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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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レミリアの呼び出しと酔っぱらいの恐怖

どうも、東方転妹録最新話です!!




……えー、始めに謝っておきます。


紫ファンの皆様、大変申し訳ありません!!!!



今回は前半シリアス、そして後半カオスとなっています。




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー二日後、紅魔館。

ーーーーside 美鈴



妹様の相談に乗ってから数日、私はルーミアさんを通じて御嬢様に玉座の間へ呼び出された。

そして今、私は玉座の間の扉の前に立っている……。



ーーーコンッコンッ……。


「紅美鈴、只今参りました!」


「…………入りなさい」


「はい、失礼します!」



御嬢様の許しをもらい玉座の間へ入っていくと、そこには何かを悩むように頭を抱えて玉座に座る御嬢様と、その脇で立ちながら同じように消沈しているさとりさんがいた。

……まるで二日前の妹様のようだなぁ。

やはり、妹様のことで呼ばれたんだろうか?



「御嬢様、私にどのような要件があるのでしょうか?」


「……少し、貴女に聞きたいことがあるのよ。

二日前、フランから相談を受けたそうね?

貴女から報告を受けたルーミアから聞いたわ」


「確かに妹様から相談されました。

やはり、そのことで……?」



妹様から相談を受けていたとはいえ門番をサボったことには変わりない私は、立場的に上司となるルーミアさんに一応サボった理由を報告していた。

それで心配したルーミアさんが御嬢様に更に報告したというべきだろう。

……もちろん、妹様の変化に御嬢様達が気付いてなかったとは思わないが。



「一週間前、あの日の夜からフランは様子がおかしいわ。

もっと言えば、永遠亭からの帰り道にルーミアと話していた後から様子がおかしい…………。

……まぁ、今言いたいのはそうでは無くて、フランの相談の内容がルーミアとのことなのかどうか、それを貴女に訪ねたかったのだけれど、どうなのかしら?」


「……妹様が言っていたのはルーミアさんのことだけではありませんでした。

もっと、広い…………」



ここまで口にして、私は不意に口を動かすのをやめた。

……妹様は、『御姉様にも、誰にも言いたくない秘密』と言っていた。

だから、私は今ここで御嬢様に、妹様が秘密を抱えていることを言っても良いのだろうか?内容を知っているわけではないから秘密の有無しか言えないとはいえ、妹様に秘密があることを言ってしまえば御嬢様達は妹様に訪ねるはず…………。



「……ん…………りん、美鈴!!!!」


「……はっ! あっ、な、なんでしょうか御嬢様!?」


「なんでしょうかじゃないわよ、全く……。

それで、途中まで言いかけて何を戸惑ったのかしら?」


「えっ、あ、その…………」



思わず考え込んでしまった私に、御嬢様は疑問を投げ掛けてくる。

しかし、私は御嬢様の疑問に答えることはできなかった……。



「…………そう、言えないのね。

まぁ、フランが秘密にしたいと貴女に言ったか、それとも私も関係のある軽々しく言えないような内容だったかのどちらかなんでしょうけど……。

……それに、さとりはもう分かったんでしょう?」


「……えぇ、先程美鈴がしっかりと思考してくれましたから。

ただ、美鈴もフランに秘密があるとしか知らないようですし、フランは私達に秘密にしたがっているようですが…………」



この時、私は思わず『しまった』と思ってしまった。

さとりさんに心を読まれるのが嫌なわけではない。

むしろ話さずともこちらの望むことを理解し、行動してくれる優しい姿を私は日頃から好ましく思っている。

……だが、今は状況が状況だった。


「……美鈴、心配することはありません。

フランが聞かれたくないと思っているのは貴女のおかげで分かりましたから、例えこいしやルーミアが問い質そうとしても私が止めます」


「とは言っても、一体どのような秘密があるのかは本人に聞かないと分からないのだけれど……。

……まぁ聞くにしても聞かないにしても、フランが落ち込んでいるのをどうにかしてあげたいわ…………!!」



御嬢様が強い意思を込めて最後の言葉を放った後、私達の間に訪れる沈黙。

この場のことも妹様のこともどうすれば良いか分からない私はその場に立ち尽くし、思考の渦に呑まれていったらしい御嬢様は玉座にもたれ掛かりながら天井を見上げ、そしてさとりさんはじっと目を閉じて俯いてしまっていた……。


……そうしたまま、一体どれ程時間が経ったのだろうか?

