大いなるカオス、再び……in白玉楼
どうも、東方転妹録最新話です!
……何だろう、このカオス回。
とりあえず、さとりの大暴走により下ネタガッツリ入ってるので、苦手な方はお控えください。
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数分後、白玉楼大部屋。
ーーーーside フラン
縁側に座って味わう美味しい煎餅、ちょうどいい熱さの緑茶、舞い落ちる可憐な桜の花びら……。
どれを取っても文句はないこの風景。
……しかし、後ろから響いてくる騒音が全てを台無しにしていた。
「へぇ、辻斬り翁かぁ……。
…………一回死んどこっか!」
「勘違いでフランを滅多切りにしたのかー……。
……お返しに私のダーインスレイヴで細切れにしてやるのだー!」
「ま、待ってくだされ!!
私にはまだ孫がいるのです!
こんな所で死ぬわけには……!!」
「あの、私からも謝りますから、どうかお祖父様の御命だけは……!!
フランさんも止めてくれませんか!?」
「それで、レミリアさんとさとりさんはどのような関係なの?
もしかして、最後までいったのかしら……!?」
「「お願い、誰か助けて!!」」
「あらあらぁ〜、レミちゃんもさとりんも大変ねぇ!」
「……藍さん、お茶のおかわりいかがです?」
「あぁ、いただこう。
客人なのにすまない、美鈴さん」
……とりあえず、名指しで助けを求めてきた妖夢『だけ』助けておこっと。
美鈴も藍さんも現実逃避を始めちゃったし、他はスルー決定!
そう決めた私は、お茶を横に置いて立ち上がり妖夢の方に向かう。
そして今にも涙が溢れ出しそうな幼い妖夢を抱えあげ、再び縁側に戻り妖夢を膝の上に乗せながら腰かけた。
「フ、フラン殿ぉぉぉぉ!?
わ、儂はどうすれば!?」
「んー、今のこいしとルーミアを止めたら危なそうだから、安全なここに妖夢だけ連れてきたの!
だから妖忌さんは一人でなんとかしてね!!」
「……あぁ、つまり儂はここで終わるんですな?」
「……まぁ、こいしとルーミア次第だね」
その言葉を最後に、私は妖夢の耳を押さえながら庭の方に向き直る。
その直後、後ろから老人の悲鳴や少女二人の怒号が聞こえてきたのは、きっと私の幻聴だったのだろう……。
後ろから血のような赤い液体が飛び散ってきたのも、おそらくトマトジュースが飛んできたはずだ。
……まぁ、今の時代でここにトマトジュースがあるわけないよね。
でも私の中ではトマトジュースってことにしとこっと!
「あら、良かったわね妖夢!
お姉ちゃんに抱っこしてもらって!」
「あっ、ゆ、幽々子様!?
あの、えっと、これは……!!」
妖夢からしたら、家ごと仕えている幽々子に子供らしい所を見られるのが恥ずかしかったのだろう。
真っ赤になって何かを否定しようとしているけど、その何かを自分も分かっていないから周りから見たら面白い反応をしている。
「ふふっ、妖夢はまだ子供なんだから子供らしくしていいのよ。
私も母親のような気分になれて楽しいもの!」
「母親のような、っていうよりもう母親だね!」
「あぅ!? ゆ、幽々子様が、母親……!?」
今度こそ完全に固まってしまった妖夢。
幽々子はそれを笑いながら見つめた後、私の隣に腰かけて固まる妖夢の頬をしばらくつついていた。
「……それにしても、妖忌が貴女に酷いことをしてしまったわね。
それにきっと妖夢も、初めいきなり襲いかかったでしょう?
……私の身内が申し訳ないことをしたわ。
本当に、本当にごめんなさい……!!」
妖夢を優しく見つめていた幽々子が、ふと表情を固まらせたかと思うと辛そうに謝ってくる。
さらにいつの間にか手に手拭いを持っていた幽々子は、私の顔に付いていた私の血をそっと拭いとってくれた。
「私が酷く酔った紫から貴女達の話を聞いて、会いたいなんて言ってしまったから……」
「別に気にしてないから大丈夫だよ!
