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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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兎の団子のお味はいかが?

どうも、東方転妹録最新話です!



始めにお知らせですが、今日一名リクエストが来たので、これを機会に不定期更新の番外編ページを作ろうと思います。

本編と関連は持ちませんが、番外編ページではリクエストやコラボなどを受け付けようと思うので何かあれば感想かメッセージで送ってください。



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー二時間後、永遠亭。

ーーーーside レミリア



「さぁフランさん、月兎特製の団子ができましたよ!」


「わぁ……!! ありがとう鈴仙さん!!」


「……心配そうにしなくても、ちゃんとレミリアちゃんの分も作ってあるから安心してね」


「だからその呼び方はやめなさいって言ってるじゃない!?」




フランの羊羹という和菓子を姫らしい冴えない女から食われたのが二時間前、さらに背の高い方の兎の妖怪が団子の材料を買って帰ってきたのが一時間前。

そして今、ようやくフランの羊羹の代わりの団子が運ばれてきた……。

……本当に、私の呼び名はどうにかならないのかしら?

このままだと一緒にいるフランに、また示しがつかなくなるわ……!



「それじゃあいただきまーす!

……んっ、鈴仙さん、これ美味しいよ!!」


「フランさんからそう言ってもらえると嬉しいです!

全力で腕を振るった甲斐がありました!

……本当は満月の出ている夜に食べると雰囲気もあって、さらに美味しくなるんですけどね」



串に三個ずつ刺され、三角の形に積み上げられた団子。

フランはその内の一本を手に取り団子を食べた途端、心底美味しそうな柔らかい笑みを浮かべて鈴仙という者に感想を伝えている。

……満月の夜に食べるとさらに美味しい、か…………。

満月を好む私達妖怪からすれば、正にうってつけの食べ物ね。



「ほらっ、御姉様も早く食べなよ!

これ、本当に美味しいんだから!」


「ふふっ、ありがとうフラン。

それじゃあ私も一本だけいただくわね?」



フランとは違い、先ほど羊羹を食している私は少し引け目を感じながら、団子を一本だけ貰うことにした。

そして山積みになっている団子の山から一本だけ取り、薄く塗られているタレを溢さないようにゆっくりと口に運ぶ……。

すると…………。



「……っ、お、美味しい!

本当に美味しいわ、これ!!」


「そうでしょうレミリアちゃん?

鈴仙とてゐは団子を作るのが本当に上手なのよ。

……それに今回は姫様も手伝ってくれましたから」


「わ、私はちょっと罪悪感を感じたから手伝っただけよ!?

手伝い以外には何もしてないわ!」



私が夢中になって団子を頬張っている間、永琳と輝夜という姫が横で何かを話している。

しかし、今の私はそれすら全く気にしないほど団子の味に夢中になっていた……。

……口に入れた途端に広がるタレのあっさりとした甘さ、そしてその甘さを邪魔しない団子の柔らかい食感。

さっきの羊羹とは違って本当にシンプルな団子だけれど、素材の味と風味をしっかりと生かしているわ……!!



「どう、御姉様!?

この団子、本当に美味しいでしょ!?」


「えぇ、これは本当に美味しいわね!!

今まで団子は沢山食べてきたけれど、これほど美味しい団子は初めてだわ!!」



時折さとりが作ってくれる深い甘味のあるみたらし団子や、鬼の勇儀が宴会用に作るしっかりとした食感のきびだんごも、私にかなり美味しいと言わせしめる一品だったけれど、今食べているこの団子はそれらよりも遥か高みに位置していると素直に思える。

……羊羹を食べられなかったフランの手前、一本だけと言ってしまったけれど、今はそれが悔やまれるわね…………。



「……ねぇ、御姉様?

もしかしてまだ食べたいの……?

それなら遠慮しないで御姉様も沢山食べて良いんだよ!

ほらっ、私が食べさせてあげる!」


「えっ!?……あっ、いや、フランが全部食べて良いのよ!?

