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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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フランドール・スカーレットの弱さ

どうも、東方転妹録最新話です!



今回は前回から少々時間が飛んで、五日後からスタートです。


……まだシリアスは続いていますがね。

フランの秘密明かしはしない予定でしたが、このままだと秘密明かしルートに直行します。



……ってか、もうやることに決めました!




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー五日後、紅魔館。

ーーーーside フラン



永遠亭から帰った夜は皆紅魔館に泊まり、翌朝帰っていった。

……因みに紫さんは私と御姉様を見た途端、ジャンピング土下座を披露して驚いた御姉様とさとりにダブルグングニルをくらっていた。


そして五日経った今日の昼、私は誰もいないテラスでティーセットを用意し、一人、紅茶を飲んでいる……。



「…………はぁっ。

私、ルーミアの本質を見抜けてなかったんだなぁ…………」



今はあの夜のようにルーミアの態度は変わっておらず、今まで通りのルーミアで生活しているが、あの夜から私はルーミアとの接し方に少し戸惑いを含んでしまっている。

さらに、それだけではなくこいしのことでも私は悩んでいた……。



「出会った時に約束したんだもん……。

……私に皆の能力が効かない理由、それに私の秘密、言わなくちゃいけないよね…………」



こいしにはその事を、いつか教える、そう約束している。

あれから半世紀も経ってしまっているのだ。

いくら妖怪にとって半世紀という時間があっという間に感じられると言っても、こういった大切な事は早めに言うべきだろう。

……ましてや、私がこいしだけでなく皆に秘密を明かさないというのは、皆に嘘をついているということと同義なのだ。

それは、今まで親身に接してくれた皆への冒涜でしかないはず……。



「はぁっ…………どうしようかなぁ……?」


「妹様、何を悩んでるんです?」


「えっ!? め、美鈴!?」



急に後ろから聞こえてきた声に、思わず驚きの声をあげてしまう私。

急いで後ろに振り返ると、そこには笑顔で私を覗きこむ美鈴がいた。



「美鈴、どうしてここにいるの?

門番の仕事サボったらルーミアに怒られるよ?」


「いつも通り門番をしてたら、ここで悩んでいるような妹様を見つけたので様子を見に来ただけですよ。

それに妹様のことが理由ならルーミアさんも怒りませんしね!」



なるほど、確かに今私がいる二階のテラスは門から見たら真正面にあるから、私が頭を抱える姿も見えるはずだ。

それに、ルーミアなら私の事が理由であれば例え美鈴がサボっても大目に見るだろう。

……それだけ想われていると思うと、再び頭が痛くなってきた。



「それで、妹様は何を悩んでいたんですか?

私でよければ相談にのりますよ!」


「……その、実はね?

私、今までずっと皆に秘密にしてたことがあるの。

さとりにも、こいしにも、ルーミアにも、それに御姉様にも……」


「御嬢様にもないしょにするような、妹様の、秘密……?」



ある意味この秘密があるから、ルーミアは私に受け入れてもらえていないと思っていたのだと思う。

もちろん、私がその場でルーミアと二人きりの空間にいることを拒んだからでもあるけど、やはり根本的なのは私の秘密だ。

私が受け入れようとしても、心の奥底では私の秘密が皆を拒絶するのだから……。



「まぁ、今ここで美鈴に言えるような秘密なら、こんなに悩んだりしないんだけどね……。

……せっかく相談にのってくれたのに、こんな感じでごめんなさい…………」


「いえいえ! 妹様が気にすることはありませんよ!

誰にだって誰にも言えない秘密の一つや二つくらいありますから。

もちろん私にだってありますよ?」


「えっ? 美鈴の秘密って何?」


「それは妹様でも言えませんよ?

