さらなる新キャラッッ!!
奴隷商人が二人を急かしだす。
「おい! さっさとトドメをさせ!」
コノエは手榴弾を握り、ピンに指をかける。
こいつ人を倒すのに手段ってもんを考えないのかよ。
「じゃ、これで終わり〜」
ピンを抜かれた手榴弾が飛んでくる。
こうなったら私も自慢の忍術で戦うしかない!
そう覚悟を決めた瞬間、
「そこまでです!」
天より降りてきた少女が、手榴弾を一刀両断した!
小柄ながら鋭い目つきと引き締まった体、美しい日本刀を掲げた少女が、私たちの間に着地する。
「喧嘩両成敗。これ以上の争いは認めません!」
奴隷商人が反発する。
「部外者が入ってくるんじゃねえ! そこのチビは俺の奴隷だったんだ!」
え! とリリィちゃんとコノエが目を見開いた。
「ちょっと〜、大量殺人鬼だって聞いてたんだけど〜?」
「人を売買するなんて最低です!」
「あ、やべ。いや、あのだな……」
「行こう、リリィ」
「うん! あの、攻撃しちゃってごめんなさい!!」
推しとその友達は私たちに頭を下げ、幌馬車に乗り込んだ。
奴隷商人さんはあちゃーと頭を抱え、
「覚えてやがれ!」
同じく幌馬車に乗り、去っていった。
これは再登場が期待できる別れ方。また会おうね、リリィちゃん♡
ポツンと取り残された刀少女が私を見やった。
「無事ですか?」
「あ、はい。どうも」
「なにやら騒がしいので走ってきてみれば。まったく、奴隷商売だなんて感心しません」
「そ、そうね。うん」
どえらい真面目な女の子のようだ。
こういうタイプの人ともっと早く出会えていたら……。
「私はネネ。もしかして、お二人も王都の格闘大会に出場するつもりで?」
「いや私は……」
「はいはーい! 参加しまーす!」
メミーナ、私から半径3キロ離れていないと死ぬみたいな呪いに掛からないかな。
「おお! それは奇遇ですね! 共に優勝目指して頑張りましょう!!」
ネネが踵を返す。
……このまま行かせていいのだろうか。
私の隣には、やかましい女が一人だけ。
私の胃に穴が空くのも時間の問題。
だったら強引に別れる道もあるが、なんだかんだ、仲間にはなっているので(なってしまった)、さよならバイバイというのも、少し……。
ならば!
「あなたも一緒に行きましょう!」
精神安定剤を近くに置いておくしかない。見たところ彼女は常識人かつ結構なツワモノ。味方にしておいたほうが心強い。
これぞ忍法『ヘッドハンティング』である。
ネネは小さく頷くと手を差し伸べた。
「私も一人で寂しかったところです。よろこんで!」
堅い堅い握手をかわし、ネネが仲間になった。
そろそろ真面目に格闘小説っぽくしたいです




