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68話 元聖女


お母様に手紙で呼び出されたので、私はその日ウィルと一緒に自宅へと帰った。

家に着くとお母様に出迎えられ、中庭のガゼボへと案内された。

お母様は私達の向かいに座ると「時間も無いからいきなりで悪いけど本題に入るわね」と言って話し出した。


「今日マリーとウィリアム君に来てもらったのはあなた達を私の事情に巻き込んでしまったからよ」

「ティルステアの教皇の事ですか?」

「えぇ、そうだけど、あなた達既に何か知っているの?」


お母様にそう聞かれたので、私とウィルはここ最近あった出来事について話した。


「え?じゃあマリーはもうクライヴに会ったの?」

「はい」

「しかもこの間誘拐されそうになったのも、そうなると分かってて出かけたと…」

「そうですね」

「…陛下やあの人よりカイン殿下やウィリアム君の方がずっと頼りになるわね、分かったわ、全て話しましょう」


お母様はそう言うと自身が第3聖女だった頃の話をし始めた。


「私は両親も熱心な聖国の信徒でね、3歳になる頃に国に売られたわ」

「売られた?」

「マリー、あの国はね、加護持ちが生まれた場合国に差し出さなければならないの、聖人聖女を絶やさない為にね」

「狂ってますね」

「その通りよウィリアム君、私はそんなあの国が大嫌いでね、愛する人と愛する子供を育てる普通の家庭に憧れていたの、そんな私がクライヴと会ったのは5歳になって教育施設に入った時よ、当時彼は16歳で第1位の聖人だったわ」

「お母様、前から気になってたのですが、ティルステアの聖人聖女の順番はどのように決めているのですか?」

「完全実力主義よ、魔力が多くて使える精霊魔法が多ければ、それだけ上位に上がれるわ」

「お母様は神聖魔法ではなく精霊魔法と言うのですね」

「あぁ、その事についても後で話すわね、クライヴは私と初めて会った時から気持ちの悪い位優しくて、どうすれば魔力が増えるのかとか、階級についても詳しく教えてくれて、私が10歳になった頃史上最年少で教皇になったのだけど、教皇になった瞬間本性を現したわ」

「本性ですか?」

「あいつ当時10歳の私に「教皇である私との子を聖女である君が孕めば、きっと素晴らしい子が生まれる、早く孕めるようになってね、私のアリアンナ」とか言い出したのよ、ゾッとするわよね」


教皇がお母様に言った言葉に私がドン引きしていると、ウィルが「あのアリアンナ様、教皇って幼女趣味とかではないのですか?」と聞いた。

確かにもうすぐ12歳になる私を欲しがったり、10歳のお母様にヤバい発言をするあたり、ロリコンの可能性を疑って当然だろう。


「彼が幼女趣味だったらどんなに良かったか…私はこのままティルステアにいては危ないと思ってこっちに留学したんだけれど、16歳での初めての夜会にクライヴも出席しててね、危うく犯されかけたわ」

「えっ!?お母様大丈夫だったんですか?」

「友人が助けてくれて未遂で終わったわよ、そういう訳で、成長すれば興味をなくすどころか実力行使してくるからマリーも十分気を付けてね」

「そんな事俺がさせませんので安心して下さい」

「そうね、マリーはウィリアム君がいるからそんなに心配はしてないわ」


お母様はそう言って笑うと「そういえばあなた達色々知りすぎてる気がするのだけれど、情報源は誰?」と問いかけてきた。

私は言おうかどうしようか迷ったが、アルヴィン様はお母様の事を知っていたので大丈夫だろうと思い「アルヴィン様です」と答えた。


「あら、アルヴィンと会ったの?」

「はい、割と頻繁に会ってます」

「そうなのね、私が神聖魔法ではなく精霊魔法と呼ぶのはアルヴィンに色々教わったからよ、私を加護持ちから祝福持ちに格上げしてくれたのも彼なの」

「あぁ、それでお母様は金色の瞳なのに祝福持ちなんですね」

「そういう事、さっき言ってた襲われた私を助けてくれたのもアルヴィンよ」


お母様がそう言うと、ウィルが「…アリアンナ様とアルヴィン様ってどういう関係ですか?」と聞いた。

ウィルの問いにお母様は少し考えた後「やっぱり気になる?」と聞き返した。


「まぁ、あのアルヴィン様がそこまで肩入れする理由は気になります」

「それね、私も分からないのよ、あなた達アルヴィンに会えるなら彼に聞いておいてもらえるかしら」

「お母様は最近会ってないのですか?」

「えぇ、結婚式の日に会ったのが最後よ」

「あの、ちなみにお父様ってアルヴィン様の事ご存じなんですか?」

「知らないわ」

「えっ、何で言ってないんですかお母様」

「だってマリー、あの人アルヴィンの事見えないのにどうやって説明するの?」

「お母様の時はアルヴィン様ずっと姿隠してたんですか」

「そうよ、おかげで最初の頃は、私の頭がおかしくなって幻覚でも見え始めたのかと思ったわ、でもバーナード様が分かるみたいでね、幻覚じゃないと分かって安心したわ」

「そういえば以前アルヴィン様も父さんなら見えてなくても分かるみたいな事言ってました」


そうしてしばらくアルヴィン様についての話をした後、ティルステアの聖女だったお母様なら何か分かるかもと思い、エレナ様について聞いてみた。


「あの、お母様は今学園にティルステアの第1聖女様がいるのは知っていますか?」

「えぇもちろん、私がロンと結婚した事でティルステアは聖女を留学させるのを禁止したはずなのに、おかしいと思っていたのよね、しかも彼女異世界人でしょ」

「えっ!?なぜ知ってるんですか?」

「ティルステアの事だからね、陛下達に色々聞かれたわ、私に何か聞きたい事でもあるの?」

「実は、エレナ様は教皇の言う事を聞きたくないのに聞かなければならない事情があるみたいなんです」

「そう、彼女思考誘導や洗脳は受けてないのよね?」

「はい」

「う~ん⋯あっ、いやでもあれは⋯」

「アリアンナ様、何か心当たりでも?」

「まぁ、可能性は低いんだけど、ティルステアには戦争時代の大神官が使っていた神杖があるの、それがあれば相手は命令に逆らえないらしいんだけど、その神杖今は封印されてるはずなのよ」

「でもそれ調べてみる価値はありそうですね」

「そう?なら良かったわ」


その後は最近の私達の話をお母様が聞きたがったので話し、ついでに夏休みに辺境伯領に行く事の許可も貰って私とウィルは学園に戻った。


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― 新着の感想 ―
[一言] 母親に話を聞きました。聖国はどうしようもない国ですね。まあ貧しい民なら可能性はありそうですが余所の国よりは裕福そうなんですよね。
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