英雄の転入1
英雄の転入
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問題:超イケメン高校生が転入してきたら教室はどうなるか?
答え:教室内は動物園と化します。
女子たちの黄色い声がもはや騒音公害なんじゃないかと思う程うるさい。
正直俺からすれば世紀末の世界かと誤認しそうであるが、担任の女教師は一切意に介さずしゃべり始める。
「えー見てわかると思うけどこのクラスに転入生がいます。じゃあ自己紹介して~」
すると黒板の前に立っていたクオンが一歩前に出て自己紹介を始める。
クオンは昨日購入した服を着ている。
これほどこの高校が私服校でよかったなと思う。
まぁいくら私服校とは言っても鎧で登校したら大問題だろうしな。
「久遠 エタニティ って言います。 親の仕事の都合で日本に来ました。よろしくお願いします。」
「久遠」の意味は確か永遠とか永久という意味だから、そこに英語の永遠を意味する「Eternity」をくっつけたのか・・・いくら何でも偽名過ぎないか・・・
続けて担任の先生が補足説明を加える。
「久遠君は、親の都合でいろんな国を旅してきたんだって。でも生まれは、日本らしくて日本語も日常生活に支障がないくらいにはしゃべれるそうなので、みんな気軽に話しかけあげて。」
成程外国にいたなら多少日本文化に疎くてもつじつまが合うな・・・
などと考えていると、担任教師が驚くべきことを口にする
「席は、関谷の隣な。」
すると当然のごとく女子たちから不平不満の声が上がる。
しかし、担任は先ほどの衝撃を上回る理由を口にした。
「久遠と関谷は幼なじみらしくてな・・・今回の日本滞在中も関谷の家に泊まるらしい。」
そういうことか・・・
クオンが、笑顔で俺の隣の席に座ると朝のホームルームは終了した。
女子からの質問攻めで身動きが取れなくなるかと思ったのだが、そうはならなかった。
なぜかと不思議に思っていたが、すぐに理由に気づく。
今日は月曜日つまり時間割は、
体育:現代文:数学Ⅱ:古典:昼食:世界史:数学b
一時間目が体育ということは、体操着に着替えないといけないということだ。
女子は更衣室、男子は、教室か部室で着替える。
つまり早く着替えを始めなければ、授業に遅刻してしまう可能性があり、女子の着替えに時間がかかることは世の常だ。
まあ月曜の一時間目という学生が一番やる気が起きないタイミングに体育の授業を入れてくるとは校長のSっ気を感じざるをえない。
などと考えてるうちに体操着に着替え終わった。
超絶イケメンがダサい学校指定のジャージに着替えるとどうなるのか、いやそもそも学校
指定のジャージを持っているのだろうか・・・
気になりクオンのほうを見てみるとちゃんと学校指定のジャージを着ている。
・・・・
色が違う。
大抵学校指定のジャージというのはダサいデザインに、ダサいカラーリングが特徴だ。
うちの学校も信じられないくらいビッビトな緑色はずだ。
なのにクオンが着ているジャージはデザインこそ同じだがカラーは黒色。
まぁ恐らく魔法で作ったとかそういうんだろう。
などと考えていると横から突然話しかけられた。
「今日の体育たしか千五百メートル走だよな。勝負しようぜ。」
突然話しかけてきた彼の名前は、凪剣 士 (なぎるぎ つかさ)。
このいかにも漫画の主人公かと誤認するほどの名前の少年は、剣道部のエースであり
成績も優秀、その上性格もイケメン。
ひとまずイケメンどうこうは置いといても、文化部の俺に勝負を仕掛けてくるか普通?
持久走は苦手なほうだし、この勝負は降りたほうがいいな。
すると脳裏に焼き付くような激痛が走る。
昨日のショッピングモールの戦いでもそうだったが、俺は自らがネガティブな選択肢を選択すること、つまり熟考すると「弱い」に帰結する考えにたいして痛みで思考が制限されるようになってしまったらしい。
突然頭を押さえた俺を心配そうに、士が見てくる。
さっきの申し出を
「いいよ。その勝負受けた。負けたほうはジュース一本奢りってことで」
などという精一杯の強がりで返してみる
すると痛みは嘘のように引いていった。