紫さんは……きっと幽々子さんだけじゃなく妖夢や妖忌さんにも私達と会わせたかったから、きっかけを作るために私を妖夢の所に送ったんだろうし、それに妖夢や妖忌との勝負は楽しかったもん!!」
もし紫さんが白玉楼に私を直接送っていたら、外にいた妖夢や妖忌とは会えなかったかもしれない。
いきなり襲われたりしたし負けもしたけど、勝負の内容は充実したものだった。
学ぶことも、誇れることも、どちらもあったのだから……。
「……そう言ってもらえると、本当に助かるわ!
でも、やっぱりちゃんとおもてなしをしたいから…………そうだ!
今日はここに泊まっていかない?
妖忌の作る料理の味には自信があるの!!」
「フランさん泊まっていかれるんですか!?
やったぁ!! 戦いのことを教えてもらえる!!」
「「こ、子供らしくないね(わね)……」」
どこかずれた喜びを見せる妖夢に幽々子と苦笑いしながら、私は思考の渦に呑まれていく……。
……泊めてもらえるのは嬉しいんだけど私の秘密のことがあるし、途中でボーッとなったりしないか不安だなぁ…………。
本当は色々と解決した時が良いんだけど、断ったりしたら御姉様達が心配するだろうし……。
……まぁ、妖夢と一緒に遊んでたらボーッとなることもないかな?
「それじゃあ御姉様達も良いって言ってくれたら泊めさせてもらうね!
妖夢とも一杯遊んであげる!!」
「えっ? 戦いのことを教えてくれるんじゃないですか?」
「「これが妖忌(さん)の遺伝なの……?」」
戦闘狂の素質を垣間見せる妖夢に苦笑いすらできなくなり始めた私と幽々子。
とりあえず話を変えようと思って、幽々子に妖夢を渡しながら御姉様達がいる後ろに振り向くと…………。
「よし、これぐらいで良いかな!」
「殺してはないから大丈夫なのかー!」
「……………………」
……何もかも真っ赤に染まって倒れてる妖忌と、その妖忌を見下して笑うこいしとルーミア。
思わず合掌してしまったのは仕方がないと思う。
そして、そこから横に視線を向けると……。
「ちょっ、さとり!?
ヤケクソになって襲ってこないで!?
零距離でグングニルぶっぱなすわよ!!!?」
「そんなの西行寺さんのからかいに比べれば怖くありません!!
むしろ私の腰のグングニルでレミリアの初めてをもらいます!!」
「さ、さささとりは女だから生えてないじゃない!!!?
フラン達のいる前で変なこと言わないで!!!!」
「意地と根性と妖術でどうにもなります!!!!
ヤケクソな状態で周りの事なんか考えてられません!!!!」
「……『スターボウブレイク』」
あまりにも危険な発言を続けていた御姉様とさとり。
これにも思わず『スターボウブレイク』を撃ってぶっ飛ばしたけど、むしろ私は誉められるべきだと思った。
そして、今度は部屋の隅に視線をやってみると……。
「いやぁ〜、二人とも良い乳してるわねぇ!
ほんっとうに羨ましいわぁ!」
「「……け、汚された…………」」
「……『カタディオプトリック』」
……何か満足げに親父臭い発言をする紫さんと胸を抱えながら倒れている美鈴と藍さんがいた。
もちろん、すぐに私は紫さんに向けて『カタディオプトリック』を放つ。
それに呑み込まれた紫さんは変な悲鳴をあげていたけど、酔っ払いを気にする必要はないだろう。
「……幽々子さん、私達が泊まったら夜もこんな状態になると思うけど、大丈夫?」
「楽しいから大丈夫よ!
むしろ絶対に泊まって欲しいわ!」
「あ、全然平気なんだね幽々子さん。
……星、輝夜、慧音さん…………誰でも良いから、この状況から助けて……!!
この際チルノや小傘でも良いから……!!!!」
唯一まともなのかと思っていた幽々子さんが、実はまともでは無かったと知って愕然とする私。
思わず助けを呼んでしまったのは…………私がまともだからと、信じたい。
ーーーーー
以上、もうどうしようもないカオス回でした!
……所々(ってかフラン)はまとも且つ真面目なのに…………。
次回シリアス予定が…………シリアスにしづらい……!!
それではまた次回にてお会いしましょう!!




