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84話 ニコラスの事情


私達が生徒会室に着くと、カイン様とウィルだけがいて、私達がソファに座るとカイン様が話し出した。


「呼び出したりしてごめんね、ウィルから、クリスティーナ嬢がニコラスが婚約者を作らない理由について知りたがってるって聞いたんだけど、間違いない?」

「はい殿下、間違いありません」

「そうか…私はその理由を知ってるし、教えてあげる事も可能だけれど、君はそれを聞いた後ニコラスとの関係がどうなろうとも、誰にも話さないと約束出来る?」

「はい、約束します」


その話を聞いていたユフィ様が「カイン様、私達席を外しましょうか?」と聞くと「クリスティーナ嬢の意志が固い以上、何かあった時は君達首を突っ込んで来るんでしょ?だから一緒に聞いてて構わないよ、但し他言無用でね」と言われたので私達も一緒に聞いた。


「じゃあどこから話そうかな、まずリーベル公爵家のニコラスが何で私の側近をしているのか、という所から始めようか、ニコラスはリーベル公爵家の次男で跡継ぎじゃない、だからなのか父親や祖父の影響をあまり受けていなくてね、自分の家族の事をそれはもう嫌悪してるんだ」

「嫌悪ですか?家族を?」

「そうだよクリスティーナ嬢、ちなみに私はニコラスの従兄になるんだけど、私もニコラス同様伯父と祖父であるリーベル公爵と前公爵を嫌悪しててね、そこで意気投合したから彼を側近にしたんだ」

「そうだったんですか」

「うん、側近にしてみたらニコラスって兄のトーマスなんかよりよっぽど優秀でね、公爵達を断罪出来たらニコラスが跡を継ぎなよって言った事があるんだけど…」


カイン様が言い淀むと、ウィルが「あれは酷い答えでしたね、確か「あの家はもう駄目です、証拠は俺が手に入れますので、カイン様はリーベル公爵家を完全に潰して下さい」って言ってましたよね」と言った。


「よく覚えてたね、その通りだよ」

「あいつが真顔で発言するの初めて見たんで覚えてたんです」

「あの、それをするとニコラス様はどういう事になるんですか?」

「完全に潰すとなるとリーベル公爵家を継げる者を全員処刑して、家を無かった事にするから、もちろんニコラスも例外じゃない」

「そんな…」

「私はそんな結果にするつもりは無いけど、ニコラスはそうするつもりだと知っておいてもらえるかな」

「分かりました、でもそれと婚約者を作らないのとどういう関係が?」


クリスがそう質問すると「愛した人をわざわざ不幸にしたい人なんて滅多にいないでしょ?」とカイン様は答えた。


「ニコラスはリーベル家の者は断罪されて死ぬべきだと考えているからね、死ぬ気なのに婚約するのも相手に悪いし、断罪の時に既に結婚してしまっていたら相手も巻き込む、それに公爵と前公爵が婚約者に何をするか分かったもんじゃない、というのもある、そういう訳でニコラスは婚約しないんだよ」

「そういう事ですか…」


そう言った後クリスが黙ると、カイン様は「それで、クリスティーナ嬢はニコラスの事情を知った今、どうするのかな?」と質問した。


「私は…ニコラス様を死なせません」

「それなら私の意向と一緒だから、お互い協力しようか」

「私に何か出来る事があるんですか?」

「もちろん、私としてはニコラスが君を好きだというのは僥倖だからね、とりあえずは今まで通りで良いんだけど、確認しておきたい事が1つだけある」

「何でしょう?」

「君はバージルの事をどこまで知ってる?」

「お兄様ですか?」


カイン様はおそらくクリスの兄であるバージル様が、陛下の子供だというのを知っているか確認したいのだろうと思ったが、肝心のクリスは、何の事だか分からないといった感じで首を傾げていた。

するとまさかのユフィ様が「もしかして陛下のお子様である事かしら?」と言い出したのでその場にいた全員が驚いた。


「えっ!?ユフィ様どういう事?お兄様が陛下の子供!?」

「あら、クリス知らなかったの?」

「いやちょっと待ってユーフェミア、君こそ何で知ってるの」

「顔を見れば分かりますわ、陛下にそっくりですもの!それに眼鏡も魔道具でしたから、外したらカイン様やアル様と同じ瞳の色なのでしょう?」

「はぁ…ユーフェミアがバラしちゃったから言うけど、そういう事だよ、クリスティーナ嬢は知らなかったんだね」


カイン様が頭を押さえながらそう言ったので、クリスの方を見ると衝撃の事実に愕然としていた。


「えっ、あの、それだと私とお兄様は…」

「血のつながりは全くないよ、バージルは陛下と伯爵夫人の子供で君は伯爵と別の女性との子供だ、ちなみに誤解が無いように言っておくと、バージルもクリスティーナ嬢も伯爵夫妻が婚姻する前に生まれている」


カイン様の説明にユフィ様が「どうして伯爵夫人は陛下の子を妊娠したのに王妃になっておりませんの?妊娠当時は独身だったのでしょう?」と質問すると「じゃあもう少し詳しく話すね」と答えた。


「まずバージルの方だけど、伯爵夫人がまだ伯爵令嬢だった頃に、王宮で働いてた事があったらしくてね、その時期が丁度シンシア様がアルを妊娠したと分かった時と重なってて、暇だった陛下が手を出してしまったという訳なんだよ」

「それでアル様とバージル様は学年が同じなんですね」

「そういう事、伯爵令嬢だった彼女は妊娠を告げれば王妃になれたんだけど、想い人がいたらしくそれは拒んでね、結局父親である前伯爵が出産後陛下にだけ教えてバージルという隠れた第3王子の誕生だ」

「その事アル様は知ってますの?」

「どうだろうね、バージルが話してれば知ってると思うよ、次にクリスティーナ嬢だけど、君は伯爵がファンブレ子爵だった頃の妻、ケイト・ファンブレとの子供だ」


カイン様がそう言うと、今まで黙っていたクリスが「ケイト…あの殿下、その人今はどこに?」と聞いたが「君を生んだ時に亡くなっているよ」と返ってきた。


「そうですか…」

「ファンブレ子爵は当時キャンベル伯爵の下で働いてたからね、クリスティーナ嬢を1人では育てられないと悩んでいた所に、伯爵が婿養子にならないかと持ち掛けたんだろう、伯爵令嬢が未婚の母じゃ外聞が悪いし、バージルは出自に興味を持たれると困るからね」


「それ、夫人の方は納得してましたの?」とユフィ様が聞くと「別に想い人がいるからと言って、父親の前伯爵と多少揉めたみたいだけど、結局は折れたみたいだね」とカイン様は言った。


そうして一通り説明したカイン様は「そういう事情があるから、クリスティーナ嬢はバージルについて聞いてくる人がいたら注意してね、たぶんリーベル公爵の使いだから」と言い、クリスは「分かりました」と答えた。


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