剣の声
「さてと、まぁとりあえず君は僕の剣になったわけだから、そこんとこよろしく。」
なんだか展開が急すぎてよくわかんない事になってる。
俺は確か封印を解かれて、売り飛ばされそうになった、それからその店のお爺さんが俺を呪剣とか言って殺そうとしてきて、そしたらこいつが来て俺を盗んだってわけだ。
「まぁもう知ってるとは思うけど、俺はフォノス。
今日から旅人だよ。」
大丈夫なのだろうか…こんなのが主人で。
「というかまずなんで俺と話せるのか教えてよ。」
なんでお前自然に俺と話してんの?
「ああ、なんていうか、鍛冶屋で育ったからね。
じぃちゃん言ってたもん。良い剣を作るには、沢山剣の声を聞かなければならんって。俺も最初はあの店継ぐ気でいたからさ。」
つまり鍛冶屋は俺と話ができると、そういうことか。
「よし!じゃあ荷物取りに帰ったら冒険に行こう!」
何というか、流石にもうちょっと旅立ちって感じが欲しいな…なんかいまいち冒険の始まる感が薄いな。
「じゃ、行こう!道中君のことも教えてよ。」
「ふーん、異世界転生ねー。珍しいね。」
フォノスは何でもなさそうに言った。
「君も案外可哀想な人だねえ。泣けてきちゃう。」
なんか嘘っぽい。ふざけてんのか?
「まぁ、そんな話聞いたら、手を貸さずにはいられないよね。」
まぁ最初から手伝わせる気でいたけど…
「一緒に世界を巡ってハネカちゃん?を見つけよ!」
…ふーん、案外悪い奴でも無いじゃん。
「っていうか、その神もどき!どうしたんだろうね?」
そうだよ!あいつのせいでもう滅茶苦茶なんだよなぁ。
「ねぇ、君の言ってる神ってさ、テレイオーシスとか?」
テレイオーシス…?なんか名前だけ聞いた事があるぞ?
は!そういえばあの男達が魔法を唱える時!
「テレイオーシスはね、この国で信仰されている神様達の長なんだよ。」
ほーう、どうでもいい。
「そうだ!じゃあ教会に行ってその神様の事を聞いてみよ?祝福も受けておきたいし!」
確かにあいつの行方が分からんかったら都合が悪い。
どうやってハネカを生き返らすんだって話だし。
ま、取り敢えず行くしか無いだろう。いくしかないのだろう。
俺たちは近くの教会へ向かった。
キャラクター紹介
フォノス=テグリ(19) 旅人 LV,1
属性 夢
スキル ・螺旋斬り
所持武器 呪剣 アドヴァシティー