?」
「いいの? なら毎回桜を抱きしめて寝ようかな?」
「私も優樹を抱きしめてねちゃおうかなぁ……」
「ふふっ。それじゃあおやすみ、桜」
「おやすみ、優樹」