だって私の誰にも言えない秘密なんですから!」



そう言って明るく笑って見せる美鈴。

それを見た私も、自然と笑い出していた……。

……本当に美鈴が秘密を持っているのか、それは私には分からない。

だって誰にも言えない秘密なんだから、秘密がないことが誰にも言えない秘密だって可能性もあるのだから。

だけど、私は明るく笑う美鈴を見ながら、美鈴には秘密が無いように思えていた……。



「……でも、これだけは覚えておいてください、妹様。

妹様の姉である御嬢様は、何時だって妹様のことを知りたがっています。

もちろん、さとりさん達も知りたがっていますけどね?

……ただ、御嬢様は妹様が生まれてきてからずっと妹様のことを可愛がってきました。

私は妹様が家出なさっている時に御嬢様に使え始めたので妹様の生まれた時のことは知りませんが、それでも御嬢様から妹様のお話は沢山聞かされたのでそれだけは分かります!」


「御姉様が、私の事を、知りたがってる…………」



一瞬だけ、私は美鈴の言うことを疑いかけてしまった。

普段の御姉様は私を可愛がってくれるし、甘えさせてくれる。

だけど、御姉様は私に何が好きなのかとかを聞いてきたことはない。

もしかしたら私の行動を見て観察しているかもしれないけど、しかしそれが私に疑念を抱かせた……。

……でも、御姉様は私を愛してくれている。

その上私がいない間御姉様を支えてくれた美鈴がそう言っているのだ、そこに疑う余地は無かった。



「せめて、御姉様だけにでも…………いつか、私の秘密を、話さなきゃいけないかな……」


「必ず話さないといけないというわけではありませんが、それでも御嬢様は妹様が話してくれることを望んでいます。

……まぁ、妹様が秘密を抱いていることに、御嬢様が気づいていればですがね」



御姉様は私が秘密を抱いていることに気づいているのだろうか?

今まで私は何かを隠すような態度を見せた覚えはないし、御姉様から聞かれたこともない。

……いや、御姉様の能力が私に効かないということに御姉様は疑問を抱いていた節があるから、恐らく私に何か秘密があるとは気づいているだろう。

それを私が自覚しているかを、御姉様が知っているかどうかは別だけど…………。



「……ありがとね美鈴。

まだ気持ちの整理がついたわけじゃないけど、少しだけ気持ちが楽になったよ。

すぐには無理だけど、いつか御姉様や美鈴達に話せるように、私、頑張ってみる!」


「妹様が元気になられたなら良かったです!

はい、その時が来ることを、私も楽しみにしてますね!!」



明るくは出来ないけど、それでも今の私に出来る精一杯の笑顔を美鈴に見せる。

すると美鈴も、こっちは明るい笑顔を見せてくれた。

……ルーミアとこいしのこともあるし、この秘密を明かす時は皆に明かすことになる。

だから、私もゆっくりと覚悟を作っていかなくちゃ…………!!



「あっ、紅茶を飲み忘れてた!

……うぅ、つ、冷たい…………!!」


「あらら、それじゃあ私が新しく淹れ直しますよ。

少しだけ待っててくださいね!」



そうしてティーセットを運びテラスから去っていく美鈴。

私はそれを見送りつつ、口に残る冷たい紅茶の味を噛み締めていた……。

……私の秘密を、嘘を通せば、いつかこの紅茶みたいに皆との関係が冷めてしまうかもしれない。

それに、新しい絆を紡ぐことも出来なくなると思う。

……でも、やっぱりまだ皆に打ち明けることはできないよ…………。



「……私の『他人の能力が効かない状態』を破壊した時…………その時が、私の分かれ道だね…………」



運命を見られ、思考を見られ、心の闇を見られ……その時、皆が私の傍にいてくれるのかどうか。

今の私は、ただそのことに怯え、決断を出来ないでいた…………。






ーーーーー

以上、フランの秘密相談回でした!




……さぁさぁさぁ、この強大なフラグをどう回収しよう?

とりあえず、亡霊姫フラグを先に回収します。




さて、また次回にてお会いしましょう!

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