番外編:我々は現実世界で酒飲んでロックとかについて駄弁る。
か=香凜(Vo&Gt)
み=美玲(Cho&Ba)
に=にゃー子(Dr)
都内某居酒屋にて
か「かんぱーい」
み「ぱーい」
に「にゃーい」
か「ぷっはー! やっぱライブの後はビールよな」
み「まーね」
に「あーしは烏龍茶だけどにゃ」
か「にゃー子ちゃんはかわいいからいいよ」
み「かわいくなかったらノンアル不可ってこと?」
に「セクハラとアルハラの合わせ技だにゃー」
か「あ、揚げ足取り……でも否定できない。反省します」
み「ついでにライブの三曲目でミスったのも反省しな」
に「あー、あそこにゃー」
か「えっ……どこだっけ」
み「ミス多すぎてわかんないか……」
に「哀れだにゃ」
か「……ごめんなさい」
に「暗い酒になりそうだにゃー」
み「あんたノンアルじゃん……」
1時間後
に「結局、ロックってなんなんだにゃ?」
か「うわ、そういうめんどくさい疑問をいとも気軽に」
み「っていうか何年ロックやってんの、あんた」
に「いやー、あーしは誘われて始めたからにゃー。ドラムは叩けるけど、二人みたいに好きなバンドとかロックの歴史とか全然知らないんだよにゃー」
か「それであたしらの中で一番上手いのがズルいわ」
み「それな……」
に「まーにゃ」
か「ミネア」
み「?」
に「?」
か「えっ……ううん、なんでもない」
み「本題に戻るけど、結局そういう定義とかって人それぞれだから。起源としてのロックンロールとか、現代で言ういわゆる精神的な象徴としてのロックとか、あるいは単純にサウンドの……」
に「Zzz……」
か「むずかしー話やめよーよ、みれーい」
み「そういう話振るからでしょ。私は悪くない。店員さん、唐揚げ一皿とハイボール追加で」
に「じゃー、一般論じゃなくて二人が思うロックってのはなんなんだにゃ?」
み「それは……」
か「うーん……」
に「にゃ?」
2時間後
か「だからさあ! ロックはやっぱカッコよくなきゃダメなんだよ! アツくて! 尖ってて!」
み「ロックは死んだんだよ……マリリンマンソンの歌詞じゃない……音楽ジャンルとしての限界が……これからはポップスのサブジャンルとして生きるだけの存在……でも私はロックと一緒に死ぬ」
に「にゃははははは! にゃははははは!」
か「ハァ……ハァ……」
み「…………」
に「にゃは……ひぃ……あれ、あーしなんで笑ってたんだっけ」
か「あ、ラストオーダーだ」
み「……唐揚げ」
か「唐揚げはもういいよ。唐揚げはロックじゃない」
み「なんだと……論理的に言って唐揚げはロックだ。否定する奴は死なす」
か「やってみろよ!」
に「あ。あーし明日早いからもう帰るにゃ。じゃーにゃ」
み「だったらお前、唐揚げで一曲書いてみろよ!」
か「やってやるよ! 唐揚げでボサノバ書いてやる!」
み「あれ……にゃー子どこ行った?」
か「帰ったよ」
み「えっ、寂しい。帰るか、私らも」
か「唐揚げ食べないの?」
み「……食べたいの」
か「うん……」
み「……帰り、ファミチキ買ってこ」
か「……うん」
み「あ」
か「ん?」
み「帰り道、ローソンしかないわ」
<おわり>
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