英雄の来訪を待つ
「だから落ち着けって…」
神様は俺をなだめてきた。
「じゃあこれからどうすんのか教えてくれよ!」
「どうしようって言っても…」
神様はどうしよう、といった風に目を泳がせた。
「というかこの見た目!俺絶対さ…」
俺は半分くらい確信をもって聞いた。だって半身が刀身だもの。
「うん、剣だね。」
「なんで!?普通は人だよね!?百歩譲って生物だよね!?」
「いや、でも君は剣っていうか剣に宿る精霊って感じだと思う。」
「は?精霊?」
なんだ、精霊か。とは流石にならない。
というか今俺が一番問いたいのは…
「俺こんなんでハネカ探しに行けないんだけど?」
「あー、だよねー。まぁこうなったら英雄来るの待つしかないよ。」
「いやそれ絶対時間かかる。四百年くらい待つやつ。」
「そこは神様としていまから英雄っぽい人に声かけてここまで連てこようと思ってるんだけど?」
「じゃあ俺は?そのままその英雄と一緒に魔王でも倒せと?」
「いやいや、その英雄と旅をしながらその子を探すってこと。英雄と一緒なら絶対会えるよ。知らんけど。」
凄い適当だよ。お前ほんとに神様か?
というか普通にスルーしてたがこいつホントに神様か?なんか神様にしては適当な奴だし、なんか転生間違えてるし、第一神様なんていないだろ。
「ちょ、今更疑われるとは思わなかったな!」
心を読まれたか。でも確かにこれが神じゃないとすればどうやって心を読めるのだろうか。転生も、間違えたとはいえ、それができるのは神様だけだろう。
こいつ、やはり神様なのか?
「もー。とにかく英雄呼んでくるから、待っててね。」
「おい。」
「ん?どうしたの?」
危なかった。俺は大切な事を聞くのを忘れていた。
「いつまでにハネカを見つければいいんだ?」
どれだけの余裕があるかの確認。これは重要だ。
それに合わせて上手く計画みたいなのを立てられるかもしれない。
「そうだなぁ…まぁざっと十万年くらいかな?」
「いや長っ!そんなの余裕どころか天寿を全うするわ!」
「いやでもさ、世界ってやっぱ大きいからさ。そんくらいだと思うよー。」
そう言うと神様はじゃあねと軽く微笑み姿を消した。
それから俺はこの森の中で永劫とも思える時間を過ごした。再びこの神様に会うことはもう無かった。