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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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吸血鬼姉妹の喧嘩、そして……

どうも、東方転妹録最新話です!!



更新が遅れてしまいすみませんでした。

本日模試があったため、帰ってから思いっきり意識を失ってました。



さて、今回は初の姉妹喧嘩な訳ですが…………何故、シリアスに……?


そしてフランの中のレミリア株は一体……?



何はともあれ楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー1時間後、霧が覆う竹林。

ーーーーside フラン



「……どれだけ進んでも出口も何も無いね、御姉様…………」


「そうね、空を飛んだ方が楽に脱出できたはずだけど…………。

……こういう時、本当に太陽が忌々しいわ」



濃霧に覆われた竹林を歩き続ける私と御姉様。

行けども行けども竹林の出口は見つからず、かといって小屋なども見つかりはしなかった。

丁度手に持っていたレーヴァテインに小さな火を灯し、松明の代わりをしつつ暖をとっているため私と御姉様の体が冷えたりはしないけど、互いに徐々に溜まる不安に心がやられてきている。



「……ねぇフラン?

いっそのこと全て凪ぎ払いましょうか。

さっきは結局不夜城レッドを使わなかった訳だし……」


「それはダメだよ御姉様!

この際竹林とかは別に良いとしても、霧が晴れたら御姉様が焼けちゃうよ!?」



余程御姉様は苛ついてきているらしい。

私が御姉様を止めた後もグングニルを喚び出して右手に握っており、私の右手と繋いでいる左手にも力が入ってきていた。


……このままだと、恐らく御姉様が凶行に走って惨事になってしまいかねないよね。

何でも良いから早く見つからないかな……?


そう私が思っていると、ふとどこからか声が聞こえてきた……。



「…………ぁ……ぇ……」


「? 誰かが、何か言ってる?」


「どうしたのフラン?

何か聞こえたのかしら?」


「うん、誰かが何か言ってるよ!」



今まで何も無かった竹林に誰かがいるかもしれないという期待に、私は一気に興奮してきた。

かすかに聞こえる誰かの声、私はそれに向かって御姉様の手を引いて駆け出し……。



ーーーズボォッ!!!!


「「キャッ!?」」



……見事に、踏み出した先にあった落とし穴へ落ちてしまった。



「あははははっ!!!!

馬鹿が二人引っ掛かってるよ!」


「あぅ……女の子の声?」



落ちた穴の入り口の方から聞こえてくる女の子の声。

それを聞いた時、私の頭に一つのことがよぎった。


……霧は置いておくとして、いつまで経っても出口の見つからない竹林に落とし穴と悪戯が成功したことを喜ぶ女の子の声。

っていうことはつまり、ここは迷いの竹林!?



「さぁて、罠にかかった二匹の馬鹿な兎ちゃんのお顔を拝見っと!」


「えっ、あっ……!」



ここが迷いの竹林だと考え同時に女の子の正体が分かった時、上から再び聞こえた女の子の声に一気に現実に引き戻される。

そして声の主である女の子の顔が現れた瞬間…………。



「……クソが、吹き飛べ!!!!」


「あっ、御姉様!?」


「へっ?……きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」



……私の下敷きになっていた御姉様がそのままの体勢で、女の子の声が聞こえる穴の入り口に向かってグングニルを投合した……。



「バカ御姉様、いきなり何してるの!?」


「バ、バカ!? フラン、貴女何を……って熱っ!!!?」



御姉様は穴の入り口へグングニルを放った。

それは言い換えれば、上空に向けてグングニルを放ったということ……。

……つまり、グングニルにより霧が払われ日光が穴まで入ってくるということである。



「早く翼を畳んでよ御姉様!!

私の翼じゃ隙間から日光が入るんだから!!」


「ま、待ちなさいフラン!?

押さえ込まれたままじゃ翼を畳めないわよ!?」



下敷きになっている御姉様を、さらに私の体の下に押し込めようとする私。

……しかし、数センチ差とはいえ私より身長のある御姉様を押し込めるのはかなり難しく、翼の畳みきれない部分に至っては完全に日光にさらされて燃え始めてしまっていた。



「熱っ!? 御姉様の翼が熱いよ!?」


「っつぅ…………!!

も、燃えてるんだから当たり前でしょ!?」



御姉様の翼から燃え上がる炎に、今度は私の翼があぶられ始める。

幾ら弱点を破壊していても炎にさらされれば日光に当たらずとも燃えてしまうのは当然。

今はまだ熱いだけだけれども、御姉様の翼からあがる炎自体は既に私の翼に触れていた。



「き、霧はまだ出ないの!?

