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追憶の旅(5)

眩しい光が私の顔を照らすと、しーちゃんから数分前にメールが届いていて、"もう着くよ"という内容だった。

顔文字も絵文字もついてない無機質なメールだけど、それも機械が苦手なしーちゃんらしくって、それが分かる自分にもちょっぴり嬉しくなって私は目を細めた。


今となっては携帯を買ってもらって良かったと思う。こうやってしーちゃんの言葉が文字になって送られてくるなんてなんだか素敵だもん。

それってまるで魔法で飛ばせる手紙をやり取りしているみたいで、昔からしーちゃんと手紙の交換とかしてみたいなぁ、なんて思っていた私にはうってつけだもの。


口元が緩みそうになるのを抑えつつ私は立ち止まり、携帯のボタンをひとつひとつ確認しながらしーちゃんへの魔法の手紙を書き上げていく。そしてようやく"私ももうすぐ着くよ"と打ち込んだ後、沢山の絵文字が並んだ画面を見つめて指を止めた。

可愛いけど……まだ早いよね。

これが女の子の友達へのメールだったらこの可愛いピンク色の絵文字も簡単に使えてたのかな……

そんな些細な事を気にしてしまうのも、私にとってこの恋は最初で最後だと思っているからで……この新しく生まれた感情をもう少し独り占めしていたいという私のわがままなのかもしれない。


音符記号を入力して、送信ボタンを押した私の足は自然と早くなる。それは"早く会いたい"とかそういう簡単なものじゃなくて、綺麗な色から濁った色、そんな色んな気持ちが複雑に混ざり合った、今の私には難しくて例えられないようなものだった。

そしてそれを私の内側から見つめる私は、何度も読み返した恋愛小説のページをめくる瞬間のように心ときめかせ、訪れようとするその場面を何度も頭の中で繰り返しては口元を緩めていた。


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