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36話 俺の婚約者

※ウィリアム視点※


婚約者のマリーがやっと学園に通える年齢になって入学してきたのは良かったんだけど、入学式当日にマリーを迎えに行くと、制服を着たマリーが前に会った時より綺麗になっていて色んな意味で俺は困った。

これ絶対変な虫が寄ってくるやつだ、しかも最近のマリーは体も成長してきたから、俺自身2、3年後も今までみたいに自制出来る自信がない。

長期休暇は辺境伯領に戻って修行し直そうかな、なんて考えていると、肝心のマリーは俺の気も知らずに笑いかけてくる、マリーの警戒心の無さは俺のせいでもあるんだけど、こうも隙だらけだと色々心配だ。

あまりにも隙だらけだから席案内ついでにキスしたら、案の定予想外だったらしく、顔を真っ赤に染めていた、最近少し慣れたと思ってたのにまた戻ってないか?この初めてキスされたみたいな反応は可愛いんだけど、マリーがやると俺の情欲も煽ってくるから本当に困る。


それと、俺の認識阻害魔法はマリーと会う時は外す事にした、理由はマリーみたいな綺麗な娘の婚約者が地味だなんて広まったら、変なのが寄って来かねないからだ。

おまけに予想はしていたけれど、マリーは例の物語の登場人物2人と同じクラスになってしまうし、心配だから先回りしてちょっと躾けておこうとしたら、カイン様にバレて止められてしまった。

まだ相手が何もしてないのに俺が行動するのは過保護だって言いたいんでしょう、分かってますよ、分かってるからそんな疑いの目で見るのはやめて欲しい。


しかし入学2日目、マリーの様子が少しおかしかった。

魔法を習い始めたばかりなのに、もう収納魔法を使っているし、その時は分からなかったが、後で調べるとフェアリード公爵家の紋章入りの紅茶缶を持っていた。


フェアリード公爵家って確か、精霊の寵愛者だとかでリーベル前公爵に継承権を剥奪され、フェアリード公爵領に送られてから音信不通になってるっていう、アルヴィン大公閣下の家だよな、あの人生きてるのか…。

もう、何でこう国政に影響力の強い人だったり、揺るがしかねない出自の人ばっかり隠れてるんだろうか、マリーとの時間が減るから俺は仕事を増やしたくないのに。


そういえば以前、アリス様がカイン様にアルヴィン大公閣下の生存を確認していた気がする、あの人はシークレットだからとか何だとか、あの時は生死不明だったから流したけど、まさかマリー攻略対象と会ってるの?どうやって?

可能性としてはマリーが選んだ精霊学か、でも精霊なんて本当にいるのか?

一応今の先生になる前の講師に俺も学んだけど、正直迷信や伝承の類だと思っている、アルヴィン大公閣下も精霊の寵愛者なんて言われているけれど、継承問題で邪魔だから、リーベル前公爵に捏造されたんじゃないかなって思ってるんだけど、マリーはどう思ってるんだろう。


マリーが入学して3日目になると、ご令嬢の友人が出来ていた。

リリアン・マールデン侯爵令嬢はまだしも、クリスティーナ・キャンベル伯爵令嬢とは何があったのか全く分からない、俺が朝教室に送った後何があったんだろう。

しかもマリーはリリアン嬢の態度が気になるからと、婚約者についてニコラスに尋ねていた、いや、人選は間違ってないんだけど俺より先にニコラスが頼られてる事実に何とも言えない気分になった。


ニコラスから聞いたリリアン嬢の婚約者は、マリーが敵だと言うだけあって最低野郎だったのだが、俺はそれよりも、マリーが俺との時間より友人を選んだ事に嫉妬していた。

ニコラスはそんな俺にすぐ気付いたらしく「マリーちゃんに置いて行かれたからって拗ねるのは良くないよ~」と揶揄われたが、行ってしまったマリーを見ていたら、何やら慌てだしたので、それどころではない。