御姉様は一体どれくらいの力でグングニルを投げたの!?」


「さっきの状態でできる全力よ!!

あそこまでコケにされて全力でやらない訳がないじゃない!!」


「全力!? なんで全力で投げるのバカ御姉様!!

プライドより先に後先考えて行動してよ!!」



御姉様が全力でグングニルを投げたならどれほど濃い霧でもかなりの範囲が払われたはず。

それなら霧が再び日光を遮るまで、まだ時間がかかりそうな気がする……。



「バカ!? フラン、貴女またバカって言ったわね!?」


「言ったよ!! 後先考えずに自滅して私に心配かける御姉様なんてバカだもん!!」



売り言葉に買い言葉といった感じに言い争い始める私と御姉様。

そして一気にエスカレートした御姉様は再度グングニルを喚び出し、私の持つレーヴァテインに突き立てようとして来た……。



ーーーガキィィィィィン!!!!


「私の中でフランの次に大切なのは自身のことじゃなくて吸血鬼としての誇り、紅魔館当主としての誇りよ!!!!

だからさっきの行動はバカじゃないわ!!」


「それがバカだって言ってるの!!

私からしたら誇りなんかより御姉様の方がずっとずっと大切なんだよ!?」



私が御姉様に馬乗りになる形でつばぜり合う私と御姉様。

グングニルの矛先がレーヴァテインを穿とうとするけど、レーヴァテインも伊達ではない。

そうして神槍と魔剣が火花を散らし、落とし穴の中は燃え上がる炎と飛び散る火花で明るく照らされていた。



「私はフランに尊敬される誇り高き吸血鬼でありたいだけよ!!

そのためなら私の命程度気にはしないわ!!!!」



御姉様がそう言った瞬間、グングニルがさらに強く押し出されレーヴァテインが上に弾かれる。

それにつられるように穴の上を見上げると、霧が日光を遮り出したのが見えた。

そして…………。



「ちょっ、ちょっと、さっきのは何なのよ!?

って、きゃぁぁぁぁぁぁ!?」



……弾かれたレーヴァテインが再び現れた兎の耳を持った少女に直撃し、少女共々見えなくなる。

それを見て私が唖然としていると、とりあえず直撃させたことに満足したらしい御姉様が、ゆっくりとグングニルを手放して話しかけてきた。



「……まだやりたりないけれど、あれ以上したらまた霧が晴れてしまうからこれでやめておくわ。

……でも覚えておきなさい、フラン。

私は貴女のためになると思ったことは何でも戸惑いなくするわ。

例えそれが私の命を奪うことになったとしても、ね…………」



ゆっくり起き上がりながら、私が馬乗りになっているせいでいつもより高い位置にある私の顔を両手で包む御姉様。

その口許には不敵な笑みが浮かんでいたけど、紅い両眼は射抜くように私のことを見つめていた……。



「……それなら御姉様も覚えておいて。

私のためになる一番のことは、御姉様が命を賭けてまで私が尊敬し私の目標となるような立派な吸血鬼になることじゃない。

私の側で、幸せに笑っていてくれることだよ……」



幸か不幸か、長い間迷って苛立っていたことに加え悪戯をされるというキッカケにより、互いの認識の違いを確認できた私と御姉様。

それは互いが想いあっていることの証明になると同時に、私に私と御姉様の運命を危うく感じさせるのには十分なことだった……。



「もし、御姉様が私のために死ぬような運命があるなら…………私はその運命を破壊するからね」


「……そう、別に私は構わないからフランの自由にしなさい。

私には貴女の運命は見えないけれど、それでも私はフランのためになる道を選んで進むだけよ……」



ふと気付くと、今の御姉様が遠く感じる。

御姉様には私の運命は見えない、それは御姉様が私と道を違う選択をするかもしれないという不安を生んだ。

……だから今、御姉様が側にいる実感が欲しいと思うのはごく自然なことのはず。

そう思った私は、この時初めて…………。



「御姉様……私の側から離れないで…………」


「……フラン…………」



ーーー…………チュッ。



……自分から、御姉様にキスをした…………。






ーーーーー

以上、まとめに困る吸血鬼姉妹の初喧嘩回でした!



……手の進むままに携帯のボタンを連打していたらこうなったわけですが、さて、本当にどうしてシリアスに……?


因みにフランは今回初めて自分の意思で自分からキスをしました!


……レミリア株は本当にどうなるだろう?




とりあえず、また次回にてお会いしましょう!!

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