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97話 結婚式


カイン様とアリスの結婚式は、王太子の結婚という事もあって、お城での式典だけでなく大通りでのパレードなど国を挙げての行事となる。

パレードでは一般の国民が王族を見られる数少ない機会とあってもの凄い人が集まるらしく、カイン様の護衛を兼ねているウィルもここ最近は忙しそうだった。

ちなみにお城での式典の時にセレスティア聖国の教皇が行う儀式があるのだけれど、現在教皇は不在の為、実質トップのエレナ様が久しぶりにこちらに来るらしい。


私はというと、昼の式典は参加出来るけど夜会は出れないし、パレードを見たいと言ったらウィルに反対された。

理由は、その日ウィルがカイン様の護衛としてパレードに同行する為、何かあっても私と一緒にいられないからなのだが、勿論それは私も知っている。

それでも見たい理由は、同行中ウィルは騎士の正装姿だという情報をアリス経由で得たからだ。

この王国の騎士の正装と言えば軍服、しかもウィルは本来騎士団所属じゃないからこんな時でもないと見れない、だからどうしても見たい、でもこの理由を正直にウィルに言うには抵抗がある。

そんな感じで私がなかなか折れなかった為、ウィルが先に折れてクリスやリリと一緒なら構わないと言ってくれた。

後日教室で2人と話すと一緒に行こうという話になり、話を聞いていたパトリック様が女性だけだと危ないからとメンバーに加わり、ウィルに頼まれたヴィンス先生も一緒に来てくれる事になった。


そういう訳で私は今、皆とパレードが来るのを待っている。

私が「そういえば今日の式典、アルヴィン様が王族席にいたので驚きました」と言うと、先生が「可愛がってるカイン殿下の結婚式ですから参加する事にしたらしいですよ」と教えてくれた。


「私はよく会うので忘れてましたが、公の場に現れるのは今回が初めてですよね」

「そうですね、今頃これを機に近付こうとする方達から逃げてると思いますよ」

「精霊の寵愛者で王弟で大公閣下で独身、おまけに見た目がアレですもんね」

「しかしアルヴィンは世俗とは違う時間軸に生きているので近寄るだけ無駄なんですけどね」

「そういえばほぼ不老なんですよね」

「はい、アルヴィンがいつまでカイン殿下と関わるつもりかは知りませんが、いずれ姿を消すと思いますよ」

「…流石に今日、なんてことはないですよね?」

「マリアンヌさんの母君の時とは違いますから大丈夫です、カイン殿下にも貴女にもまだまだ彼は必要でしょう?」


先生のその問いに私が「そうですね」と返すと、クリスが「マリーちゃん、先生、パレードの先頭が見えてきたよ」と教えてくれたのでそちらを向いた。

まず騎士団の人達が馬に乗って先導していたのだけれど、その中にウィルのお兄様であるカルロス様の姿が見え、カルロス様は私達に気付くと手を振ってくれた。

騎士団が通り過ぎると周りの歓声が一際大きくなり、屋根のない白い馬車に乗ったカイン様とアリスが前を通過し、2人共こっちに気付いて手を振ってくれた。

そして私が見たくて仕方なかったウィルは、ニコラス様と一緒に馬車の後を馬に乗ってついていっており、私とクリスが「「かっこいい…」」と見惚れていると思いっきり目が合って微笑まれた。


「ウィルが今日も素敵」

「ニコラス様好き」

「貴女達相変わらずね」

「リリちゃんだって今日はパトリック様の事ずっと見てたんだから一緒でしょ」

「ちょっ!!クリス!?」


クリスが凄いタイミングで爆弾を落としたが、リリがパトリック様に好意を持っているのは私の目から見ても明らかだ。

しかしリリはまだ書類上はディーンの婚約者だし、そんな状態で自分の気持ちを認める気は無いらしく、本人はこれでも隠しているつもりらしい。

私はウィルからパトリック様がリリ狙いなのを聞いていたので、早く婚約破棄が上手くいって2人がくっつけば良いのにといつも思っている。

ちなみにパトリック様はというと、実家の公爵家の力を使ってリリを婚約者にする事も可能だが、その場合リリが実家との関係を切ることが出来ない為、リリの婚約破棄計画に乗っかる事にしたらしい。


その後パレードが終わり私達は寮へと帰ったのだが、その日の夜、予想外の人が私の部屋を訪ねてきた。


「お久しぶりです、急に訪ねてごめんなさいね」

「いえ、構いませんが、エレナ様どうしてここに?夜会に参加されなかったんですか?」

「呼ばれてはいたんだけど辞退したわ、アルベール殿下の件もあるし、貴女に話す事もあったから、入っても構わない?」

「はい、どうぞ」


私もエレナ様とはちゃんと話してみたかったので部屋に入ってもらい、収納魔法からお茶を出して「それで、お話とは何でしょう?」と尋ねた。


「私がゲームをプレイしてないけれどネタバレだけは知っている、という話をした事は覚えてる?」

「はい、覚えてます」

「私ティルステアに帰国した後も定期的にカイン殿下と連絡を取っていて、パトリシア男爵令嬢について知らないかと聞かれたんだけど、その時は知らないと返事をしたわ、でも貴女が変な噂をたてられたと聞いて少し思い当たる事が出てきたの」

「どんな事ですか?」

「恐らくだけど、犯人の目的は貴女のデビュタントに現れる魔王ヴィンセント様だと思う」

「えっ、魔王が来るんですか!?」

「正確には魔王が化けたアルヴィン様なんだけど」

「あー…確かゲームのアルヴィン様は魔王だったってやつですよね」

「ゲームではデビュタントの日に経緯は知らないけどアルヴィン様が魔王だと知る事になるらしいわ」

「そうですか、でもそれとあの噂にどんな関係があるんですか?」

「本来デビュタントは婚約者がいればその人といるはずだから、魔王フラグを立たせるには」

「私とウィルの関係が上手くいってないか、一緒にいられない理由が必要という事ですか」


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