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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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永遠の時を過ごす屋敷

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回は久しぶりに真っ正面のバトル…………のはずです!


まぁ、きっかけはかなりあれですがね。



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー数十分後、永遠亭

ーーーーside フラン



手を引くだけだと危ない気がするから手を組んで御姉様を引っ張り歩き続けること数十分、未だ唸っているてゐを担ぐ鈴仙に着いていくと遂に霧の中に一つの屋敷が見えてきた……。



「フランさん、あそこが私とてゐがお世話になっている『永遠亭』ですよ!」


「う、うぅ……わ、我が儘姫と年増薬師が住んでいる所だけどね…………」



こっちに振り向いた鈴仙が明るく『永遠亭』を紹介すると、担がれているてゐが余計なことを呟く……。

……次の瞬間、てゐが鈴仙ごと一直線にやって来た妖力弾……いや、霊力弾に吹き飛ばされた。



「だ、大丈夫てゐ、鈴仙さん!?

……もう! いい加減にしっかりしてよ御姉様!!」


「…………兎め、ざまぁみなさい……」



一向に復活する様子の無い御姉様を引っ張りながら吹き飛ばされたてゐと鈴仙の元に向かう。

……すると背後から新たな女性の声が聞こえてきた。



「あら、見慣れない顔がいるわね……?

……可愛いお嬢さん達、こんにちは。

私は永遠亭に住んでいる医師の八意永林よ。

貴女達は、鈴仙かてゐのお友達?」


「あっ、こんにちは!

私はフランドール・スカーレットで、こっちは私の御姉様のレミリア・スカーレットだよ!

えっと、てゐとも鈴仙とも知り合ったばっかりだから……友達、かな?」



振り返った先にいた奇抜な格好をした銀髪の女性ーーー八意永琳。

いきなり何かをするわけでもなく優しくきちんと挨拶をしてくれた永琳に、私も一度御姉様の手を離してからワンピースの裾を軽く掴みゆっくりとお辞儀をする。

そして数瞬してから顔を上げると、永琳が少しだけ驚いたような顔をしていた……。



「……丁寧な挨拶をありがとう、フランドールちゃん。

私ももう少しちゃんとした挨拶をするべきだったわね」


「ううん、気にしなくても大丈夫だよ!

それとフランドールだと長いと思うから、私のことはフランって呼んでね!」



私がそう言うと、私に暖かい笑顔を向けながら軽く笑う永琳。

そして永琳は私に手が届く距離まで歩み寄ってくると、ゆっくりと私の頭を撫で始めた。



「ふふ、分かったわフラン。

これからはフランって呼ばせてもらうわね!

……それで、フランのお姉ちゃんはレミリアちゃんで良いのかしら?」



言葉の最後になった時、私の頭を撫でながら暖かい笑顔のまま御姉様の方を向く永琳。

……しかし永琳が向いた先にいた御姉様は、わなわなと肩を震わせて俯いていた。

そして、永琳が不思議そうな顔で首を傾げ、鈴仙とてゐが起き上がってきた時…………。


「……どいつもこいつも、散々私を馬鹿にしてくれるわね…………!!

……良いわ!! そこまで私を馬鹿にするならどちらが上位の存在か思い知らせてやる!!!!」


「「「「えっ?」」」」



あまりにも急な発言に呆気に取られた私達をそのままにして、御姉様は再びグングニルを呼び出し自分の回りに弾幕を展開し始める。



「ちょ、ちょっと御姉様!?

ここで暴れたらダメだよ!!

霧が晴れたらまた御姉様が燃えちゃうじゃない!?」


「こ、ここはお師匠様達に任せて屋敷にトンズラするのが一番!!」


「あっ、ちょっとてゐ!?

あぁもう、あのバカ!!」


「鈴仙、てゐは放っておいて今はこっちを手伝いなさい。

……フランは素直で良い子だけど、お姉ちゃんのレミリアちゃんは少し躾が必要みたいね?」



私は御姉様を心配し、状況が危険だと悟ったてゐは永遠亭へと逃げ去る。

それを追おうとした鈴仙はさらに御姉様に追い討ちをかける永琳に呼び止められ、すぐに戦闘体勢に入っていた。



「貴女ごときに躾をされることなんて無いわ!

……さぁ、食らいなさい!!

『スカーレットマイスター』!!!!」


「これは躾の前においたをした罰を与えなくちゃいけないわね……。

『神代の記憶』」


「師匠、お手伝いさせていただきます!!

