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凡人の探索

さてこれからどうしようか?血だらけのローブに、凄惨な殺害現場、そして遺体。


まぁ今更どうしようもないし、ローブだけここに脱ぎ捨て近くの川とかで体についた血を流せばいいか。


遺体はどうしようか?下流での騒ぎを防ぐために川に流すのは良くない。今から人一人を埋める穴を掘るのは不可能だろう、スコップなどの道具もないし、完成する前に朝が来る。


まぁ死体は別にその辺に転がしとけばいいか……


ひとまず血を拭った剣だけ持ち帰って戻しておこう。


そう思い俺は前いた世界での知識を頼りに川を探す。


月灯りしか光源のない山の中での捜索はなかなかに骨を折ったが、小川のせせらぐ音を頼りに少し歩く。


するとそこには驚くことにコバルトブルー色に輝いている。


凄いこれがファンタジー世界の川か……


思わず水を掬おうとしたが手を止める。


そういえばおかしい。俺が場内で呼んだ水は俺たちの世界と同じ無色透明だった。


つまり有毒な物質が含まれていると考えられる。差し当たってクローン工場の排水の可能性だ。


もちろん川底などの状況で月明かりを乱反射し、青白く発光する現象もなくはないが、それにしては川の周りの湿った土まで、微かに輝いてるのはおかしい。


少なくともこの上流に敵の本拠地がある。そう直感的に思った俺は上流に向けて歩み出そうかと思ったが、確実に一人ではやられるのでやめておこう。


まずテントに戻りこのことを伝えアスフィルと作戦を立てよう。となればその前に腕をなおすべきだ。


ここ二年間筋トレ以外にも試したことがいくつかある。それが、この再生能力の調査だ。


以前明確になんの物質かイメージできるもの、そして体積が小さいものが良いという理由から小麦粉を使っていた。


しかし最近分かったことして正確には体積が小さいものより優先される事項として、熱運動が激しいものだと判明した。


つまり個体より液体、液体より気体の方が吸収しやすいということだ。


つまり空気中の酸素やこの世界でいうマナなど。それらが一番吸収しやすい。


しかし弱点として、かすり傷程度なら再生できるが、部位欠損ともなるととてもではないがそれでは賄えない。


だからこそ、大きな傷には液体が一番向いてることがわかった。


いや最適解はおそらく霧状の液体なのだろうが、霧吹きなどこの世界には存在するはずもない。


俺は少し躊躇いながらも目の前に広がるコバルトブルーの水を救い傷口に流す。


20掬い目くらいで腕が再生したので、俺はそのまま一度テントに戻った。





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