俺はニコラスに「マリー達が何か慌てて出て行ったから俺も行くわ」と言って席を立って後を追うと、リリアン嬢を庇うマリー達に近寄る男を発見した。

しかもそいつは俺のマリーに触ろうとしたので、間に入って止めたのだが、こいつが例の最低野郎のディーンだったらしい。

俺のすぐ後にニコラスとカイン様もやって来て、ディーンを生徒会室に連行後話を聞き、カイン様からの忠告と俺からの警告で今回は解放してやった。


その日の放課後、生徒会室でカイン様の仕事を手伝っているとセスがやってきて、ファビオさんの料理セミナーにマリー達が来た事と、そのまま何やら話があるからここには来ない事を聞いた。

その瞬間あからさまにやる気を無くした俺に、ニコラスが「ウィルまた拗ねてんの?」と聞いてきた。


「今まで俺だけのマリーだったのに」

「男の嫉妬は見苦しいぞ~」

「まぁウィルの場合、嫉妬しててもそれをマリアンヌに悟らせないから良いんじゃない?」

「え~良いんですかカイン様、ウィルの仕事効率落ちてますよ」

「ウィルの世界の中心はマリアンヌだからね、その辺私は理解しているつもりだよ」

「俺カイン様みたいな理解ある上司の下につけて嬉しいです」

「そうかい?それなら良かったよ」

「ウィルさん、マリアンヌ様は今日作られた品を貴方に渡したいそうですから、さっさと仕事終わらして迎えに行ったらどうですか?」

「セスお前そういう事は早く言えよ」

「うわぁ、本当にマリーちゃんが中心なんだ~、未だに信じられない」


俺は仕事を終わらせるとマリーを迎えに行ったのだが、まだ話している最中だったので少し遠くで待っていると、食堂からリリアン嬢がクリスティーナ嬢を連れて出て行ったので、マリーに近付いた。

完全下校の時間まで余裕があったので、マリーといちゃつく気満々で人気の無い席に誘導すると、マリーは何の疑いもなくついてきた、本当に俺に対する警戒心が無さすぎる。


最近マリーが足りてなかったし、マリーがどの位まで許すのか試そうと思って、わざと対面で近くに座り、両手も恋人繋ぎで使えない様にしてみたのだが、俺が椅子を寄せた時点で顔が赤いんだけど、これ大丈夫かなぁ、なんかマリーの俺に対する免疫が増えるどころか減ってる気がする。

とりあえず落ち着いてもらう為に友人のご令嬢2人について聞いてみると、色々話してくれた、サイモンが今日登校してなかったのは意外だったが、むしろ好都合だと思い明日の朝はマリーと一緒にいる事を決めた。


その後マリーが料理セミナーでの話をし始めたので色々教えてあげると、マリーがずっと和食を食べたがっていた事が判明した。

それならもっと早くに教えてあげれば良かったなぁと思っていると、なぜかマリーが謝ってきたのでちょっと会話を思い返すと、別に気にもならない程度の可愛らしい言い分だった、でもマリーは気にしているみたいだったので、元々修行に帰るつもりだったし辺境伯領に誘ってみたらすぐ返事をくれた。

顔も近かったしキスしたらまた真っ赤になってしまい、マリーが俺がいつも平気そうだと言うので、マリーが俺に慣れないせいだと指摘すると、俺が好きすぎて自分ではどうしようもないとか言い出した。

いや、ちょっとそれは反則じゃないかな、マリーったらどんだけ俺の事好きなの、あーもう、マリーは俺をどうしたいんだ。


マリーは俺がマリーを手玉に取ってるとか言うけど、俺は逆だと思うな、俺はもうマリー無しじゃ生きられないから、マリーに好かれたくて優しくするし、この顔だって利用する、俺をずっと見て欲しいから他を優先されると嫉妬するし、放したく無いから触りたい、でもマリーは俺に多くを望まない、マリーも俺に執着すれば良いのに。


俺がマリーをどう見てるのか少し分らせたくて、流石に怒ると思いつつ、食べさせてもらっていたカップケーキを、マリーの指ごと口に入れた。

驚いたマリーが指を抜こうとしたので、手を掴んで阻止すると、わざと見せつけて指先を舐めた、マリーを見ると驚いた顔で首まで赤くなってたけれど、怒る事はなく俺のこの行為を許してしまった。

マリー、これ許しちゃ駄目だよ、マリーが俺が言う事する事何でも許しちゃうから、俺は益々マリーを手放せなくなってしまう。


本当に、手玉に取ってるのはどっちだよ。


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