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64話 厄介な契約


私が狙われている理由が判明した次の日、ウィルにヴィンス先生との契約の事を話そうと、午後の授業がない時に一緒に第2図書館へ来てもらった。


第2図書館を選んだのは滅多に人がいないので、2人きりで話すには丁度良いと思ったからだ。

とりあえず閲覧席にウィルと隣同士で向かい合わせに座った後、念の為防音魔法も使った、するとウィルに「えらく念入りだね、話って何?」と聞かれたので、私は「実は私の不注意でヴィンス先生と契約を結んじゃいまして…」と話した。


「あぁ、その話なら知ってるよ」

「えっ!何で知ってるんですか!?」

「昨日の夜、先生が寮の俺の部屋に来て色々話してくれたんだ、ねぇマリー、前から警戒心が薄いなとは思ってたけど、流石に契約魔法に気軽に触れるのは今後はやめようね」

「はい、分かってます、もうしません」


私がそう言うとウィルは「分かってるならいいけど」と言って呆れたように笑うだけで、怒っている様子が全くなかった。

拍子抜けした私が「あの、私は契約したままで、いいんですか?」と聞くと、ウィルは不思議そうな顔をした後「あっ、俺が怒るかと思ってた?」と言ったので、私はそっと頷いた。


「複雑ではあるけど怒ったりはしないよ、魂の契約については知ってたし」

「そうだったんですか」

「まぁ知ったのはアルヴィン様に出会ってマリーが祝福持ちだと分かってからだけどね、精霊が実在するならマリーが関わる事もあるかもしれないと思って、カイン様に頼んで城の精霊関係の記録を読ませてもらってたんだ、その中にあったよ」

「何て書いてあったんですか?」

「魂の契約は精霊と契約する為のもので、契約中は他の精霊と契約を結べないらしい、精霊と契約すればいつでも精霊の力を借りることが出来るし、身体能力もかなり上がるらしいけど、その代わり死後の魂の扱いを精霊に握られる、そういう契約だって書いてたよ」


私はその話を聞いて「あれ?私結構大変な契約結びました?」と言ったらウィルに「そうだね、もし精霊相手だったら俺そいつを殺さなきゃいけなかったかもしれないから気を付けてね」と言われたので驚いた。


「何で精霊相手だといきなりそういう話になるんですか!?」

「ここからは先生に聞いた話だけど、マリーは祝福持ちだから魂が精霊寄りなんだって、そんなマリーがもし不注意で精霊と契約すると、アルヴィン様みたいに寿命が延びるらしくてね、そんな事になったら俺はマリーと歳を重ねれないし、俺が死んだ後にマリーが別の誰かを好きになるのも許せないからそういう話になるんだよ」

「え、で、でもそれなら契約を解除すればいいのではないですか?」

「精霊は人と違って肉体がないから魂の契約を解除すると消滅しちゃうんだって、だからそうなる前に相手の魂を回収しようとするらしいし、解除に成功したとしても対価として人間側の寿命も減る、本来この契約はとても厄介なものなんだよ」

「それじゃあヴィンス先生は何で解除したくなったら言ってくれだなんて…」

「その時は解除の対価の寿命を全部先生が肩代わりするって言ってた」

「いやいやいや、私そこまでして解除なんて望んでません」

「俺もだよ、今回は先生とだから寿命は変わらないらしいし、マリーが精霊とうっかり契約するリスクが無くなると思えば、全然許容範囲だからそのままで大丈夫だよ」


ウィルはそう言ったけれど、私が気軽に契約したせいで、厄介な事になってしまったのが申し訳なくて「ごめんなさい」と言ったら少し泣きそうになってしまった。

するとウィルに「ほら、そんな顔しない」といって両手で顔を挟まれた。


「でも…」

「あーもう、先生も俺もこれで良かったと思ってるし、先生は感謝してるくらいだからいいんだよ、実際先生目の下の隈とか酷かったし」

「そういえば、カイン様以上の不眠症だと聞きました」

「だろうね、先生俺と話した後今日は寝れそうだって言ってたから、マリーは人助けだと思ってればいいんだよ」

「はい、すみません」


私がそう言うと急にキスされ、顔を挟まれた状態だったので身動きも取れず、なかなか離してもらえなかった。

そしてウィルがキスを止めたと思ったら「次この件で謝ったらこれ以上の事するからね」と言われ、顔から火が出るかと思った。


「マリー顔真っ赤だし熱いよ」

「ウィルのせいじゃないですか」

「そうだね」


暫く真っ赤な顔の私で遊んだウィルは、急に真剣な顔をして「マリー、俺からも話があるんだけど」と言ったので、私は姿勢を正した。


「はい、何でしょう」

「王誕祭の日、教皇には何があっても近寄っちゃ駄目だよ」

「大丈夫です、あんな気持ち悪い人お願いされても近寄りませんから」

「教皇でなくても危機感は持ってね、諜報員とかは変装してて当たり前だから」

「分かりました」

「俺のそばから居なくならないでね」

「もちろんですよ、ウィルこそ大丈夫ですか?」


私がそう聞くとウィルは少し考えた後話し出した。


「マリーを守る自信はあるんだよ、ただマリーを狙ってるのが誰か分かってるのに何も出来ないのがちょっとね、それにマリーじゃなくて、陛下に圧力かけてマリーを差し出させる可能性があるってカイン様に言われたから、ちょっと不安なのかな」


私はそれを聞いた時、ヴィンス先生の祝福持ちは癒し効果があるという話を思い出したので、椅子から立ち上がって少し離れた所で両腕を広げ、ウィルに「どうぞ」と言ったのだが、ウィルは私の行動に首を傾げると「え?まさかハグ待ち?」と冗談のように聞いてきた。

日頃自分から行動しないツケがここで来たかと恥ずかしさで死にそうだったけど、何とか「そうですよ」と言ったら言い終わると同時に抱き締められた。


「マリーごめん、次はすぐ抱き締めるから2度としないとか言わないで」

「言いませんよ」

「でも急にどうしたの?マリーから抱き締めて欲しいだなんて珍しいよね、俺は嬉しいけど」

「なんでも祝福持ちや寵愛者は癒し効果があるらしいですよ、少しは不安じゃなくなりました?」

「うん、俺今幸せ」

「なら良かったです」


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