それすら分からなくなり始めた頃、一人の訪問者によって玉座の間を包んでいた静寂は打ち砕かれた。



ーーーグパァッ…………!!


「はぁ〜〜い!! 紅魔館の皆さん、元気にしてるかしら!?」


「……来た早々酔っぱらってるのはどういうことなのか、説明してくれるわよね、八雲紫…………?」


「……思考すら酔っぱらって狂ってますね」



玉座の真上に突如開いた八雲紫さんのスキマ、そこから顔を出した八雲紫さんは、一升瓶を両手に持ちながら顔を真っ赤にして酔っぱらっていた。

……どれ程強い酒を飲んだら、あぁなるんだろう?

八雲紫さんも一応大妖怪だし、酒も飲み慣れてるはずなのに…………?



「んふふ〜〜! ちょっとねぇ、友人と一緒に話しながら一杯飲んでたのよ!

そしたらその友人が紅魔館の皆に会いたいって言うから迎えに来たわ!!」


「口調が変わる程酔っぱらってるのね……。

……まぁ、急とはいえフランの気分転換になるから良いわよ」


「……それでは私と美鈴でフラン達を呼んできますね。

美鈴、私はフランとこいしを呼んできますから、ルーミアを呼んできてもらえますか?」


「えぇ、分かりました!」



堅い空気が壊れたから私は口調をいつもの親しみやすい口調に戻す。

そして私が先を歩くさとりさんに着いていこうとした時…………。



「別に呼ばなくても良いわよ〜〜?

ゆかりんがスキマで勝手に連れてくから!!」


「ちょっ、気持ち悪いこと言わないで!!!!

思わず鳥肌が立っちゃったじゃない!!!?」


「……それと思考の中で子供のように可愛い振り付けで踊るのは止めてください!!

八雲紫、貴女は自分の見た目の年齢を理解していますか!?」


「うわぁ……酔っぱらいって、恐ろしいですね…………。

それより、妹様達に事情を説明する時間が必要だと思うんですけど……」


全力で罵倒する御嬢様とさとりさんには目もくれず酒を煽る八雲紫さん。

口から瓶を離す頃合いを見計らって私も提案してみたが、再び酒を煽る八雲紫さんに完全に無視されてしまった……。



「……プハァァァ〜〜!!

やっぱりお酒は良いわね!!

さてと、それじゃあスキマを開くわよ〜!!

せーの、ゆかり〜んマジック!!」


「だから気持ち悪いっていってるでしょうが!!!!!!」



なんというか、見ていて凄く吐き気を催すような動きをする八雲紫さんに、耐えきれなかった御嬢様が怒鳴り散らす。

そして吐き気をこらえる私の隣では、さとりさんが口許を手で押さえて、顔を真っ青に染めていた……。

……それにしても、スキマ、開かないなぁ………?



「……ゆかりん、失敗しちゃった!

ごめんね、レミちゃん!!」


「もう酔っぱらいは帰れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」


「……美鈴、気を操って吐き気を止めてくれませんか?」


「いくら気でも少ししか回復しないと思いますが、やってみますね」



玉座の間に響く御嬢様の絶叫。

その声を聞いた妹様達が玉座の間に駆け込んできてくれるまで、私達は吐き気と戦い続けていたのだった……。






ーーーーー

以上、姉達と門番の憂鬱&酔っぱらいの悪夢回でした!



……もう一度謝っておきます。


紫ファンの皆様、本当に大変申し訳ありません!!



なんていうか、あれですね、紫はいじりやすいんです……!

……まぁ、やりすぎた感が半端じゃありませんが。




それでは、また次回にてお会いしましょう!

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