表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/213

第29話 生徒たちの情報網

「は?惚れ薬……」

「はい、みんなの情報では、4人とも片想いの相手がいたそうで、それで魔法薬の先生のところに行っていたのではないかと……まさか神経系の毒が欲しくて通っていたとは考えにくいですし」

「……待て待て、神経系の毒とは?どうして惚れ薬か毒なんだ??」

「それは、授業の最初に先生が得意なのは、神経系の毒や惚れ薬だとおっしゃっていて、冗談ぽく先生の元へ行けば手に入ると言っていたので。勿論ほとんどの生徒は気にしていませんでしたが、その4人の生徒は本気にしたのかもしれません」

 あの時の先生は、笑って言っていたが、目が本気だった。そうあの時、聞きに行く生徒がいそうな予感はしていたのだ。

「とんでもない教師だな。それに生徒の情報網もすごい、片想いって、個人情報は守られないのか……」

「みんなが本気で情報を集めれば、結構集まるみたいです。風魔法の応用で、通信魔法が出来るみたいで普段は他愛もないことを呟いているみたいですが、何かあった時は一定の情報網として機能しているみたいです。チャーリーが、通信魔法が得意で通信仲間の情報を教えてもらいました」

「そうか、王都は広すぎて情報を集めても犯人につながるところまでいかなかった。学園であれば、範囲も狭いから、その分情報も集めやすいのかもしれない」

「同じ犯人なのでしょうか?」

「それはわからないが、手口や暴動を起こした生徒の様子は酷似している。無関係だとは思えない」

「ミラーリア・ジョシュア先生が犯人という事もありますか?」

「その可能性も含めて、明日面談してみようと思う。占いの件もあるし、どちらにしても会っておきたい」

「あの、私も一緒に行くことは出来ますか?」

「フィーネ、君を連れて行くのは危険だ。本当に犯人だとすれば、何が起こるか分からない。もし西の魔女なら、俺が本気でかかっても勝てるかどうか……」

「そんなに強いのですか……大丈夫ですか?」

「ああ、俺一人なら戦えるさ。君を守りながらだと、正直自信がない」

「わかりました。信じて待っています」

「ああ、そうしてくれ。フィーネが安全な場所にいれば、俺は安心して戦える」


 次の日、一緒に登校して教室まで付き添われた。アレックス様はこのままミラーリア・ジョシュア先生に会いに行くようだ。マックス様もあとから合流する予定らしい。アレックス様とマックス様は魔法騎士団の中でも別格の強さだと、チャーリーが教えてくれた。

「フィーネ、くれぐれも一人になるな。リリアンナ嬢やチャーリー君と行動するんだ」

「はい、わかっています。体調もいいですし、大丈夫です」

「わかった。では行ってくる。リリアンナ嬢チャーリー君、フィーネを頼む」

「はい、勿論です」

 アレックス様を見送って、私たちは教室を移動した。今日は魔力の属性判断をして、初めての魔法実践の日だった。それぞれ判定された属性をどこまで使いこなせるか、先生の前で披露するのだ。それによって初級・中級・上級の判定がつき、その進度によって習得する魔術が決まるらしい。前期の技術試験では、目標を定めてその技を習得できているかで成績が決まるようだ。

 私は、水魔法は使い慣れているから自信があるが、属性判定で初めて適性があるとわかった風魔法は自信がない。光魔法は、実際は精霊魔法なので、どこまでするのか正解はわからないし、かなり緊張していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