校長はオンオフが激しい
数百人の前、檀上で校長が話し出す。
校長がだれかを知らぬことにざわめく生徒たちは校長から一瞬の殺気により、一気に静かとなった。
「まずは、貴方達このトツカノ学院への入学おめでとう。今年から始まったこの学院は全世界から剣術を極めたいという人たちに生徒を集めた。よって君たちは何十何千何万という倍率から入学されました。よって君たちは何者かの上にここに立っているのです。これは異世界の”勇者”に聞いたのですが、異世界には”大いなる力には大いなる責任が伴う”という言葉があるらしいです。強くなってください。 以上」
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「はふうう。。。。緊張したあああ」
数百人の前で話した挙句、職員室のソファでホフってなってるのがそう。この学院の校長である。
「なにやってるんですか?ちゃんとしてくださいよまだ勤務中ですよ。」
「なんでだよ!?みんなの前ではちゃんとしたろ!」
「うるさいうるさいうるさい!ちゃんとやってくださーい!!!!」
「うるさいうるさいうるさい!!!秘書のくせに~~~!!」
「はぁぁぁあああ!!誰のせいでこんな職についてると持ってるんですか?」
「はい。すみませんでした。」
「(冷たい視線)」
「はい。意外と権力もってるって知らなくてテキトーにいつものギルドの受付さんって言っちゃいました。」
「(更に冷たい視線)」
「いや、でも俺が冒険者登録したときからの仲だしね。」
「だからといってえええ」
と、いうわけでうるさい秘書を無視して教室に向かう。
「次、どこだ?」
「ええっと、1-Fですね。地図地図、、、、、、こっちですね。そこ右です。」
今何してるかというとクラスの顔合わせしてます。
まあでもセリフは同じでいいから楽なんだけどね。
そのクラスの担任が話を折って話す。
「おっと、校長先生がいらしたようですね。挨拶していただきます。」
「ハイドウモ。コウチョウノ アスナ・カグツチ・イワサク・ネサク トモウシマス。コレカラ3ネンカン、ヨロシク。」
後ろで秘書がぼそぼそと喋る。
《気を付けてくださいね”勇者”のクラスですからね。》
《どういうことだ!俺今から死ぬの?》
《ていうか、ちょっとでもその棒読み直す努力とかできないんですか!》
《うるせえ!できるわけねえだろ!あと何クラスあると思ってんだよ!!》
《質問くらい返したらどうですかッ!!》
「あの?聞いてますか?」
《ねえあの女の子の名前わかる?》
《ええっと、、、、、、、フレア・マイナさんですね》
「え?あぁすいません聞いてませんでした。マイナさん、もう一回お願いします。」
「え!?名前、、、、」
「質問は?」
「は、、はい!あの、、なんで闇御津羽神様ともあろうお方が、、、」
《気を付けてくださいね。机に隠した右手、刀を持ってます。》
《はあ!?俺いま剣持ってねえけど!》
《なんで持ってないんすか!?さっき渡しましたよね!!!》
《持ってたっけ?》
《私の護身用の短剣使ってください!!》
「おうよ!!」
その刹那、赤紅の勇者の愛剣が闇御津羽神の気海の心を貫く。
その剣は確実にその男を貫き、勇者は笑みを浮かべる。
しかしその笑みは首元に当てられた短剣に冷や汗を流す。
「はやいねえ。すごい。君凄いよ!!でも、まだ遅いよ。」
「そ、そうですか校長先生。ありがとうございます。結構殺すつもりだったんですけどね。」
「やめてね!もうこれ以上殺そうとするのは!?」
《校長!!口調戻ってますよ!》
「コホン。じゃあまた。僕は今日やる仕事がいっぱいあるから。」
「では、担任先生。あとは宜しくお願いします。」
《ちぇ。秘書のくせに。》
「では、校長先生の話でした。マイナさんもそんなに命は狙わないように。」
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「はふぅぅうううう疲れたアアアアアア死にかけたあああああ」
「オンオフの切り替ええげつないですね!?」
「うぅ。。。」
「次行きますよ~。今日あと17クラスありますからね~~。」
「もう帰るウウウウウウウウウウウ」
その後、結局だだをこねながらも17クラス顔合わせをしたのであった。
気海だけでも剣道の用語で気力精気の無限に生ずるところという意味があるのですが、”気海の心”という風にしました。