番外編:我々は現実世界でポテト食ってフ◯ックとかについて駄弁る。
都内某所、駅前ハンバーガーショップにて
か「ファックってどういう意味か知ってる?」
み「……」
に「……」
か「二人とも知らないの? 教えてあげよっか」
み「やめろ、公共の場で」
に「誰でも知ってるにゃ」
か「えっ」
に「最近知った風の言い方にゃけど、まさか今まで意味知らずに言ってたにゃ?」
か「うん。だって……」
み「だって義務教育受けてないし、とかそういういつもの持ちネタはいいから。洋楽の歌詞にもバンバン出てくるんだし、いくらでも調べる機会あったでしょ」
か「いや、義務教育は受けてるけど……」
に「っていうか自分の曲でも使ってたにゃ。意味知らずに書いてたにゃ?」
か「カッコいい言葉だと思ってた」
み「まあ、そういう使われ方しがちだけどさ」
に「そうかにゃー。ネット見てれば下ネタなのは誰でもわかるにゃ」
か「あたし2ちゃんねるとか見ないし」
み「その呼び方で見ないのわかるわ」
に「2が5になったりしたからにゃー」
か「えっどういうこと」
み「わかんなくていいよ」
に「わかんなくていいにゃ」
み「あんた、うちで一番オタクっぽいのに一番知識ないよね」
か「あたし、ダブルでけなされてない?」
に「まあ、ボーカルは頭より顔がよければいいって聞いたにゃ」
か「えへへ……」
み「褒めてはないだろ」
か「そうなのにゃー子ちゃん」
に「どちらかと言えば慰めに近いにゃ」
か「そっか……でも、慰めてくれるんだね」
に「都合いい頭してるにゃ」
み「まあ、いい意味で馬鹿なのがいいってこともあるでしょ。特にパンクバンドならさ。考えるより動けって言うじゃん」
か「でもジョン・ライドンもジョー・ストラマーも頭いいよ」
に「変なとこだけ知識振りかざしてくるにゃー」
み「っていうか、にゃー子の時はデレデレすんのに私が慰めたらツッコんでくるのなんなの……」
か「急にジェラシー出すじゃん」
に「そもそも最初に凹ませたの美玲だにゃ」
に「それで、意味を知った感想はどうだにゃ?」
か「えっ……なんの話だっけ」
み「ファック」
か「!?」
に「ファックの話だにゃ」
か「あ、そういう意味か……えっと、感想としてはまぁ、意外だったけど驚きはないですね」
み「どっちだよ」
に「つまりどうでもいいにゃ?」
か「だって使う機会ないじゃん。ちなみに自分の歌詞は一応確認したけどそのままでよさそうだった」
み「まぁね」
に「確認するの偉いにゃ」
か「いつか海外ツアーとか行ったら使う機会あるかもしんないけどさー」
み「あるか?」
か「作るんだよ、機会を!」
に「海外のファンとファックするにゃ?」
か「最低だよにゃー子ちゃん……」
み「じゃあ喧嘩すればいいんじゃない。観客に野次飛ばしてくるムカつくおっさんとかがいてさ。あんたがファック・ユーって中指立ててやるの」
か「やだよ怖い……刺されそう」
に「妙にシチュが具体的だにゃ。もしかしていつもそういう妄想してるにゃ?」
み「してませんけど」
か「敬語出た……つまり、してるんだ」
み「……だってあんたの格好いいとこ見たいじゃん」
か「えっ……ドキッ」
み「茶化すな殺すぞ」
に「目が笑ってないにゃ」
か「別の意味でドキドキしてきた……」
か「やっぱり喧嘩とか暴力はファックだよ」
み「使いこなしてるじゃん。まー、そうね」
に「……」
か「ロックは非暴力不服従。汚い言葉で平和を歌っていこうぜ」
に「あー……そういう意味にゃ」
か「どういう意味だと思ったの」
み「聞かなくていいよ」
に「さっきの流れで深読みしすぎたにゃ」
か「とにかく、我々はパンクっぽいロックバンドとして堂々とファックと叫んでいきたい!」
み「マックの店内で叫ぶのはやめろ」
に「マックとファックってちょっと似てるにゃ」
か「にゃー子ちゃんどういう文化の中で生きてるの……」
み「でもステージで叫ぶ機会ある? 曲の合間に叫ぶわけ?」
に「ただでさえMC下手なのににゃ」
か「下手だからこそだよ。クールなシャウトで場をつなぐ!」
み「クールではない」
に「空気は冷えると思うにゃ」
か「……ファック!」
み「マックの店内で叫ぶのはやめろ」
(おわり)
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