謝罪と誠意、それ即ち一種の人徳
どうも、東方転妹録最新話です!
今回、フランがまた泣いちゃいます。
……まぁ、ショックは大きかったでしょうしね。
そして、さとりが再びレミリアを……!!
それでは楽しんでいってください!!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー十分後、永遠亭跡地。
ーーーーside フラン
竹林の間を駆けるように風が通り過ぎ、永遠亭から上がる煙を飛ばしていく。
そこから現れた光景を見ながら、強いショックを受けた私は地面に座り込み、静かに涙を流し続けていた……。
「……えっと、フラン、やっちゃったね。
で、でもフランは悪くないからね!?」
「襲おうとした私達が悪いのだー!
……だからフラン、落ち込まないで欲しいのかー」
服がボロボロになって所々素肌が見えているこいしとルーミアが両脇に立ってゆっくりと宥めてくる。
すると、後ろから別の声が聞こえてきた。
「鈴仙……私はこの怒りを咄嗟のことで仕方がなかったフランって子以外の誰にぶつけたら良いと思う?」
「姫様、その怒りはフランさんを襲おうとした御二人に向けるべきかと……」
「姫様、鈴仙、その前に永遠亭を修理しなければいけません。
一先ず腕の良い大工さんと宿を探さないと……」
「……じ、地獄の手術室、から…………ようやく解放、された……!」
永遠亭を壊された怒りで声が震えてる輝夜の質問に鈴仙と永琳があまりのことに気が抜けた声で返事を返している。
そして今度は、上空からこいしとルーミアと同じように私を宥める声が聞こえてきた。
「あややや……フ、フランさん?
今から私がひとっ飛びして勇儀さん達を連れてきますから安心してください。
勇儀さん達ならこの程度の大きさの建物はすぐに造れますから!」
「あ、えっと……そうだ!
フランさん、文さんを待ってる間私の尻尾をモフモフして良いですよ!?
それで落ち着いてから皆で建物を建て直しましょう!」
私に告げるや否やすぐに飛び去っていく文お姉さん。
私の斜め後ろに降り立った椛が差し出してくる尻尾を、私は手に持ちながらもモフモフは出来なかった……。
……最後に聞こえてきた声、それは正面からだった。
「大丈夫よフラン!!
貴女が壊した部分より私がグングニルで壊した部分の方が大きいわ!!
それに姉である私が先に壊してたのだから、私の妹であるフランが同じように壊したってしょうがないわよ!」
「……レミリア、貴女が壊した範囲を知ってるフランにそれを言ってもフランが更に落ち込むだけです。
さてフラン、先程そこの椛も言っていましたが壊したなら皆で直しましょう?
申し訳ないと思うなら、先ずは謝ってから誠意を見せるのが大切ですよ?
大丈夫、フランは今までも悪いと思ったことは自分からきちんと謝って行動出来ている優しい吸血鬼なんですから、いつもと同じように自分が今しなければと思ったことをすれば良いんです」
私を元気付けようと声をかけてくれる御姉様と、先ずは何をすべきか優しく教えてくれたさとり。
それを聞いた私は黙ったまま手で涙を拭き取り、椛の尻尾を手放しながら立ち上がって輝夜達の方を振り向く。
そして輝夜達に頭を深く下げ、申し訳ないという気持ちを言葉に乗せて全力で言葉を発した……。
「輝夜さん!! 永琳さん!! 鈴仙さん!! てゐ!!
永遠亭を壊してしまって、本当に、本当にごめんなさい!!!!
今日中に永遠亭は元通り以上に直します!!
本当にごめんなさい!!!!」
一つ一つの言葉を発する度に震える私の体。
全ての言葉を言い終わる頃には再び涙が流れ出しそうになっていて、私は顔をあげることが出来なかった……。
「えっ、あっ、別にそこまで謝らなくてもいいのよ?
さっきも言ったけど咄嗟のことで故意じゃなかったんだからしょうがないんだし、それに永遠亭が直るなら私はそれだけで十分よ!」
「姫様…………!!
いつも我が儘な姫様が、こんなに広い器を見せるだなんて……!!」
「ちょっと永琳!! 一言多いわよ!?
……そ、それに、フランみたいな素直な子があんなに必死に謝ってるのに、許さないのは可哀想じゃない…………」
私の謝罪を受け入れてくれる所か優しい言葉までかけてくれた輝夜。
その言葉を聞いた瞬間、私は感謝の気持ちが込み上げてきた。
……私は永遠亭を壊したのに、簡単に許してくれるだなんて…………。
絶対に今日中に永遠亭を直さなきゃ……!!
