建築中は闇討ちに注意……?
どうも、東方転妹録最新話です!
今回はフランと鬼二人がメインになっています!!
……本当、明るい鬼二人は書きやすいですね!
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー1時間後、永遠亭跡地。
ーーーーside フラン
目の前に積み上げられた丸太の山。
その脇で縄を担ぎながら丸太の質を確かめる勇儀と萃香。
そしてその横で特に目立っているのが…………。
「……御姉様、どうして息を荒くしながら倒れてるの?」
「……はぁ……はぁ…………さ、察しなさいフラン……。
…………さとり、よ……」
「……フラン、気にすることはありませんよ。
それにレミリアの事を気にするより先にフランはすることがあるでしょう?」
「う、うん…………?」
竹林の外にあった森から丸太を切り出してきた私とこいしとルーミア。
永遠亭があった場所に戻ってきてみると、何故か御姉様が息を乱しながら倒れていたけど、結局、御姉様が息を切らせて倒れている理由は私に明かされることはなかった……。
……ディープキスとかは私にして慣れてるはずだから、もっと他の事をされたのかな……?
…………こしょこしょ我慢大会、とか……?
「……ねぇ、ルーミア。
御義姉様の口の回りが濡れてるってことは、つまりそういうことだよね?」
「私もそうだと思うのだー……。
……さとりも中々容赦がないのかー」
私の後ろで何かこしょこしょ話をしているこいしとルーミア。
もしかしたら御姉様が倒れている理由を話し合っているのかと思って耳を傾けてみたけど、私が耳を傾け始める頃には二人とも話を終えてしまっていた……。
「むぅ…………なんだかよく分からないけど、とりあえず私は勇儀と萃香の手伝いをしてくるね!」
「はい、私はレミリアに膝枕をしていなければなりませんから、私とレミリアの分も代わりに頑張ってきてください、フラン……!」
私が勇儀と萃香の手伝いをしてくると言うと優しい笑顔で応援してくれたさとり。
その膝の上に頭を乗せている御姉様は…………見事にぐったりとしている。
……御姉様もそうだけど、椛も何故か気絶して文お姉さんに看病してもらってるし、にとりも紅魔館で雛に看病されてるらしいね。
もしかして妖怪にも移る新種の病気とかかな……?
そう思った私は勇儀の側に駆け寄ってから、勇儀の上着の袖を摘まんで引っ張った。
「んっ? おっ、フランじゃないか!?
私の服の袖なんか摘まんでどうしたんだ?
もしかして抱っこして欲しいのか!?」
「ううん、抱っこじゃなくて勇儀に聞きたいことがあったの!
……ねぇ、最近妖怪にも移る病気って流行ってるのかな?」
抱っこして欲しいのかと私に聞きながら、既に私を抱っこしている勇儀。
しかし、私は勇儀と会えばいつものことだからとそれをスルーして話を進める。
そして私の話を聞いた勇儀は頭を捻りながら考え込み、しばらくして未だ悩むようにゆっくりと顔を上げた。
「悪いけど、私はそういった話は聞いたことないねぇ……。
萃香、最近流行ってる病とか知らないかい?」
「へっ、流行り病?
うーん、私もこれといって聞いたことはないなぁ……」
「そっかぁ…………」
申し訳なさそうに何も分からない事を伝えてくる萃香に、思わず落胆の声を漏らしてしまう私。
……御姉様や友達の皆が何か病気になってしまっているなら、ここには永琳もいることだからすぐに治療が出来るけど…………まず病気かどうか分からないとどうしようもないよね。
「……まぁフラン、どうせフランのお姉ちゃんと天狗河童のこと心配してるんでしょ?
それなら私はそんなに心配することはないと思うなぁ。
ある程度強い妖怪は酒に酔って後で二日酔いになったりはするけど、病気になることはまず無いさ!
なんたって私がそうなんだからね、にゃはははは!!」
「確かに萃香の言う通りだねぇ!!
妖怪がなる病気なんて二日酔いくらいだよ!
……まぁそんなわけだからさ、フラン、あんまり心配することはないよ。
どうしても気になるって言うなら、皆が元気がない時はとびっきりの笑顔を見せてやりな?
一発で皆元気になるからさ!」
そう言って再び萃香と一緒に笑う勇儀。
私を抱き締める腕には力が入っていて、どこか私を安心させてくれていた……。
……そっか、そうだよね。
何故か分からないけど苦しんでいる御姉様達の前で私まで暗くなってたら、御姉様達も余計苦しくなっちゃうもん。
だから、私が笑顔で御姉様達を支えないと!!
「ありがとね勇儀、萃香!!
私が落ち込んでたらダメだよね!
ちゃんと笑顔で御姉様達を支えるよ!!」
「おうっ!! その意気だよフラン!!
笑顔で皆を幸せにしてやりな!!」
言うや否や私の頭を力強く撫でてくれる勇儀。
ちょっとくすぐったかったけど、そのくすぐったい感触すら今の私には勇儀と萃香の応援に思えてしかたがなかった。
……そして、勇儀が私の頭をひとしきり撫で終えた後、萃香が私と勇儀を促す。
「にゃはははは!!!!
それじゃあフランもすっかりしたことだし、そろそろ永遠亭とやらを建てるとしようよ!
……それにそのまま勇儀がフランの頭を撫で続けてたら、奥にいる黒い執事と黄緑の町娘に怒られそうだしね!」
「おっ?……あぁ、成る程ねぇ?」
萃香の言葉に反応した勇儀が私を抱っこしたまま後ろに振り向く。
するとそこには勇儀を、じーっ、と睨み付けるルーミアとこいしがいた……。
「……ふむ、それじゃあ家作りにかかるよフラン!」
「えっ、ゆ、勇儀?
私を下ろしてくれないと私、手伝えないよ?」
私を抱っこしたまま丸太の方へと歩みを進め出す勇儀。
それに私が疑問の声をあげると、勇儀は一枚の紙を私に差し出し、その後に抱っこから肩車へと体勢を変えていく。
……これは、新しい永遠亭の設計図?
もう出来てたんだ……!!
「フランはその図面を見て指示を出しておくれ。
前にもさとり達の家を修理した時に経験しただろう?
こういう現場には近くに指示を出す奴が必要なんだ。
前は射命丸がやってくれたが……今は犬走に付きっきりだからねぇ?」
「えっと、それじゃあ私は、このまま図面通りに勇儀達に指示を出せばいいの?」
「そう、そういうことさ!
それじゃ、いっちょよろしく頼むよ!!」
私を見上げながら口元に笑顔を浮かべる勇儀。
その後に勇儀が後ろを一瞥した気がしたけど、あまりにも一瞬過ぎて確信に至ることはなかった……。
「……ねぇ、こいし。
建設工事が終わったら勇儀をぶっ飛ばすのかー…………!!」
「……そうだね、ルーミア。
あそこまで露骨に挑発されて、黙ってなんかいられないよ…………!!」
「……良いのかい、勇儀?
フランの追っかけ二人が睨み付けてきてるけど?」
「はんっ! こちとら中々フランには会えないんだからこういう時ぐらい独占してもいいじゃないか!!
なぁ、フラン?」
「えっ? あっ、えっと、そう……なのかな?」
何故か漂う不穏な空気を一笑に伏した勇儀。
まるで流れるように変わる場の雰囲気に惑わされながらも、私はとりあえず相づちを返したのだった……。
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以上、勇儀VSこいし&ルーミアフラグ回でした!
……さぁて、次回は荒れそうです!
その上、永遠亭組が空気に……。
それではまた次回にてお会いしましょう!




