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24話 入学初日4


ヴィンス先生から講義の予定表を貰った後、パトリック様は「私は魔法技術科も受ける予定ですので、失礼しますね」と教室から出て行った。


「リリアン様も他に何か受けられるのですか?」

「あ、はい、そうですね、私はあと言語学と、その、料理セミナーに…」

「セミナー、ですか?」


入学前に渡された書類は全部読んだが、セミナーについては書いてなかったので、首を傾げているとヴィンス先生が「セミナーとは学園での授業とは別に、特別講師の方が学園で教えて下さる勉強会のようなものです」と教えてくれた。


「セミナーは開催が不定期ですし、学園の成績とは関係なく、内容も趣味や娯楽、習い事のようなものなので、必須科目が終わっていない新入生には教えていないのですが、リリアンさんは誰に聞いたのですか?」

「2つ上の学年に婚約者がいまして、その方から聞いたのですが、駄目でしたでしょうか?」

「いえ、新入生だから駄目という規則はないので大丈夫ですよ、ただ趣味に夢中になって必須科目を疎かにしてしまう生徒が何人かいた為、禁止はしないが教えもしない、という形にしたそうです、学園に通っていれば自然に耳に入りますからね」


そう言ったヴィンス先生は、壇上に戻ると書類を調べ「料理セミナーでしたら明後日が開催日なので、その時講師の先生に受講申請したらいいですよ」と教えてくれたので、少し興味が出てきた私はリリアン様に私も一緒に行ってもいいか聞いてみた。


「え!?マリアンヌ様料理されるんですか?」

「まさか、家では厨房にすら近寄らせてもらえなかったわ」

「ですよね、ではまたなぜ?」

「興味本位では駄目かしら?」

「いえそんな、料理をしようとするご令嬢自体少ないので、もし一緒に入って下さるなら嬉しいですわ」

「それではリリアン様、明後日一緒に行きましょう」

「はい」


リリアン様と約束した後、リリアン様は言語学の学部棟に行くからと別れ、私は空いた時間をどうしようか悩んでいると「マリアンヌさんは明日から午後の時間は講義が入りますから、今日のうちに学園内をゆっくり見学してはどうですか、特にこの校舎周辺は精霊の寵愛者だった王子の住居ですから、精霊学的にも非常に面白いですよ」とヴィンス先生に言われ、言われた通りに学園内を見て回ることにした。


校舎内の第1図書館や屋上庭園、中庭やパーティー用の第2ホールを見た後、何となく新ヒロインのエレナ様が必死に探していた、精霊の泉への入り口がある校舎裏の庭園へ行ってみようと思い、そちらへ向かった。


校舎裏の庭園には小さな噴水とガゼボがあり、奥にある精霊の森と一体化していて、落ち着いた雰囲気の庭園だった。

何となく奥へ進んでいくと、森の側に石造の白いアーチがあったので、近付いてみると、アーチから森の中へと続く道が見えた。

その道がどこに繋がっているのか気になったので、1本道を進んでいくと割とすぐに綺麗な泉のある開けた場所に出てしまった、そう、精霊の泉である。


私は思わず「ここ、精霊の泉じゃない」と呟いたのだが、それに「よくご存じですね」と返事があって驚いた、声のした方を振り返るとそこにはヴィンス先生が居た。


「え!?ヴィンス先生?どうしてここに?」

「私も空き時間が出来たのでフィールドワークです」

「フィールドワーク…ではここにはよく来られるんですか?」

「えぇ、よく来ますよ、それにしてもマリアンヌさんも祝福持ちだったんですね」

「祝福持ち?」


聞き慣れない言葉に聞き返すと、先生は「そこは知らないんですか…」と少し考えた後、「マリアンヌさんとの精霊学の授業は座学ではなく、フィールドワークにしましょうかね」と言い出した。


「えっ良いんですか?他の生徒とか居るのでは」

「大丈夫ですよ、今精霊学を選択しているのはマリアンヌさんだけですから」

「…はい?私だけ、なんですか?」

「えぇそうです、元々精霊というのは加護持ちや祝福持ちでないと認識し辛いですから、そうじゃない人達からすると胡散臭い学問以外の何物でもないのですよ」

「そうだったんですか」

「なので色々教えるにしても、ここでフィールドワークをしながらの方が都合がいいのです」

「そういう事なら宜しくお願いします」


私はこの時、ヴィンス先生と話しながらもゲームとの違いに驚いていた。

ゲームでの精霊の泉は聖女の力に目覚めた新ヒロインのエレナ様か、エレナ様との恋人争奪戦に、真実の愛で勝った初期ヒロインのクリスティーナ様、そして3章シークレットキャラの2人の計4人しか入れない場所のはず…だった。

現状私とヴィンス先生が入れてる時点で設定と違うし、エレナ様もなぜか入り口の石造のアーチが分からなかったみたいだし、何がどうなっているのだろう、そんな事を考えていると「ではそろそろ放課後になるので学園に戻りましょうか」とヴィンス先生に言われ、2人で校舎裏の庭園に戻った。


その後、ヴィンス先生は学部棟の方へ行くからと別れ、私は念の為、入学初日イベントが起きたと思われる中庭へと向かった。

中庭に行く途中でウィルに呼び止められ、お昼を食べたサンルームへと連れてこられたのだが、そこには既にカイン様とアリスが居て、今日の出来事についていつものメンバーで話をする事になった。


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