私はもう十分だから……!!」



フランに図星を突かれて思わず狼狽えてしまう私。

それでも私は姉としての意地を見せ、フランが差し出してくる団子をゆっくりとフランの方に戻した……。

……しかし、それを見ていた輝夜が…………。



「何を遠慮してるのよ?

貴女の可愛い妹が食べさせてあげるって言ってるんだから遠慮せずに食べれば良いじゃない?

……むしろ貴女が食べなかったら妹が可哀想よ?」


「な、な、なっ……!?」



輝夜から不意に放たれた、食べなかったらフランが可哀想という一言にさっきよりも激しく動揺してしまう私。

そして全然落ち着かぬまま、ふとフランの方を見てみると…………。



「御姉様…………。

私が御姉様に食べさせてあげるの、嫌……?」


「っ!!!!!!!?」



フランの紅く澄んだ美しい瞳が不安な気持ちを表しながら少しずつ潤み、動揺しきっている私を捕らえた。

その上フランは自然と上目遣いをしていて、私の心をさらに激しく揺さぶってくる……。

……だ、ダメ! 私には姉としての意地があるのだから、例えフランがおねだりしてきても……………………やっぱり、無理だわ。



「……いいえ、フラン!

私はフランから食べさせてもらうのは嫌じゃないし、むしろとっても嬉しいわ!!

だから、フランに食べさせてもらっても良いかしら!?」


「ホントッ!? やったぁ!!」


「あらあら、お姉ちゃんが食べてくれるって言ってくれて良かったわね、フラン」


「……あの姿を見てると、さっきの罪悪感がまた出てくるわ…………」


「しょうがありませんよ姫様。

フランさん程素直で純粋な子はかなり珍しいですし」



フランの可愛さに屈した私が食べたいと言うと、体を震わせて全身で喜んでくれたフラン。

それを見た永琳はまるで母親のようにフランの頭を撫で、輝夜は何かに苦しみ鈴仙に慰められていた。



「それじゃあ御姉様、はい、あーん!」


「あ、あーん……!」



声を出しながら再び団子を差し出してくるフランにつられ、私も声を出しながら口を開けて待つ。

そして遂に口の前まで団子が来た瞬間…………。



「……いっただきぃ!!」


「「「「「あっ!?」」」」」



……突如現れた悪戯兎によってフランが差し出してくれていた団子を食べられてしまった…………。

……今、何が起きたのかしら?

フランが私に食べさせようとしてくれた団子を、悪戯兎に食べられた…………?



「……あっ、そ、そんなぁ…………!?」


「いやぁー、悪戯が成功した時の団子は一味違うねぇ!」


「………………っ!!」



私より先に状況を理解したフランが綺麗な両眼に涙を浮かべ、悲しみに溢れた声を出す……。

……その側で愉快気に笑う悪戯兎を見た時、私の中の何かが切れた。



「キッサマァァァァァァァァ!!!!!!!!

コロス、コロシテヤル!!!!

コイ!!『グングニル』!!!!」


「ひっ!? な、なんなの!?

ってまたその槍!!!?」


「えっ、御姉様!?」



驚きの表情を見せる悪戯兎とフラン。

他にも周りに誰かがいた気がしたが、今の私にはフランを泣かせた憎い相手の悪戯兎と、私が守るべき愛しいフランしか見えていなかった……。

……そして私はグングニルを大きく振りかぶり…………。



「シネェェェェェェェェ!!!!!!!!」


「ひ、ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」



……悪戯兎目掛けて全力でグングニルを投合し、その一撃は永遠亭に大きな穴を開けた…………。






ーーーーー

以上、レミリア狂化回でした!



……まぁ、フランとのイチャイチャタイムを邪魔されたばかりかフランを泣かされてしまえばレミリアも狂うほど怒りますよね。

てゐには新しい恨みもあるわけですし……。



次回、フランとレミリアはどうなるのでしょうか?



それではまた次回にてお会いしましょう!

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