悪戯兎をとっちめろ!
どうも、東方転妹録最新話です!
今回は吸血鬼姉妹と妖怪兎のリアル鬼ごっこになっています!
……まぁ相手は兎詐欺ですから、只ではすみませんがね。
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー霧の覆う竹林。
ーーーーside フラン
御姉様がグングニルで突きを繰り出し、私がレーヴァテインで横凪ぎに払う。
しかしそれらは間一髪の所で避けられてしまった。
「待ちなさい悪戯兎!!
まだ仕返しは終わってないわよ!!」
「御姉様と喧嘩しちゃったのは貴女にも原因があるんだから、ちゃんと罰を受けてよ!!」
「ヒャアァァァァァァ!!!?
し、死ぬ、死んじゃうぅぅぅ!!!!」
キスをして落とし穴から出た後、悪戯兎ーーー因幡てゐをさらに懲らしめようと竹林を飛び交っている私と御姉様。今度は間違えて霧を払ったりしないために、それぞれリーチのあるグングニルとレーヴァテインを片手にてゐを追いかけているけど、やっぱり竹林がホームグラウンドであるてゐを捉えるのはかなり難しい。
「お、落とし穴にかかったのも喧嘩したのもアンタ達が自分から勝手にしたことじゃん!!
私は悪くないもんね!!」
「落とし穴を作ったのは貴様だろうが!!
第一貴様が落とし穴を作らなければ愛しいフランと喧嘩するという悲劇も起こらなかった!!!!」
責任逃れをしようとするてゐに今度は竹を粉砕しながらグングニルごと突っ込む御姉様。
しかし、それもまたギリギリの所でてゐに避けられてしまっていた……。
……あっ、御姉様がカリスマモードになってる!
「お、落とし穴は鈴仙用に用意した奴だからアンタ達が落ちた時はすぐに助けようとしたんだよ!?
私は嘘つかないから信じてよ!!」
「私と御姉様が落ちた時に『落ちたバカ二人の顔を拝見』的なことを言ってたでしょ!?
私はちゃんと聞いてたもん!!」
私は嘘を指摘しながら、逃げるてゐの頭に向けてレーヴァテインを縦に振るう。
それすらも横に避けられ、レーヴァテインは地面をえぐっただけとなった。
「な、なんでそんなことを覚えてるのさ!?
……あっ、い、今のは無し、無しだよ!?」
「「ちゃんと覚えてるじゃない!!!!」」
「き、きゃぁぁぁぁぁぁ!?」
完璧に自白したてゐに向けて、今度は私がレーヴァテインで斜めに切り上げ御姉様がグングニルで回転しながら横に払う。
そして、その時御姉様の一撃が今度こそてゐを捉えていた……。
「あぁぁぁぁ!!!?」
「よし、ようやく一撃かませたわ!!
……それじゃあ今度は、散々バカにしてくれたことへのお礼をしなくてはならないわね…………」
弾いたレーヴァテインを直撃させた分を除けば、てゐを追い始めてから攻撃を当てたのは確かにこれが初めてだ。
そのことに喜びを覚えた御姉様はゆっくりとてゐに近づいて地面に降り立ち…………。
ーーーット、ズボォッ!!!!
「えっ、ちょっ、きゃあぁぁ!!!?」
「「あっ……!」」
……再び新しい落とし穴へと消えていってしまった。
「……あ、あははははっ!?
アイツまた罠に引っ掛かってるよ!!
ってヒィッ……!?」
「この悪戯兎め、よくも御姉様を……!!!!」
御姉様が再び落とし穴に落ちたことを笑い始めたてゐの目の前に、私は地面に降りることなく燃え盛るレーヴァテインを突き付ける。
霧を払ったりしない程度とはいえ霧の中でも赤々と燃え盛るレーヴァテインは、御姉様の一撃を食らった痛みがまだ引いていない様子のてゐに恐怖を与えるには十分だった。
「さぁ、きっちりと反省してもらうからね!!」
「ま、待って! もうしない、もうしませんからぁ!!」
許しを請うてゐに、それでも一撃は加えようと燃え盛るレーヴァテインを振り上げ…………。
「……あっ、貴女てゐに何をしようとしてるんですか!?
