手違い
そこは、見渡す限り木々が生い茂る深い森の奥だった。ザワザワと風に吹かれながら、心地よい木漏れ日のスポットライトが俺を照らしていた。
「いや、どこだよ!?」
勇者への転生だよな?こんな人気のない所でなるもんなのかな?いや、案外こんな感じなのかもしれない。
とりあえずこの森から出よう。
俺は立ち上がって外を目指し歩きだ…ん?
「…半身が…うまってる……!?」
いや嘘だろ、何だこれ!?意味がわかんない!?
…ちょっと待て。この埋まってる半身、どっからどう見ても刀身だ。透き通るようなその銀色は、木漏れ日を反射させてキラキラと輝いている。
「かっこいいけども…それとこれとは話が違うだろぉ…」
俺はどうしようも無くなり万事休すと思われたその時、
「いや~ごめん!!わざとじゃないんだよ?これはホントだから!」
「神様?しっかりしてくださいよ!?これはどういうことなんですか?」
「うん、間違えちゃった。」
「はあああああああああああああああああああああああああああああ!?」
俺の悲痛の叫びは虚しく神様はヘラヘラとサムズアップするのみだった。
「うん、まぁ頑張ろうか。」
「いや何が"うん、まぁ頑張ろうか(裏声)"だよ!」
俺の怒りに慄いたのか、神様も困惑してるようだった。
「えぇ~、だってなっちゃったもんは仕方ないじゃん?」
「あんたならもう一回転生させれるんじゃねーの!?」
「無理、異世界転生は結構体力使うからさ。」
「じゃあどうすんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
こうして俺の異世界転生物語がはじまった。