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73話 クレメント辺境伯領2

※ウィリアム視点※


母さんがマリーを連れて俺の部屋にやってきたと思ったら、マリーを俺の部屋で寝かせろと言ってきたので、昼間の訓練の疲れが吹っ飛ぶくらい驚いた。

今日1日マリーを独占した挙句、何を言ってるんだこの人は…。

母さんが何を考えているのか分からなかったので、マリーを部屋の中に入れて扉を閉め、廊下で母さんを問いただした。


「ちょっと母さんどういう事だよ、客室なら全然余ってるだろ!?」

「そんな事言って、ちゃっかりマリーちゃん部屋に入れてるじゃない」

「こんな話聞かせられないからとりあえず入れたんだよ、それはいいから理由聞かせて」

「いや今日ね、ミラちゃんと一緒にマリーちゃんを着せ替えてたんだけど、その時ふと、これはそろそろウィルが手を出したくなるんじゃないかなぁ~って思ったのよ」

「分かってるんなら尚更やめてくれる!?」

「何言ってんの、今のマリーちゃんで我慢出来なかったら貴方今後どうするのよ、間違ってもデビュタント前に手なんて出すんじゃないわよ!?」

「分かってるよ!」

「じゃあ一緒に寝なさい」

「何でそうなるんだよ!?」

「修行だと思って耐えればいいじゃない、そもそもそのつもりで誘ったんでしょう?」

「それはそうだけど、同じ部屋とかどんな苦行だよ…」

「それにマリーちゃん、ティルステアに狙われてるんでしょう?1人で客室に寝かす方が心配だわ」

「ぐっ…分かったよ」

「分かってもらえて良かったわ、私はウィルが耐えれる子だと信じてるからね」


母さんは笑顔でそう言うと自分の寝室の方へ歩いていった。

俺は「どうしてうちの両親はこう無茶振りばかりしてくるんだ…」とため息と共に呟いた後、自分の部屋の扉を開けて中に入った。

すると、俺のベッドの上に寝転がっていたマリーと目が合い、俺が入ってきた事に気付いたマリーの顔が一瞬で真っ赤になった。


「マリー…何してるの?」

「ごっ、ごめんなさい…ウィルの部屋なんて初めてだし、なかなか戻ってこないから、ちょっと、その、はしゃいでました…」


マリーのその答えに、俺は早くも耐えれる自信が無くなってきて頭を押さえていると、怒っているとでも思ったのか、マリーが不安そうな顔になったので、とりあえず近寄って俺もベッドに腰かけた。


「怒ってないからそんな顔しないで」

「そうなんですね、良かった…あのそれでどうなったんですか?」

「それね、うん、マリーもここで寝る事になったんだけど大丈夫?」

「大丈夫ですよ」

「へぇ…そうなんだ」

「お義母さんに言われた時は驚きましたが、一緒に寝られるならむしろ安心して寝られます」

「安心…」


どうしよう、これ分かってないやつだ…以前寮の俺の部屋でいちゃついても俺が何もしなかったから、手を出すはずがないとか思ってるのかな。

つまりマリーのこの警戒心の無さは俺のせいか、そんな気はしてたけど、自分で自分の首絞める事になるなんてなぁ…。

俺がそんな事を考えながら黙っていると、マリーが首を傾げながら「寝ないんですか?」と聞いてきた。


ホントもうなんなの!?誘ってるの?と思ったが、それは絶対ないと自分に言い聞かせて「マリー、俺はむしろ寝れなくなりそうだからソファで寝るね」と言ったら「今日ずっと別行動でしたし、一緒に居たいんですけど駄目ですか?」と聞いてきた。

ここで甘えてくるのズルくない?と思ったが、俺が以前マリーに甘えて欲しいと言ったのだからと、ソファで寝るのは諦めた。

そして俺は「駄目じゃないよ」と言った後、マリーを抱き締めて寝転がると、マリーは満足気に笑い「もし本当に眠れないなら、私がおまじないかけますよ」と言ったので、興味本位で頼んでみた。


「じゃあまず私の目を見て下さい」とマリーが言うので、その通りにし、この距離で見るマリーの瞳は綺麗だなぁ、なんて思っているとマリーに頭を撫でられて「おやすみなさい」と微笑まれた。

そうして気付いた時にはもう朝だったので、俺は完全に爆睡していたようだ…え、これ効きすぎじゃない?と思いマリーを見ると、隣でこっちを向いて寝ていた。


「本当に俺の隣で平気で寝れちゃうのか…」とため息混じりに呟いた後、初めて見るマリーの寝顔を堪能していると、マリーが目を覚ました。


「おはよう」

「っ!?お、おはようございます…」

「ちょっとマリー、何で布団に隠れるの」

「まさか寝顔を見られてるとは思わなかったので」

「隣で寝ておいて今更じゃない?それよりマリー、俺久しぶりに爆睡してたんだけどあのおまじないって何」

「あっ、あれですか、あれはアルヴィン様に教えてもらったものですよ」

「何でまた…」

「さぁ?夏休みにここに来る事を話したら覚えていけと言われました、必要になるからと」


マリーの話を聞いて、アルヴィン様こうなる事予想してたんだろうかと思いつつ「うんそうだね、使ってもらって良かったよ」と言っておいた。

爆睡したのには驚いたけれど、結果マリーに手を出さずに済んでるんだからそれで良い。


「アルヴィン様に教わったなら、あのおまじないは精霊魔法なの?」

「そうですね、本来頭に触るだけでいいらしいんですが、ウィルは私より強いので、近くで目を見てもらう必要があるそうです」

「頭に触る…あ、じゃあ前に先生が思考誘導にかかってたサイモンにしたのと同じ魔法?」

「そうですね」

「どうりで一瞬で寝るはずだよ」


その後暫くマリーと話していると、母さんが部屋に入ってきてマリーを連行し、去り際に「本当に耐えきったのね、えらいじゃない」と言われたので苦笑いで返しておいた。


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