……って、キャアァァ!?」
「「…………えっ?」」
……突然現れ、突然別の落とし穴に消えていった女性によって、私はレーヴァテインを振り上げたままてゐと一緒に固まってしまっていた…………。
ーーーーー数分後。
ーーーパァン、パァン!!
「こぉんの馬鹿てゐ!!!!
今度という今度は許さないわよ!!!!」
「うわーーん!! ご、ごめんなさーーーい!!!?」
御姉様が再び落ちた落とし穴とは別の落とし穴から出てきたウサ耳制服の女性ーーー鈴仙・優曇華院・イナバに目の前でお尻ペンペンをされるてゐ。
鈴仙は最早私と御姉様は眼中に入っておらず、てゐへのお仕置きに集中してしまっているみたいだ……。
「……ねぇ、大丈夫御姉様?」
「……あそこまで追い詰めて、その上格好までつけたというのに……フランの見ている前で、あんな、あんな醜態をさらしてしまうだなんて…………。
…………もう、太陽に焼かれて消えて無くなりたいわ……」
そしてこっちでは、御姉様が凄まじいくらい落ち込んでしまっている。
私が御姉様に付いた土埃を払う間もずっと俯いて嘆きの言葉を発し続けていた……。
……これは、とりあえず側にいてあげるしかないよね。
今の御姉様を一人にしたら何をするか分からないもん……。
「……ふぅ、とりあえず私の手も限界だからここまでにしておくけど、これに懲りたら二度と悪戯しないこと!!
分かった、てゐ!?」
「お尻が……お尻がぁ…………!!」
私が落ち込む御姉様の背中を撫でてあげていると、どうやら鈴仙のお仕置きが終わったらしく、鈴仙は叩きすぎて疲れた手を振り、てゐは地面に蹲ったままお尻を抱えて悶えている。
……そうすると、お仕置きが終わり意識が全体に広がった鈴仙が私と御姉様に気付いて心配そうに話し掛けてきた。
「……あっ!! そちらの御二人は御怪我などはありませんか!?」
「えっと、怪我は無いけど、御姉様が落ち込んじゃってるよ……」
私がそう言うと鈴仙は御姉様の方を向いて、只でさえ心配そうにしていた表情を心配を通り越して泣き出しそうな表情に変えて全力で謝ってきた……。
「あっ、わ、私は鈴仙・優曇華院・イナバと言います!
この度はあそこに蹲っている仲間の兎、因幡てゐが御二人に御迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした!!」
「……別に、もうどうでもいいわ。
さっきあれだけの啖呵を切ったというのに、いきなりフランの目の前で醜態をさらす私なんて…………」
……これは、もう暫くそっとしておくしかないね。
ふらっとどっかに行こうとする時以外は側で撫でてあげるだけにしておこっと…………。
「えっと、鈴仙さんでいいよね?
私はフランドール・スカーレット、こっちは御姉様のレミリア・スカーレットだよ!
それで、謝るのはもういいから、何処か霧が晴れても日光が当たらない所はないかな?
もし日光が当たったら御姉様が燃えちゃうの」
「フランさんとレミリアさんですね!
それなら私とてゐがお世話になっている屋敷にいらしてください!!
お詫びにもならないと思いますがお茶やお菓子もお出ししますから!!」
鈴仙は少しでもお詫びができると思って気持ちが楽になったのか、少しだけ明るい表情になって蹲るてゐを捕まえに行き、肩に担いで再び私と御姉様の所に戻ってきた。
「それでは行きましょうか!
霧で視界が悪くなってますから、足元には気を付けてくださいね!」
「うん、よろしくね鈴仙さん!」
そうして私は未だ落ち込む御姉様の手を引きながら、先を歩く鈴仙の後を追って霧の中に消えていった…………。
ーーーーー
以上、レミリア玉砕回でした!!
……まぁ、兎詐欺が相手ですからね。
最後の最後に油断してしまったレミリアには、ドンマイとしか言い様がないです。
さて、次回までにレミリアは復活できるでしょうか?
それではまた次回にてお会いしましょう!




