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第33話 西の魔女の後悔

「待って、アレックス様待ってください!!」

 アレックス様は急に飛び出した私を見て、展開していた魔力を消した。突然飛び出した私を見て、マックス様は焦っている。

「あの、違いませんか?今、先生の言っていること、嘘ですよね?」

「フィーネ、急に何を言い出すんだ。こいつが殺したんだ。男に殺すように命令して、フィオリーナを殺したんだ。そこをどいてくれ」

「嫌です。だって、フィオリーナの魂が違うと言っています。先生は嘘を言っています」

「フィオリーナの魂が違うと言うはずなんて、そんなこと……」

「ちゃんと説明は出来ませんが、そうなんです!先生、いえ西の魔女、本当のことを言ってください。このまま真実を告げずにいなくなるのは、きっといいことじゃないです。お願いします」

「西の魔女、本当に違うのか……」

「……」

「お願いです。真実を」

「わかったわ。でも、真実を聞いたってあの子は帰ってこない、私のしたことは許されない……」

「そうだとしても、本当はあの時に何が起こったのか、知りたいはず、そうですよね?」

「ああ、小さかった俺はあの時何が起こったか理解できなかった、何故フィオリーナが殺されたのか、ずっと今も繰り返し考えている。でも、答えが出ない……苦しいままなんだ」

「……そう、わかったわ。真実を教えましょう。あの時私がした取り返しのつかないことを」


「あの時、私はあなたをあの男に攫うように指示したのよ。殺せなんて指示してない。」

「攫う?どうして攫うんだ??」

「魔女仲間から、あなたを狙っている奴がいると聞いたから。アレクセイの孫のあなたが殺されるなんて聞いたら、何とかしたいと思うでしょう。だから狙っている犯人を見つけるまで保護しようと思ったの」

「どうしてだ、関係ないだろう?」

「まあ、そうね。でも、助けたいと思うことに大した理由なんていらないはずよ。思わず行動した、でもそれが悲劇を生んだ。攫うよう指示した男は、何者かに黒魔術をかけられた。そして小さな聖女を殺したのよ……」

「お前がしたんじゃないのか?」

「違うわよ、私が誰かを殺すなら、その時は直接手を下すわよ。わざわざ黒魔術なんてややこしいことしない。それで、その男を探したんだけど、5日後に殺害されて見つかった。指示した犯人は不明。結局あなたを狙っていた黒幕もわからずじまい。そして、容疑者として私が有力候補になった……」

「何故その時に申告しなかった」

「いやよ、結局助けられなかったし、私のしたことを思ったら、もう情けなくて、この国にいるのも嫌になって、最近まで違う国で引き籠っていたのよ」

「では何故、今更戻って来たんだ?」

「ほら、それは……風の噂でアレクセイがもう長くないっていうから、笑ってやろうかと……」

 西の魔女は真っ赤になっている。きっとまだアレクセイ前陛下が好きなのだろう。先ほど不老の魔法を拒否されたと言っていた。でも、肖像画は大切に持っている……

「そうか、では今回の事件はなんだ?何故生徒や王都の民を操った?」

「それは、アレクセイに拒否されて、アレクセイも死んじゃうなら、もうこの国は要らないから、私のいた国に売り渡そうかと……思ったりしたからかな?」


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