「……ありがとう輝夜さん!!
それじゃあ早速木を切って持ってくるね!!」
「あっ、待つのだフラン!!」
「私達も一緒に行くよ!!」
優しく許してくれた輝夜にお礼を言ってから、永遠亭を直すために材料の木を取りに飛び立つ私。
それに反応したルーミアとこいしが一緒に来てくれた。
……椛とさとりが言ったように皆で永遠亭を直さないとね!
でも壊しちゃったのは私だから、私が一番頑張らないと!!
そして私はルーミアとこいしと一緒に、濃霧を飛び出して近くの森に飛び込んでいった…………。
ーーーーー永遠亭跡地。
ーーーーside 椛
フランさんとこいしさんとルーミアさんが飛び出していった後、次はレミリアさんの罰をどうするかと言う話になったのだが…………。
「えっと、レミリアだっけ?
貴女は何で行かないのよ?
永遠亭の壁に穴を空けてたでしょ?」
「フランを追って行ったら日光に晒されるからよ。
フランも謝って行動してるから私も行動したいけれどルーミアも行ってしまってもう動けないし、それに死んだら元も子もないでしょう?
……それと、狂化していたとはいえ壁に穴を空けて悪かったわ」
単刀直入に言及する輝夜という少女に謝罪をするレミリアさん。
……レミリアさんが素直に謝るのは珍しいですね。
やはりフランさんがしっかりと謝り行動をしたことが大きかったのでしょうか…………。
「……それだけじゃありませんよ、椛。
レミリアは自分が狂ったのは初めてです。
まともな思考ではない、自分を制御しきれていなかったことも含め自らを戒めるために謝ったのですよ」
「また心を読んだわね、さとり?
それも意識的に少し深く……。
……まぁ、さとりに覗かれるのは構わないし、さとりが私が誰かに知られたくない部分を口にするとは思ってないけれど…………」
「……つまり全幅の信頼を私に置いてくれているということですね?
それは本当に嬉しいですレミリア!
あまりにも嬉しすぎるからキスをしてその先にまで行きますね!!」
「はっ!? ちょっ、待ちなさいさとり!?
どうしてさとりはいつもそうなるの!!!?
キスはこの際構わないとしてもその先は行き過ぎよ!?
全力でグングニルかますわよ!?」
「大丈夫ですよレミリア!
私も劣化版とはいえグングニルを扱えますから、レミリアの照れ隠しくらい受け止めきれます!!」
「ちっがぁぁぁぁぁぁぁう!!!!!!!!」
さとりさんが私の心を読み、レミリアさんの本音を教えてくれた所から始まった番や夫婦のような掛け合い。
しかし、これもまたさとりさんの気遣いの一つなのだろう。
自分を制御出来ずに落ち込みつつあったであろうレミリアさんへの……。
……それにしても、さとりさんかなり迫っていってますね。
まさか本気でここでする気なんでしょうか?
あっ、レミリアさんがさとりさんの触手に手を絡め取られた…………。
「……ね、ねぇ永琳?
あの二人ってそういう関係なのかな?」
「えぇ、きっと熱々な関係だと思いますよ!」
「師匠、なんだか興奮してきてませんか……?」
「……あっ、キスした……!
……って深っ!? ディープ!?」
ふと声がする方を見てみるとまるで野次馬の様にひっそりと話し合う永遠亭の住人達。
そして最後の小さい妖怪兎の発言を聞いて再びレミリアさんとさとりさんの方を向くと…………。
「はぁっ、ん…………くちゅっ……さ、さとっ、んぅ……!?」
「ちゅる…………ぺちゃ……ちゅぅぅ……!!」
「……あ、文さん、物凄い、ネタが……目の、前、に…………」
……小さい体の少女達が強く抱き締め合いながら、妖艶に舌と舌を絡め合い息もつかずに深い接吻をしている。
そしてそれを見た私は身体中が熱くなるのを感じると同時に、あまりの光景に意識を手放してしまっていった…………。
ーーーーー
以上、フランの謝罪とレミリア弄られ回でした!
……さとり、良いことを言うときは言うんですが、行くときは本当にガッツリ行きますね。
初な反応をして気絶した椛には合掌をしておきます!
それではまた次回にてお会いしましょう!