『真実の(インビジブルフルムーン)』!!」



的確に永琳だけを狙う刺突型の『スカーレットマイスター』に対し、捕縛型の『神代の記憶』と拡散型の『真実の(インビジブルフルムーン)』で御姉様の弾幕を打ち消しながら追い討ちをかけようとする永琳と鈴仙の弾幕。

しかし一対二でも御姉様の弾幕は負けておらず、『スカーレットマイスター』は着実に永琳へ距離を縮めていっている……。



「くっ、このままでは突破される、か……。

フラン! 申し訳ないけれど、悪いことをした貴女のお姉ちゃんを叱らなくちゃいけないから手伝ってくれないかしら?」「なっ、ダメよフラン!?

そんな無礼者じゃなくて私を手伝いなさい!!

私達姉妹の力を見せつけてやるわよ!!」


状況を不利と見た永琳が私に応援を頼んでくると、そうはさせないと言わんばかりに御姉様も応援を頼んでくる。

そして永琳を援護している鈴仙も、横目で私に懇願するような視線を向けてきていた……。

……どうしよう、普通だったら永琳が正しいけど、御姉様もさっきから誇りを傷つけられてばっかりだったから怒るのもしょうがない気がする。

でも、初対面で優しくしてくれた永琳や鈴仙のお願いを無下にするわけにもいかないし……。



「お願い、フラン……!!」


「フラン、そっちはダメよ!!」


「くぅ、は、早く……フランさん…………!!」


三者三様に私の名を呼ぶ御姉様と永琳と鈴仙。

特に実力で二人に劣っている様子の鈴仙はかなり切羽詰まっていた……。

……どちらにもつけないなら、永琳と御姉様が話し合う状況を作らなきゃダメだよね。

とりあえず、入り交じる全ての弾幕を壊してしまおう……!!


そう決めた私は御姉様でも永琳でも鈴仙でもなく、色鮮やかに入り交じる三つの弾幕に向けて右手を伸ばし、その『種』を右手の中に引き寄せた……。



「……キュッとしてドカーン!!!!」


ーーーパァァァァァァン!!!!


「「「なっ!!!?」」」



大量にあった弾幕が、私が右手を握った途端に全て破裂して消え去る。

その光景は、さながら夜空に咲いた花火が鮮やかに消え去るかのようだった……。



「もう、御姉様も永琳さんも鈴仙さんも落ち着いてよ!!

御姉様は初対面の人が言ったことに過剰反応しちゃダメ!!

てゐとは違って永琳さんは親しみを持って接してくれたのにそんな態度をするのは失礼だもん!!

それと永琳さんも弾幕とかに頼らないで何で怒ってるのか聞かなきゃ!!

後、鈴仙さんは永琳さんを助けるためでも火に油を注がない!!」


「うっ、ご、ごめんなさいフラン……」


「……確かに、始めに怒っている理由を聞くべきだったわね。

ごめんなさい、フラン……」


「す、すみませんでした……」


右手を下ろした私が真剣に怒ると、三人ともばつが悪そうに落ち込んでいく。

特に本人からすれば失態を重ねてしまった御姉様の落ち込む勢いはかなり凄かった……。



「……うん、皆がちゃんと分かってくれたなら私はそれで良いよ。

それじゃあ今ので霧も少し薄くなっちゃったし、日光が射し込んでくる前に屋敷に上げてもらっても良いかな?」


「えっ、あぁ、別に構わないわ。

それじゃあフランも、フランのお姉さんも着いてきてちょうだい。

後、鈴仙は先に戻っててゐを捕まえておいて」


「はい、分かりました!」



そうして永琳の言った通りに永遠亭へ駆けていく鈴仙。

それを見送った私は、左手で御姉様の右手を握って永琳の側に寄っていった……。



「それじゃあ私達も行きましょう。

色々と迷惑をかけてしまったから御詫びに二人分のお茶菓子を用意するわね」


「ホントッ!? ありがとう永琳さん!!

御姉様、お茶菓子が貰えるって!」


「ふふっ、本当に嬉しそうねフランは。

もしお茶菓子がフランの好きな物だったら、私の分も食べて良いわよ?」



御詫びに貰えるというお茶菓子の話で盛り上がる私達。

気が付けば御姉様も少しだけ元気になっていて、永琳もさっきと同じ暖かい笑顔になって、その上私の右手を握ってくれていた。

……そして私達は仲良く手を繋ぎながら、永遠亭の門を潜っていった…………。




ーーーーー

以上、久々正面バトル回でした!



……あっという間にフランから収拾をつけられてしまいましたが。



因みに今回フランが能力を使ったのは藍の時の教訓があったからです!

弾幕に弾幕をぶつけてはどうなるか分からないというのを、フランは自らの瀕死を以て学びましたからね。




それではまた次回にてお会いしましょう!

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