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50話 因果応報


今日はカイン様がリリの婚約者問題についての話を聞いてくれる日なので、ファビオ先生の料理セミナーで一緒だったセス様に連れられて、私とリリとクリスは生徒会室に移動中だ。


料理セミナーでは、前回お願いしたので本当にお米や味噌、醤油など色々用意されていた。

ちなみに作ったのはおにぎりとお味噌汁だが、途中「お手伝いしますので分けてもらえますか?」とセス様も混ざった為、おにぎりの具のクオリティが上がり、結構な量が出来上がった。

ほとんどは私とセス様が収納魔法で持ち帰るので何の問題もなく、私は暫く朝食がおにぎりとお味噌汁になる事を喜んでいた。

生徒会室に向かう道すがら、セス様はあの量のおにぎりをどうするのか聞いてみると「自分用ですよ」と答えてくれた。


話しているうちに生徒会室に到着し、中に入るとカイン様とウィルとニコラス様が居た。

カイン様は私達をソファに座るよう促すと、反対側に座り「さてリリアン嬢、君の婚約者について話があるらしいね」と言ってリリに事情を話すよう言った。

そしてリリが、以前私とクリスが食堂で聞いた話をカイン様にすると、カイン様は「ディーンについては協力しても構わないよ」と言った。


「ありがとうございます!」

「でもリリアン嬢、君は婚約破棄に成功した場合どうするんだい?」

「他に相手もおりませんので、女官として働くつもりです」

「確かに侯爵令嬢の君なら女官になれると思うけど、マールデン侯爵家はディーンが継ぐから邪魔されてしまうかもしれないよ」

「ある程度は覚悟しております」

「そっか、でも女官しか選択肢が無い訳ではないから、視野は広くね」

「はい、分かりました」


リリがそう言うと、カイン様はディーンを今後どうする予定か教えてくれた。


「ではディーンについてだけど、ニコラスが色々してくれるらしいよ」

「ニコラス様ですか?」

「はーい、俺だよ、ディーンについては前から何とかしようと思ってたんだけど、リリアンちゃんがディーンをどう思ってるのか分からなかったから、実行出来なかったんだよね」

「そうだったんですか、なら遠慮なくやってしまって下さい」

「いいね~俺も久しぶりに本気出しちゃおうかな、あいつが来年入学してくるリリアンちゃんの妹以外と付き合えないようにしたらいいんだよね」

「はい、しかしそんな事出来るのですか?」

「まぁ見てなって、来月にはあいつ誰とも遊べなくなるから」


この時、自信満々のニコラス様が何をする気か全然分からなかったのだが、数日後には私達の耳にもディーンの噂が入るようになった。

何でも、あらゆる場所で今まで付き合ってきたご令嬢達から罵倒されているらしく、学年問わず目撃されている為、かなり有名になっていた。

罵倒の内容も事実半分と嘘半分が絶妙に織り交ぜられ、本人も完全には否定出来ないでいるらしい、しかもこれだけ騒ぎになっても、あのカイン様が収束させようとする気配が全くないせいで、ディーンの立場は日増しに悪くなっていった。

最近ではDV男だとか、性病持ちだとかいう噂まで流れているらしく、リリは見知らぬご令嬢達に本当なのか聞かれたらしい。


「リリ、貴女それでなんて答えたの?」

「「そうらしいですわね」って答えておいたわ、私も嘘か本当か知らないし、聞いてきた方達は肯定だと思ったみたいだけど」


そんな感じでディーンは今まで遊んでいたご令嬢達から距離を置かれ、別のご令嬢に声をかけると悲鳴をあげて逃げられる程になっていた。

この展開のどこからどこまでニコラス様が関わっているのか気になったので、お昼休みに本人に聞いてみると「う~ん、ほとんどかな?」と軽い感じで口にした。


「えっ、そうなのですか?」

「そうだよ~、いつどこで誰がどんな内容でディーンを罵倒するのか考えたのも俺だし、知り合いに頼んで噂が広がるスピードを上げたのも俺、いい感じにあいつの顔と名前が有名になった頃に、嘘の噂を流したのも俺、ディーンが今まで結構やらかしてくれてたおかげで協力者には困らなかったよ」

「そ、そうなんですか」

「ちなみに罵倒する役をしてくれたディーン被害者の女の子達には、俺からいい奴紹介しておいたよ」

「あれ、ひょっとしてニコラス様って優秀…」

「今更!?マリーちゃんの中で俺ってどんな奴だったの?」

「お気楽要員?でしょうか」

「ん~、あながち間違いでもない、でもよく考えてマリーちゃん、お気楽なだけじゃカイン様のそばには居られないよ」

「はっ!確かに!」

「俺の事見直した?」

「はい、かなり、リリの為にありがとうございます」

「今回は俺の私情も入ってるから気にしないでいいよ」


そう言って自然にウインクしてくるあたり、ニコラス様らしいと思った。


その後ディーンがご令嬢と遊ぶような事はなく、リリも「ニコラス様って凄いのね」と言っていた。


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