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85話 男爵令嬢


カイン様から、ニコラス様の事情と自分の家族の衝撃の事実を知ったクリスは、その日はずっと心ここにあらずといった感じだったのだが、翌日になると早速ニコラス様に「婚約者になれなくていいから付き合って下さい」と言いに行ったらしい。

ニコラス様はまさかクリスが了承するとは思ってなかったらしく、かなり驚いた後何度も確認してきたそうで。


「えっ、クリス本気?」

「もちろんです!」

「本当に分かってる?俺と付き合ってる間は他の男に目移りなんてさせないし、近寄ってくるのがいたら俺妨害するよ?」

「望むところです!」

「えっと…つまり、婚期が遅れるか最悪出来ない可能性もあるって言ってるんだけど…」

「構いません!私は!ニコラス様がいいんです!」

「あー…分かった、うん、ねぇクリス」

「はい」

「好きになってごめんね」

「謝らなくていいですよ、私が選んだんですから」

「ありがとう」


そんなやり取りの結果付き合う事になったらしいが、ニコラス様は以前から距離が近かったので、パッと見は以前と変わらない関係に見えた。

その事をクリスに話すと「違う、全然違うの、前は優しいだけで口説かれる事なんて無かったから」と真っ赤な顔で頭を抱えていた。

私が興味本位で「例えば?」と尋ねると、先日の出来事を教えてくれた。


「この間ニコラス様と中庭で話してた時に、廊下を歩いてるリリちゃんが見えたからそっちを向いたんだけど、そしたらいきなりキスされた上に「俺と話してる時はよそ見しちゃダ~メ」って微笑まれて…マリーちゃん、私死んじゃう」

「クリスの気持ちは凄く分かるわ」


私がそう言って頷くと、クリスは「私がニコラス様に好きになってもらわないとダメなのに」と落ち込みだした。

ニコラス様の場合命がかかっているので、クリスが悩むのも無理もないのだが「クリスはあまり考え過ぎずに自分の気持ちを伝えていればいいと思うわ」と言っておいた。

するとクリスは「…そうだね、悩むのはやめて私がどれだけ好きか理解してもらう為に頑張る!」と宣言すると、いつも通りのクリスに戻った。


その後暫くは何も無かったのだが、冬休みが終わって数日後、カイン様に呼ばれ生徒会室に行くと、カイン様、アリス、私、ウィル、そしてアルヴィン様での話し合いが始まった。

「今日集まってもらったのは、ちょっと変な事になってきてるからその事について話そうと思う」とカイン様が言い、それにアリスが「カイン、変な事って何?」と質問した。


「マーク・シモンズ侯爵令息がとあるご令嬢に籠絡されたんだよ、今そのご令嬢はターゲットをネイサン・ウォード公爵令息に移して、ルーク先生とも良好な関係らしい」

「えっ、待ってそのメンバーって…」

「そう、アリス達が言う攻略対象ってやつだね、彼女がアリス達と同じ転生者かどうかはまだ分かってないけど、全員籠絡されるのは流石に困るから、何かしら対応しようと思うんだ」

「ちなみにそのご令嬢って誰なの?」

「以前ユーフェミアが話してた、エラ・パトリシア男爵令嬢だよ」


カイン様がそう言ったので、私は以前ユフィ様が同学年に逆ハーレムを作っているご令嬢がいる、という話をしていたのを思い出した。

そしてアルヴィン様が「カインに言われてマークとネイサンとルークを調べてみたが、魅了魔法が少し使われていた」と発言したので、私が「魅了魔法って神術ですよね?ではパトリシア男爵令嬢は向こうの大陸の方なのですか?」と質問した。


「クロードとヴィンスに確認したが、向こうの人間で間違いないらしい、おそらく帝国の人間だろうな」

「どういうつもりかは知らないけど、誰の手引きかは分かってるから面倒な事この上ないよね」


「確かパトリシア男爵はリーベル公爵の派閥でしたね」とウィルが言うと、カイン様は「そうだね、帝国の人間を秘密裏にこちらの国の男爵令嬢にしたのはリーベル公爵なんだろうけど、リーベル公爵に帝国とのパイプは無かったはずだから、間に誰かがいるだろうね」と言った。


「最近大人しくしてると思ったらこんな事をしてくるなんて、何がしたいんですかね」

「そこは泳がしながら探るしかないかな、それより問題は魅了の魔法だね、叔父上」

「はいはい、一応ヴィンスにマークの魅了をこっそり解いてもらってみたけど、籠絡後だからか何も変わらなかったぞ、あれは痛い目見るか説得して本人に気付かせるしかないだろうな」

「そうですか、残りの2人は?」

「そっちもあまり変わらないな、魅了に頼った籠絡ではなく言葉巧みに落としてるから解いたところでって感じだった」


アルヴィン様の説明を聞いたカイン様は、とりあえずの時間稼ぎとして、ネイサン様はカイン様が、ルーク先生は学園長が説得して男爵令嬢と距離を置いてもらうと言った。

「そうなると狙いを変える可能性がありますよね?」とウィルが言うと「危ないのはバージルかな」とカイン様が言ったので、私がその理由を聞いた。


「なぜバージル様なのですか?」

「恋人や婚約者がいなくて、男爵令嬢が接触出来るとしたらバージルしかいないでしょ?」

「そういう事ですか、でもバージル様ってほぼアルベール殿下と一緒に行動してませんか?」

「うん、だから大丈夫だとは思うけど、彼はバレちゃまずい秘密も多いから」

「そうでしたね…」


そうして私達は、パトリシア男爵令嬢の今後の動向に注意する事に決めてその日は解散し、カイン様は次の日にはアルベール殿下、バージル様、ニコラス様、に男爵令嬢が接触してきたら注意するよう言っていた。

私も話して構わないと言われたので、リリ、クリス、ユフィ様にその事を伝えておいた。


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