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39話 作為の跡2


ヴィンス先生と共に精霊の泉へ移動すると、アルヴィン様が椅子に座って待っていた。


「マリアンヌ、災難だったな」

「私はそれほどでも、友人の方がショックを受けてますわ」

「そうか、まぁ2人共座れよ」

「アルヴィン、口調」

「堅いこと言うなよどうせもうバレてるんだし」

「私は構いませんわ」

「ほらマリアンヌもこう言ってる」

「はぁ、分かりました」


私達が席に座るとアルヴィン様が「まぁ色々聞きたいだろうけど、ちょっとこれでも食べながら待ってくれ」と目の前にケーキと紅茶を出してくれたので、とりあえずひと口頂いた。


「うぅ、これも美味しい」

「だろ?今回も自信作だ」

「え?これアルヴィン様が作ってるんですか?」

「アルヴィンは基本自給自足ですからね」

「他にする奴居ないしな」


アルヴィン様は見た目や所作は綺麗で黙ってれば確かに王族なんだけど、口を開けばコレだし、でも家事力は高いって何なの、ゲームとキャラが違いすぎて混乱するので、ゲームのアルヴィン様は忘れる事にした。

気を取り直して「いったい何を待っているんですか?」と聞くと「カインが1人になるのを待ってんだけど、なかなか1人にならないんだな、あいつ」と答えてくれた。


「まぁカイン様この国の王子ですし」

「学園でも護衛としてセス君かウィリアム君がいつもついてると思いますよ」

「ん?マリアンヌ、お前の婚約者も護衛か?」

「えぇ、ウィルはクレメント家ですので」

「なんだよバーナードさんの息子かよ、じゃあいいや、行くぞ」

「え?」


アルヴィン様が指を鳴らすと、次の瞬間生徒会室に移動しており、驚いた顔のカイン様と、カイン様を庇うように立ったウィル、セス様と目があった。


「いきなり転移してくるから驚いたよ、マリアンヌ、ヴィンス先生、と貴方は⋯叔父上ですか?」

「へぇ、何でそう思ったか聞いてもいいか?」

「肖像画を拝見した事がありまして」

「それ5歳くらいのやつだろ?よく分かったな」

「アルヴィン、口調」

「俺の甥なんだし別にいいじゃないか、見逃せよ」


会って早々外面を外してしまうアルヴィン様に、カイン様は少し笑うと「何か私に用があるのでしょう?とりあえず皆座りましょうか」と席に移動した。

皆が席に着くと、カイン様が「それでご用は何ですか?」と言った。


「大体察しはついてるんだろ?思考誘導の件だ、かけられてた奴はヴィンスから連絡受けて、俺が解除しといたから安心していいぞ」

「ヴィンス先生と叔父上はご友人か何かですか?」

「友人ですね」

「俺が7歳の時からの付き合いだ」

「⋯分かりました、続けて下さい」

「お前ら思考誘導についてどこまで調べた?」

「いくつか資料を調べましたがどれも古く、しかも、その⋯」


珍しくカイン様が言い淀んでるなと思ったら、アルヴィン様が「精霊魔法とかいう胡散臭い事が書いてあって信憑性に欠けるって感じか?」と聞いたので納得した。

以前ヴィンス先生にも似たような事を言われたが、加護や祝福を持ってない人にはやっぱり分らないのか。


「すみません」

「謝らなくていい、持ってない奴からしたら普通の反応だしな、そんなお前に良いものをやろう」


アルヴィン様はそう言うと、小さな箱をカイン様に渡した。

カイン様が中身を見ると、精霊魔法の付与がかかった石を帯状にはめた指輪が、2つ入っていた。


「太い方がカインので細いのはお前の婚約者用だ、俺が付与した物だから失くすなよ」

「ちなみにどんな効果が?」

「カインの分は結構盛ったぞ、まず食べ物に毒とか入ってたらすぐ分かる、仮に飲んでも毒、物理、魔法無効の効果もあるからまず死なない、もし俺の付与を超えるような攻撃を受けても切断されなきゃ治るし、魔力と引き換えだが、精霊魔法も使えるようにしておいた、他にも色々入れた気がするけど、すまん忘れた」

「アルヴィン流石にそれは盛りすぎでは?」

「カインに死なれちゃ困るんだよ」


指輪の効果を聞いたカイン様は右手の中指に指輪をはめながら「私が死んで叔父上に不都合な事なんてありますか?」と聞いた、するとアルヴィン様は「大有りだね、俺はこんなだからこのまま穏便に生きていたいんだよ、その為にこの国には揺らいでもらっちゃ困る訳、俺は王太子にお前を推すつもりだから、それはその為の先行投資だ」と継承問題に触れてきた。


「しかしアルヴィンがここまでしなくても、カイン殿下なら普通に王太子になれるのではないですか?」

「俺を6歳で追い出すような奴がいる城だぞ?なる訳ないだろ」

「王太子を決めるのは陛下ですが、陛下は私が嫌いですしね」

「いやアレはお前が嫌いっていうより、好きな女との子供であるアルベールが可愛いんだろ?」

「そうとも言いますね、同じ歳の隠し子も居ますけど」

「あぁ、バージルか、あいつ出てくるとちょっと厄介なんだよなぁ」

「あの、すみません、その話私聞いてて大丈夫なやつですか?」

「ごめんねマリアンヌ、話がそれてたね」


カイン様はそう言うと、アルヴィン様にアリス用の指輪の効果を尋ね、アルヴィン様は「そっちは毒、物理、魔法の無効化だけだ」と答えていた。

それを聞いたウィルが「アリス様のでも国宝級クラスなんですね」と言っていると、アルヴィン様が「ん?お前も似たようなもの持ってるじゃないか」とウィルが今着けている、私が数年前にプレゼントしたポーラー・タイを指差した。


「かなり強く願ったんだな、あらゆる攻撃がほぼ無効になるよう付与されてる、マリアンヌがやったのか?」

「はい、母におまじないだと教わりまして」


それを聞いたウィルが「え?マリーは聖女じゃないし瞳も青いのにどうして」と困惑したのを見て、アルヴィン様に「なんだマリアンヌ、言ってなかったのか?」と言われた。


「はい、その、言おうとも思ったのですが、私もまだよく分かってませんでしたし、信じてもらえるかどうかという問題もあったので」

「あ~なるほど、なぁヴィンスちょっとこいつらに講義してやってくれるか?」

「構いませんよ、流石にアルヴィンが居れば信じられるでしょうし」


そうしてヴィンス先生が、私も聞いた精霊学の講義をウィル、カイン様、セス様にしている間、私はアルヴィン様が出してくれたケーキの続きを食べながら待った。


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