46話 イベントへの干渉
今日はゲームで2章2回目のイベントが発生する日なのだが、前に話し合った時と違い、私がクリスと仲良くなったので、クリスを攻略対象と躍らせないという予定は同じだけれど、事前に令嬢として、してはいけない事を教えておいたので、クリスを警戒する必要はほぼ無いと言っていいだろう。
それとサイモン様だが、カイン様に言われた通り普通に登校してきていた。
しかし、以前のように自分からクリスの世話を焼くような事は無く、でもクリスが話しかければ今まで通り話していたので、後はサイモン様次第だろう。
そして現在私は、男女別にダンスフロアで講師の先生から今日の授業について説明を受けている、内容は以前聞いたものと同じで、実力を見る為に上級生がペアになってくれるという内容だった、そしてその上級生の中にカイン殿下とアルベール殿下がいると聞いて、クラスメイトがざわついたのは言うまでもないだろう。
流石攻略対象と言うべきなのか、婚約者がいても王子殿下2人の人気は凄まじいものがある、まぁ王族だから側室という可能性が無くもないのも原因だろうけど、ちなみに男子生徒側には婚約者の決まっていない子爵男爵家のご令嬢が毎年立候補してくるらしい。
そんな事を考えているとカイン様達がやってきたのか、周りが少し騒がしくなった。
講師の先生が「今回ご協力して下さるのはカイン殿下、アルベール殿下、ニコラス君、ウィリアム君、セス君の5人なので、こちらは3グループに分かれて2回踊ってもらいます、それと毎年1人は必ずいるので念の為言っておきますが、ダンスの誘いは男性側からですので、間違っても貴女方から声掛け等しないようにして下さいね」と言うと、早速私のいるグループから踊る事となった。
クリスとリリも同じグループで、クリスはニコラス様と、リリはカイン殿下に誘われていた、私はもちろんウィルが誘いに来た。
ウィルが「私と踊って頂けますか?」と手を差し出してきたので、私は「えぇ、もちろん」とその手を取った、全員が位置に着くと先生が魔道具で音楽を流し、ダンスが始まった。
「そういえばマリーと踊るのは久しぶりだね」
「そうですね、ウィルが学園に入ってからは練習に付き合ってもらう事もなくなりましたから」
「あの頃からマリーは会う度に綺麗になってるね」
「なっ、何ですか急に」
「そう思ったから言っただけだけど?」
「流石に授業中はそういうの困ります、表情が作れなくなるので」
私がそう言うと、ウィルに笑いながら「ごめんね」と言われたので、すぐ許した私は本当にチョロいと思う、気を取り直して授業に集中しようとふと周囲を見た時、生徒に混ざってアルヴィン様の姿も見えたので、驚きのあまりステップを踏み間違えるかと思った。
すると、特に失敗はしてないはずだけれど、私が動揺したのが分かったのか、ウィルに「マリーどうしたの?」と話しかけられた。
「いえ、あの、アルヴィン様が居たので驚いて…」
「え、そうなの?何かあったかな」
「お話聞いておきましょうか?」
「聞けそうだったらでいいよ」
「分かりました」
そうして私のグループが終わり、次のグループがダンスを始めたのを見て、私が他の生徒達から少し離れると、アルヴィン様の方から近寄ってきた。
私が小声で「アルヴィン様何してるんですか?」と聞くと「異世界人が動いたから監視だ」ととんでもない事を言い出した。
「エレナ様ここに居るんですか?」
「たぶん俺が思考誘導を解除したせいだろうな、今男子生徒側にいる令嬢達の中に認識阻害を使って混ざってるぞ」
「何の為に」
「解除されたのか、それとも魔法が失敗したのか確かめたいんじゃないか?ダンスのペアをあいつと組んでまた思考誘導かけようとしてたし」
「えっ、サイモン様大丈夫なんですか?」
「何の為に俺がいると思ってるんだ、発動すらさせてない」
「流石です」
「それで、ちょっとカインに話があるんだが、時間作るよう伝えといてくれ」
「分かりました、お伝えしておきます」
そしてアルヴィン様は「じゃあ、よろしく」と言うと姿を消してしまった。
その後2回目のダンスの順番が回ってくると、本来なら私はアルベール殿下と踊る予定だったのだが、先程のアルヴィン様が気になったのだろう、カイン様に「予定とは違うけど、私と踊ってもらえるかな?」と誘われたので、私は「はい、喜んで」とペアを組んだ。
ちなみにクリスは予定通りウィルが組んでおり、アルベール殿下はリリと組んでいた。
ダンスが始まると、カイン様に「叔父上はなんて言ってた?」と聞かれたので、私はエレナ様の件と時間を作って欲しいと言っていた事を伝えた。
「ありがとうマリアンヌ、時間を早めに作って叔父上と話す事にするよ、エレナ嬢は⋯あぁ、確かにいるね本当に何がしたいんだろう」
「早く目的が分かるといいですわね」
「そうだね、あ、そうそう、君の友人のリリアン嬢の話を聞く日だけど、明後日の放課後にしたから」
「ありがとうございます」
私がお礼を言うとカイン様にじっと顔を見られたので「何か?」と聞くと「いや、祝福持ちの瞳がどんなものかと思ってね、前にウィルに瞳が見たいからマリアンヌに近付いていいか聞いたら凄い顔で睨まれちゃって」と言われてしまった。
「す、すみません⋯」
「構わないよ、面白いから」
「面白い、ですか?」
「うん、今度ニコラスにでも君がいない時のウィルの話を聞くといいよ」
「あ、それでしたら話してもらう約束はしてます」
「そう、きっと驚くよ」
そんな話をしていたら2回目のダンスも終わり、私とリリを含む数人の生徒はダンスの授業が修了となったのだが、クリスは残念ながらあと数回来るように言われていた。
「うぅ、マリーちゃんもリリちゃんも1回で修了なのに、私だけお残り」
「いや、ほら私達は家で結構してたから、ねぇマリー」
「そうそう、あと数回でいいんだから頑張って」
「うん、ニコラス様やウィリアム様にも悪くはないって言われたから頑張る」
「そういえばクリスはウィルと何を話してたの?何か楽しそうだったけど」
「あぁ、この間マリーちゃんに教えてもらったウィリアム様との話」
「何でそれを喋ったの!?」
「えっ、だってウィリアム様はマリーちゃんの婚約者だから他人じゃないし」
「そう、そうね、口止め先を他人と言った私が悪かったわ」
「マリー、貴女あれだけ愛されてるんだから知られたところで今更じゃない?」
「確かに今更だわ、うん、リリありがとう」
私がそう言うと昼休みになったので、ウィルと一緒に食堂へ移動した。




