煎り揚げ玄米
玄米を煎るととてもいい香りがする
まさに香ばしいという表現に満点を与えられそうな香りがする
ただ、火加減が難しくて強火では一気に焦げてしまう
気の短い人には向いていないかもしれない
ただただ気長に丁寧に素煎りをする
焙煎の専用機なんて普通は家にはないので、鍋の方を手動で振ることになる
玄米が徐々に茶色く色付いてくると、それに伴い香りがたってくるのを楽しむ風情が大事だ
これを楽しむ気持ちの余裕がないと単に時間の掛かる作業でしかない
自分で想像する煎り加減の色になった時につまみ食いしてみると
たいていまだ硬いことが多い
まだかぁ・・・
さらに煎る作業を続ける
玉ねぎの皮の色ぐらいになる
流石にもういいだろうとまたつまみ食いをする
香ばしいけれどやはり硬い
この方法ではだめなのか?
じゃあ、お茶に入れてみるとしよう
なるほど玄米茶の味と香りになったが・・・風味が薄っぺらい・・・
所詮素人のありあわせの鍋を使った作業ではこの程度か?と思う
ここでふとポップコーンを思い出した
そうだ!油を入れたらどうだろうか?
さっそく素煎りした玄米を半分だけ鍋に戻し軽く浸るぐらいの油を注いでみる
温度が上がるにつれて素煎り玄米から泡が出だした
ちょうどミニ天ぷらを揚げているような感じがする
暫くすると玄米が弾けて小さなポップコーンのような見た目になった
これはいい感じだ!
弾けたものをつまみ食いしてみる
熱い!
だが、香ばしいあられのようで食感も良い
このままお茶漬けに入れたら美味かも知れない
ほぼ玄米が弾けたところへ塩をふりかけてみた
おお!これぞまさしくあられではないか!
いくらでもつまみ食いができる
これに味をしめたので
次は最初から油で煎り揚げという状態で作業をしてみた
確かに色づきも早いし香ばしい香りもする
期待しながら作業を続ける
ところが、ポップコーンのような弾け方にはならない
玄米が膨らんだような状態にしかならない
つまみ食いをしてみると確かにあられに近いが、前の素煎りしたあとに油で煎り揚げたものの方が食感も良い
完成したであろうものに塩をふりかけて食べてみる
素煎りよりは美味しいけれど、素煎りしたものを煎り揚げたものよりは食感はよくない
冷ましたあとタッパーに保存して炊飯時に少し混ぜてみる
炊きあがり寸前には非常に香ばしい食欲をそそる香りが広がる
もちろんふやけた食感になってはいるがいい感じだ
味噌汁にも入れてみる
香りは良くなるがふやけるまでには時間がかかり過ぎるようで、味噌汁の具材とは違う食感に違和感を覚える
お茶に混ぜてみるこれは玄米自体を食べないので、香ばしい風味を味わえた
今までで解ったことは素煎りの玄米は硬すぎる、いきなり煎り揚げたものはそこそこ許容できるが、素煎りしたものをさらに煎り揚げたものの方が断然美味しくてつまみ食いが進む
やはり食材は少し手をかけるだけでこんなにも美味しくなることを身を以て知った
手間を省くとそれなりのものしかならない
どんなこともそうなんだなぁとつくづく気付かせられた煎り揚げ玄米だった