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第74話 見世物ではありません

「おおおお、これが噂の妖精姫か!!本当だ、頭に謎の物体が」

 いきなり男性4人に囲まれてしまった。何やら見世物になった気分だ。

「あの、妖精姫とは……」

「ああ、それは一部の者の間で、アレックス団長がそう呼んでいると広まった呼び名だよ。あの氷の魔法騎士を溶かすほど溺愛されている妖精だとか、変な物体が乗っていても可憐だとか、いろいろ情報が来るよ」

「マルコ先輩、その辺でやめてあげてください。フィーネが困っています」

「おお、そうか、すまなかった。僕はここの部長のマルコ・カーターだ。何か困ったことがあったら言ってきて。情報関係はここに集まるから、解決できるかもしれないよ」

「はい、ありがとうございます。いきなり来てすみません。今からお願いを聞いてもらってもいいですか?」


「最近の魔物の動きか……地方の森、聖女の森辺り。わかった、少し時間をもらっていいかな?さすがに今すぐは無理だからね」

「はい、勿論です。よろしくお願いします」

「ああ、あと、魔物関係なら隣の部屋の魔物研究会の方にも声をかけたらいい。彼らは魔物についてあらゆる分野で研究している。何かいい対策が思いつくかもしれない。詳しい事情がわからないけど、深刻なんだろ?」

「はい、今は詳しく言えませんが、そのまま協力していただけないでしょうか?情報開示が可能だと分かった時点で、どこよりも早くお知らせします」

「なるほど、かなりそそられるセリフだね。まあ、調べれば分かってくるとは思うけどね……」

「今来ているのは5人だが、普段来ない部員を集めればかなりの数だ。情報網は更に多岐にわたる。必ず君の欲しい情報を得て渡そう。その代わり条件を出してもいいかな?」

「それは交換条件でしょうか?」

「うん、そうだね。可能であれば、その魔物を調べている件の結末が知りたい。情報を使ってそれがどう役に立ったのか、改善点も知りたいし、今後の役にも立てたい」

「……わかりました、どうなるか分かりませんが、出来るだけ詳しくお伝え出来るよう心がけますね」

「ありがとう。では明日の放課後、またここに来てもらえるかい、その時に情報を伝えよう」

「明日、そんな早くに……」

「情報は早さが命さ。それもより真実を。まあ、部員の腕の見せ所さ」

「ありがとうございます」

 

 それからリリーとチャーリーと一緒に部室を出て、隣の魔物研究会にも顔を出した。許可をもらい入室すると、部屋の壁一面に様々な魔物の姿絵が貼ってあり、リリーと二人でぎょっとした。かなりリアルな姿絵で、描くのが趣味の方もいるそうだ。主に魔物のあらゆる研究をする部活動らしい。

「それで何が知りたいのかしら?」

 部長さんは2年生のキャリー・パーカー先輩で、なんと女性だった。魔物が好きと聞いて男性ばかりだと想像していたけど、どうやら女性の部員も多いらしい。主に小さな無害の魔物中心に愛でているらしい。

「あの、魔物の生態や弱点がわかれば教えて欲しいのです。詳しくは言えませんが、必要なんです」

「まあ、あなたのような女生徒が魔物に興味を?でも生態はともかく、弱点を知ってどうするのかしら?」

「それは……必要になった時に備えておきたくて」

「……そう、あなたの目は冗談を言っているようには見えないわね。まあいいでしょう。出来る限りのことは教えましょう。その代わりに……」


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